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2011年02月07日
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カテゴリ: 北朝鮮の話し


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-チャン・ソンム自由朝鮮放送副代表、2003年北朝鮮脱出


2010年4月、北朝鮮各地域の保安部に「打撃隊」を組織するようにという、人民保安部(警察庁)の指示が下達されたという情報があった。道保安部傘下に作られた「打撃隊」と名前付けられたこの常設組職は、以前、保安部捜査科で際立った活躍をした人々や、保安部政治大学を卒業したばかりの学生たちをはじめとして、若くて斬新で金正日に対する忠誠心が優れたた人々で組職される予定だと伝えられた。「打撃隊」が組職された目的は、緩んだ取締り綱紀を出来るだけ早く引き締めようというものであり、その規模は400人に達するとのことだった。

そして6月、本当に各市・道の保安局(地方警察庁)に「打撃隊」と命名された常設組職が出来上がった。ここに集められた打撃隊員たちは、飢えた山犬が餌を探すように、手当たりしだいに住民たちを捕まえ始め、住民たちに極度の恐怖感を感じさせた。人民たちは何とかして逃げようとして、必死に機嫌を伺ったとのことである。

この打撃隊の権力は、限りがないほど強力だった。国境地域で中国の携帯電話を使う人々を探し出して、韓国に情報を売る人々を捕まえたり(中国との商売を言い訳にする携帯電話使用者も含む)、麻薬密輸及び密売者、中国逃亡者(脱北者)を徹底的に捕まえるのも打撃隊の仕事だった。特に保衛部が担当する住民たちに対する政治的動向の把握までして、不純分子たちを探し出した。取り締まりをする時も「夜間組み」と「昼間組み」に分けて、24時間に渡って北朝鮮の全住民を監視網に入れ、住民たちの行動を一々監視した。

このように打撃隊の目的は、新しく出発する金正恩体制の安着のために、24時間に渡って住民たちを統制することである。このような現象は、金正日政権の維持も既に限界点に達したということを意味する。即ち、住民たちに対する強力な統制なくしては、金正日、金正恩政権の維持は不可能だということなのである。そうなると、金正日に、或いは新たに出発する金正恩に、現在残っている人民たちに対する統制カードはあるのだろうか?

金正日政権が今まで、政治犯収容所を利用した残忍な人権染躪で、自らの政権を維持してきたということは、よく知られている。しかし政治犯収容所は国際社会で多くの非難を浴びる実体であると同時に、北朝鮮内部でも多くの副作用を生んでいる。金正日の忠誠分子たちが多いと統制し易しいが、小さな失敗も許さなかったので、過去、あまりにも多くの反対勢力が生じた。金正日に反対したという理由で逮捕されたら、本人はもちろんのこと家族や親戚まで殺されたり、政治犯収容所に連行された。従って、反対に金正日の敵が多くなったというのである。

政治犯収容所の中で繰り返される人権染躪行為が、北朝鮮に対する国際世論を悪化させるということを 金正日独裁政権も知らないわけがない。故に、最近は人々を捕まえて政治犯収容所に送る問題に対しても、それなりに慎重に処理しているようである。以前なら間違いなく政治犯収容所に送られた人々も、今は労動教化所に送られる程度で済むとのことである。また政治犯収容所に人々を捕まえて送る作業も、必ず夜中や早朝に、隣家も分からないくらい速かに行う。金正日政権が住民たちの視線を意識しているからである。

人民たちを統制したいからと言って、全員を政治犯収容所に押しこめることはできない。何故ならば、金正日政権にとっても、政治犯収容所は負担になるからである。収容所に入れられている人々を解放したら、人前では忠誠する振りをしても、心の中では金正日に反対する勢力になるはずであり、そのままにして置いたら国際社会の厳しい非難を避けることはできないからである。政治犯収容所をどうするかには、新たに誕生する金正恩にとっても大きな課題である。

金正恩は姿を現わす前、「非社会主義」問題の解決に焦点を合わせた。それで始めた事が、かなり以前から準備して来た貨幤改革措置だった。故に、昨年11月末に貨幤改革措置を実施してから2~3日間は、各職場と人民組で会議や講演会を開いて、「今回の貨幤改革措置は青年大将である金正恩同志が、人民生活を画期的に良くするために用意した措置」と大々的に宣伝した。



党代表社会で殆ど強制的に金正恩を公開したが、人民たちの反応は未だに冷ややかなものである。このような状態なので、金正日独裁政権が金正恩に権力を無難に移譲するためには、人民たちに何か強い衝撃を与えるのが必要と考えたようである。それが正に、韓国のチョナン号、延坪島攻撃だったようである。北朝鮮社会に広まる金正日政権に対する人民たちの怨声を、戦争の雰囲気を作って解決しようとしたのである。しかしこのような挑発をすればするほど、金正日政権の運命は結局、破滅へと突進するしかない。







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最終更新日  2011年02月07日 11時16分03秒
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