機械式時計と煙草でブログ！

< 新しい記事

新着記事一覧(全2541件)

過去の記事 >

2013.07.27

飛鳥

(2)

テーマ：パイプたばこを吸おう(1955)

カテゴリ：パイプ煙草インプレ

　私はそうでもないのですが、夏になるとラタキア銘柄を吸いたくなるという話は良く聞かれます。また、JTのパイプ煙草銘柄で未喫になっている物も残り少なくなってきたので、今回の「飛鳥」を選んでみた次第です。
　「飛鳥」は今でこそマックバレンで製造されていますが、国内産だった頃は、日本初のラタキア銘柄として、その地位を確固たるものにしていました。今の「飛鳥」は当時とは違っているだろうとは思いますが、それでもJTパイプ煙草の主力の一つではありますから、試しておいて損はないでしょう。

　開封時の香りは、ラタキアの腐敗臭もありますが、どちらかと言えば深く熟成させたオリエント葉の鰹出汁的な匂いの方を強く感じます。ラタキア銘柄としては、取っ付きやすい方だと思います。
　カットは普通サイズのラフカットで、やや乾燥気味の手触りです。

　これを火皿内径20mmのパイプに普通に詰めて着火しますと、開封時と同じような香りが最初に来ます。オリエント葉の出汁系の匂いの中に、少しラタキアの糸を引くような腐敗臭が混ざります。味は、オリエント系の角の取れた甘味に、少し砂糖的な甘味も感じます。どこかに薄っすらと微妙な着香感があって、それはバニラか蜂蜜辺りを想起させます。

　火付き・火持ちはやや悪く、喫煙序盤の再着火は多めになっているように思います。また、燃え進みも遅い感じがします。

　喫煙序盤から中盤にかけて、舌への刺すような刺激を強めに感じます。燃え進みが早くないので、煙の温度によるものではなく、アルカリかバーレー葉による刺激だと思うのですが、ちょっと気になります。
　この喫煙中盤の段階での味と香りは、基本的には序盤とほとんど変わりません。元々の着香感が非常に希薄なので、変化がないのは当たり前です。

　喫煙終盤になって、不思議と金属的な風味が混ざってきました。バージニアを過燃焼させた際に出る金属的な風味とは少し違って、タールの堆積によるコクのようでもあり、銅板を舐めているような雰囲気でもあり、少しザラッとした硬質の舌触りです。ただ、全体的には序盤からの喫味にコクが深まったような雰囲気なので、気にしなければ気になりません。

　という事で喫煙終了。後味は砂糖入りの鰹出汁で、残り香は炒めた玉葱でした。
　全体的に見て、比較的オーソドックスなラタキアブレンドだと思いますが、ラタキアよりもオリエントの方が強く感じました。これぐらいラタキアの腐敗臭が弱ければ、ラタキア銘柄の入門には最適であるように思われます。

　「飛鳥」は、45g入りパウチで1,250円と、他のJTパイプ煙草（50g入り1,200円）より少し高い価格設定になっています。それだけ良質な葉を使用しているという事なのでしょうが、それを明確に感じ取れるほどではありませんでした。ですが逆に安っぽいという感じでもなく、割りと普通に美味しく吸える範疇だと思います。そういう意味では、常喫向けでもあると思いますし、ラタキア入門向きでもあります。

　際立ったインパクトはありませんが、それなりに良い煙草だと思います。

[良い煙草ブログは此方 Click!]