Nov 12, 2004
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カテゴリ: on alcohol





Kurochang の11月2日の日記を読んで思い出した俺の洒落にならない恐怖体験。




6、7年前だろうか。

前に住んでいた家から、学校までチャリで20分くらいかけて通っていた。

通学路の途中、私鉄の線路沿いになだらかに下ってまた上る、

チャリで通るにはとても気持ちのいい坂があった。

訳あって、夜中に学校へ行くことが多かった俺はいつものように

チャリで坂を下って行こうとした。

すると坂を下りきった所で線路沿いの草を棒のようなものでなぎ倒しているおっさんがいる。

ゴルフの素振りにしろなんにしろ、長い棒を振り回している人に近づくのは怖いもんだ。

しかもその時のおっさんはなんだか尋常じゃない殺気を放っていた。

俺は身の危険を感じ、とっさに坂の途中で急ブレーキをかけた。



と同時におっさんも動きを止めた。


しばらく、お互い見つめ合った。



おっさんの表情は、暗いのと距離が離れているためによく見えない。

普通こういう状況になると道を譲りそうなもんだが、おっさんは動かない。

俺は勇気を出しておっさんに問いかけた。


「すいませーん。ここ通っても大丈夫ですかあー!?」




おっさんが動いた。

手に持っているモノを体の脇に構え直す動きだった。




その時、俺には見えた。

奴が手にしているモノがギラリと鈍い光を反射するのを…





日本刀だ。





気付いた瞬間、俺はUターンして必死でチャリをこいだ。

途中、最寄の駅からその坂に向かって歩いていく女性がいた。

俺は、

「あ、ちょっと待って! あのー。」

と話しかけると、

「何ですか! いいですそうゆーの! 急いでるんで!」

と切れ気味に言われたので

「その先の坂で日本刀振り回している男がいるんですよ! 行かない方がいいです!」

というと、

「ナンパかと思ったんで… すみません。ありがとうございます!」

と謝られて、一緒に迂回路へと向かった。

さらに途中、何人かその坂に向かっている人達を引き止めて迂回路を回らせ、

俺は急いでたので110番して、警察に場所だけ教えて学校へと向かった。




次の日、明るくなってからおっさんが草をなぎ倒していた場所を通ってみた。

よく見てみると、その辺のアジサイや雑草が根元からスッパリ切られていた。

あの時、ブレーキを掛けずにいつものように坂を下っていたら…

俺の体がスッパリ斬られていたかもしれない。

と思うとゾッとする。




その後、その近辺で日本刀を使った事件は起きていないので、
(何年か後に、すぐ近くで 国会議員が刺殺される事件 があったが…)

あのおっさんは事件を起こすような人間じゃなかったのかも知れないけど、

本気で身の危険を感じた経験だった。



でも世の中、そういう突然で理不尽な死に見舞われる可能性もあるのかと思うと、

なんともいえない不安とやり切れなさがある。



今でこそ笑ってネタとして話せるが、

俺はあの時の刃の鈍い輝きが忘れられない。










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Last updated  Nov 13, 2004 03:00:18 AM
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ヒロです@ ご無沙汰しています☆ お久しぶりです☆ケータィから覗き見してい…
HIRONO923 @ おぉ~ ご無沙汰デスね~! お元気でしたか?? …
ゆう@ とうとう出ちゃったね うわさは本当だったよ。 <small> <a hre…
ふーてん@ Re:おひさ(10/26) 悩む子とはとてもいい事だが、不満を酒で…

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