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2010.03.18
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カテゴリ: Jリーグ観戦記
3月14日 J1第2節@埼玉スタジアム 50,096人(82%)

浦和レッズ 1-0 FC東京
【得点者】
前半19分 ロブソン・ポンテ(レッズ)


 FC東京が浦和レッズから勝利をあげたのは、今から6年も前に遡る。PK決着にもつれこんだ、04年のナビスコカップ決勝だ。それが、最後のレッズ戦勝利だった。およそひと月後に行なわれた天皇杯準決勝で敗れてからというもの、二つの引き分けを挟んだ12連敗というありさまである。
 逆にレッズ側にしてみれば、おいしいお得意様相手に星を落とすわけにはいかない。しかも開幕戦では「65%」という圧倒的なボールキープ率を見せつけながら、したたかさで一枚上手の鹿島アントラーズに0-2で敗れている。ここで連敗でもすれば、フォルカー・フィンケ監督の足もとはたちまち揺らぐことになるだろう。
 昨シーズンから指揮を執るフィンケの改革は、フロント陣の強力なバックアップを背景に進められてきた。それまでの先行逃げ切り型カウンターサッカーから、パス回しを重視した美しいサッカーへの転換を図ろうというものだ。だが急激な変化に選手たちが対応しきれず、結果的にACL圏外の6位に終わった昨季は、いわば「実験シーズン」だったともいえる。しかし今年も結果を出せなければ、もはや、どんな言い訳も説得力を失う。その意味で、今季のフィンケ浦和は「崖っぷちシーズン」なのだ。

 エジミウソンのワントップで臨んだアントラーズ戦との違いを新聞記者に問われたフィンケは、 「それは事実ではありません」 と、やんわりハネつけた。 「今日のゲームも開幕戦も、攻撃の選手を4人起用しました。私たちは、常に4人での攻撃を考えています。つまり攻撃時のシステムは4-3-3になるわけです」
 だがこの日は、エジと田中達也の2トップでゲームに入った。フィンケの言に従えば、2列目のポンテと柏木陽介が「攻撃の選手」の一角ということになる。しごく簡潔に言えば、開幕戦では2列目の左からエスクデロ・セルヒオ、陽介、ポンテを並べて「パスの出し手」を多くしたが、FC東京戦では「パスの受け手」を増やしたことになる。
 開幕戦と第2節のフォーメーションの違いは(1)相手の戦力や特性を見ての判断、それとも(2)開幕戦のレッズのデキを見ての判断なのか、それが質問した記者の意図するところだったのだろうが、まんまとフィンケに逃げられたかっこうだ。ミーティング内容の漏洩を禁じるフィンケらしい対応ぶりだった。

 ゲームメイカーの陽介や、左サイドバック宇賀神友弥らの加入で、今年のレッズの選手層は昨年を上回る。各ラインごとにさらりと眺めてみても、FW陣では2年前のナビスコ杯でデビューをはたし、昨季はリーグ戦だけでも32試合に出場して話題となった原口元気が、なんとまだ18歳である。今季は同じく18歳のモハメド・ファイサルもガーナリーグから獲得した。
 ボールを積極的に動かすサッカーを標榜するフィンケが、世代交代をはかろうとしているのは明白だろう。来季ACL出場への足固めとも思える第2期改革プランにより、高原直泰の評価が下がりつつあるのはやむをえないことなのかもしれない。だとすれば、タカ自身が決意を下したレッズ残留の是非は微妙なものだったことを意味する。

 MF陣も同様に厚みを増した。近年、負傷しがちなポンテをカバーする存在として昨季、グルノーブルでもプレーした21歳の梅崎司を大分トリニータから獲得した。そのほか、19歳の山田直輝をリーグ戦20試合で起用、22歳の西澤代志也もデビューさせた。さらに25歳のウィルフリード・サヌーをブルキナファソから補強するという念の入れようだ。
 穴があるとすれば、トゥーリオが抜けたあとの守備陣だろう。今季は「広い視野と瞬発力をもった選手」という理由で、ベテランの山田暢久を坪井慶介と組ませているが、これが吉と出るのか凶と出るのかが、FC東京戦での見どころのひとつでもあった。しかし後半27分には平川忠亮をベンチに下げ、ジュニアユース上がりの17歳、岡本拓也をデビューさせている。これは、Jリーグ史上最年少のデビュー戦としても記録更新された。
 加えて、この日はベンチ外だったものの、負傷から復帰しつつある新戦力・21歳のスビラノビッチも守備陣のバックアップメンバーとして控える。負傷者続出の川崎フロンターレが苦しんでいるが、レッズはどんな事態に陥ろうともバックアップに事欠かない。これではリーグが義務付ける規約第42条「最強チームによる試合参加」の基準を、ことレッズの場合、いったいどこにおいたらよいのかわからなくなる。
 一方のFC東京は、術後まもない梶山陽平はベンチに入ったものの、米本拓司が抜けた穴をどう埋めるかだった。昨季はナビスコ杯でMVPとニューヒーロー賞に輝いた、いまやチーム不動のボランチである。開幕直前の26日、紅白戦で負傷し、前十字靭帯と外側半月板の損傷が判明した。靭帯断裂でなくてフロント陣はホッとしたろうが、傷めた半月板の回復も時間がかかるケガのひとつだ。
 まことに恐縮な余談だが、筆者も昨年3月の草サッカーで半月板を傷め、6月の神田明神の祭礼が終わるまで、松葉杖の日常を余儀なくされた。その後も寒い季節が訪れると、治ったかのように思えた患部が「無理しないでね」と、しんしんと休息を訴えかけるのである。おかげで運動不足となり、神輿を担いでもすぐに息があがるようになってしまった。

【その2に続く】





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最終更新日  2010.03.18 13:52:04
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