茨城県水戸から発信 Bacon's Infomation Laboratory

茨城県水戸から発信 Bacon's Infomation Laboratory

2012.01.26
XML
カテゴリ: 読んだ本

 金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱 (中公新書) (新書) / ロナルド・ドーア/著

著者のロナルド・ドーアさんは知日派の社会学者とのこと。
かなり日本型経営への思い入れが強く感じられました。
したがって、論旨にはかなり共感できる部分が多いです。

2000年代中盤、リーマンショックまでの景気拡大時には、金融マーケットで超高額な報酬を得た面々が、金融バブル崩壊とともにその穴を埋めることなく逃げてしまいました。
その時、多くの一般人が怒ったはずですが、金融を巡る事情は何も変わっていないように思います。

当時私もバブルを実感していました。
といっても決して、80年代後半のような贅沢を味わったわけではありません。
なんか、当時の金融商品は(一部ですが)風船ふくらまして売っているような気がしていました。
金融商品を扱う仕事を少しやっていて、金融の動きに触れる機会が多かったから感じたことです。


その辺の問題点はだいぶ言い尽くされていると思いますが、この本がトレースする視点には感心させられる部分が多かったです。
たとえば、金融が暴走する要因としてプリンシパル・エージェント理論に触れていました。

こいつは私が大学生の時に論文に取り組んで挫折したやつです。
要はプリンシパル(=投資家、株主)がエージェント(=経営者)の関係においては、エージェントが自分の利益を優先してしまう問題があり、これをインセンティブによりコントロールすることです。
実態はインセンティブ(=報酬)の与え方を失敗して企業を食いつぶすことになってしまっています。
こんなリアルな問題になるんだったら、大学生の時にもっと真剣に勉強しておけばよかったと思いました。
(まあ、勉強したところで、「世界経済を救った」なんてことにはならないでしょうけど...)

後半は反省の色のない金融のプレーヤーに規制を課す動きを紹介されていますが、この辺は理解しきれず、どういう方向性になっているのかよくわかりませんでした。

何はともあれ、Wikipediaに「社会学のみならず、経済学、人類学、歴史学、比較産業研究の各分野に貢献した」と紹介されているとおり、学際的な知識とものの見方はとても勉強になりました。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.01.27 00:54:27
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: