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2024年02月04日
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カテゴリ: 本の紹介
■第1部 現代における学問的知見のあり方

第1章 リベラルだからこそ「進化論」から目を逸らしてはいけない
第2章 人文学は何の役に立つのか?
第3章 なぜ動物を傷つけることは「差別」であるのか?

■第2部 功利主義

第4章 「権利」という言葉は使わないほうがいいかもしれない
第5章 「トロッコ問題」について考えなければいけない理由
第6章 マザー・テレサの「名言」と効果的な利他主義

■第3部 ジェンダー論


第8章 「ケア」や「共感」を道徳の基盤とすることはできるのか?
第9章 ロマンティック・ラブを擁護する

■第4部 幸福論

第10章 ストア哲学の幸福論は現代にも通じるのか?
第11章 快楽だけでは幸福にたどりつけない理由
第12章 仕事は禍いの根源なのか、それとも幸福の源泉なのか?

終章 黄金律と「輪の拡大」、道徳的フリン効果と物語的想像力
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ネットニュースで紹介されていて面白そうだったので読んでみた。

○賛成できるところ
・事実についてのできるだけ正しい知識から、ものごとの意味や価値について論理的に思考する。

・人間の生物学的特徴という「不都合な真実」を無視することで、左派は理想主義的な人間観をいだき続けて、完全な社会を夢見る。しかし、現実の世界を改善するには、事実を直視しなければならない。

○賛成できないところ
・動物倫理の種差別について

以下、感想。
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一方で、動物倫理や種差別についての議論は、ほかの議論に比べて、説得力がないように感じた。

「苦痛を感じる存在に対して意味もなく苦痛を与えることは間違っている」

この命題には賛成できる。

しかし、このあとの、生に対する利益と「知性」の関係、では以下のように述べている。

知性の高い動物が死ぬことを知性の低い動物が死ぬことよりも重大とみなすのは種差別ではなくて合理的な区別。しかし、人間だからという理由で赤ちゃんや知的障害者が死ぬことを知性の高い動物が死ぬことよりも重大とみなすのは合理的な区別ではなくて種差別。

生に対する利益は、
知性の高い動物>人間の赤ちゃん>知性の低い動物
なので、上記の議論になっているが、結局、種差別をしているように聞こえる。

以下リンクでは植物も痛みを感じることが科学的に発見されたとある。
https://news.livedoor.com/article/detail/22256475/

区別することを放棄する根拠にはならない、では、テントウムシの命よりもクジラの命のほうが重大と言っているが、テントウムシとカメムシではどうなのか?スズメとツバメではどうなのか?と、どこに線引きをするのか収拾がつかなくなり、現実的ではないように感じた。

食肉に関して、現時点で、良質のタンパク質はわれわれの生命維持に必要であり、動物蛋白を摂取することが医者からも推奨されている。将来、培養肉などの技術によって動物を殺さなくても良質のタンパク質を摂取できればいいのだが、現在は、結局、生きていくためには命をいただかなくてはならない。仮に動物倫理から食肉禁止、動物実験禁止、ということになると、健康を損なったり、病気が治らなくなり、人間の生命が脅かされることになる。

無意味に動物に苦痛を与えることはもちろん控えられなければならない。しかし、必要な犠牲はやむを得ないと思う。感謝してその恩恵を受けるしかないと思う。

第9章で、カントの倫理学について書かれていて、「自分自身と他者を決して単なる手段としてではなく、目的として扱うべき」ということろにハッとさせられた。

人間の心について、進化の過程で手にした高速計算機であり、感情によって自分にとっての損得を瞬時に判断する、ということをサピエンス全史で読んだが、第10章では、進化の奴隷のままでは欲求に振り回されて幸福になれない、というストア哲学について紹介されていて興味深かった。

道徳や倫理は、法律ではカバーしきれないところをカバーして、人間の社会生活を支えているが、明文化されていないものも多いため、人によって解釈が異なり、トラブルになることもしばしばある。だから、このような本で、いろいろな視点を得ることは有意義だと思った。

ぼくは工学部出身で技術職なので、科学的なアプローチで人間の心もいずれ解明できるのではないかと、半分くらい考えている。しかし、ぼくの父親は、人間の心は科学的なアプローチでとらえられるものとは次元が異なり、決して解明できない、と主張する。その行動がどんな意図から出たかは、たとえ結果が同じでも意図が異なればちがう、ということを言っていた。この本で、カントの倫理学についての紹介を読んで、少しだけ、父親が言いたかったことがわかったような気がした。

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最終更新日  2024年02月06日 00時24分45秒
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