菅直人首相、所信表明の「第三の道」は、効果的な経済政策とは思えないのだがどうなんだろう。
自分が思うに、 経済成長の原動力は、『生産性の向上』
。
歴史は、生産性の向上なくして経済成長は起こらないことを示している。これを素直に受け入れるなら、日本経済の過去20年にわたり低迷は、『生産性の向上』がないからに他ならない。デフレや少子化問題は『生産性の停滞』が引起してた結果だと考えている。
生産性とは、単位労働時間当たりの生産量。1人当たりの利用可能設備及び教育サービス量と正相関する。
発展途上国の様に設備及び教育サービスの絶対量が不足しているなら、これらを増加させれば、1人あたりの利用可能設備及び教育サービス量が増加し、受給者の生産性が向上することになる。受給者の生産性向上により経済が成長することになる。
しかし、人が利用可能な設備及び教育サービス量には限界があり、これを超えると、いくら設備及び教育サービスの絶対量を増やしても、利用可能設備及び教育サービス量は増加しなくなり、受給者の生産性が向上しなくなる。設備及び教育サービスの絶対量を増やすことでは、いずれ経済が成長しなくなる。
これが、管首相の言う「第一の道」が上手くいかない理由。既に、日本は公共事業でインフラ設備を増やしても、1人あたりの利用可能設備量は既に限界に達している為、設備供給側に需要を提供することで一時的な景気押し上げ効果は認められるが、持続的な経済成長には至らない。
自由市場は、公正で自由な競争を催すことで、相対的に生産性の低い参加者を淘汰し、全体の生産性を向上させる。これにより持続的な経済成長が保障される。
しかし、公正な競争は規制がなければ成立せず、規制があれば自由な競争は成立しない。現実は二律背反。公正で自由な競争を保証する完全な自由市場は実現できない。よって、自由市場は必ず内部矛盾を抱え、放っておけば、時間経過と伴に矛盾が拡大し、淘汰が機能しなくなる。この為、生産性が低迷し、経済が成長しなくなってしまう。
これが、管首相の言う「第二の道」が上手くいかない理由。日本では、規制を取払い自由市場を創出しても適宜メンテナンスをしない為、市場から公正で自由な競争が失われて、生産性が低下。経済が成長しなくなってしまう。欧米諸国は市場のメンテナンスに熱心なのだが日本は・・・・どうしてこうも不熱心なのか理解し難い。
個人的には
管首相の言う「第三の道」には、生産性を向上する仕組みが含まれていない。需給調整の域を出ていない
と見ている。
社会保障分野は設備及びサービスの絶対量が不足している状況は確からしいから、
政府支出を増加させれば、1人あたりの利用可能設備及びサービス量は増加すると考えられる。しかし、受給者側の生産性は向上するかどうかはかなり懐疑的。社会保障分野の設備及びサービスが不足しているのは高齢化が原因だからである。
「第三の道」で社会保障サービス供給者側の需要改善は見込めるが、受給者側の生産性向上は 「第一の道」程は期待できず、継続的な経済成長には結びつかないと考えている。
早晩行き詰まりそうである。
労働生産性(会計学上の「付加価値生産性」)
・労働者一人あたりの付加価値を産出量
計算式
付加価値生産
=生産量(付加価値)÷労働量(従業員数 )
=経営資本集約度(経営資本÷従業員数)
×経営資本回転率(売上高÷経営資本)
×付加価値率(付加価値÷売上高)
2005年労働生産性比較(米国=100)
ユーロ圏
=87
英 国
=83
日 本
=71
OECD平均
=75
※日本の生産性は先進工業国とは言えないほど低い
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