☆★☆季節の風☆Kazeのミステリ街道☆

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March 12, 2010
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カテゴリ: 浄土ヶ浜殺人事件


 千賀子が言った。
「俺だってあの人の真意はわかっていた。友恵が妊娠したことは前から言ってたから。でも、どうして欲しいとも言わずに、ナギサさんの出方を待っているしかできなかった。…余計に自分が情けなくなった。気持ちの整理がつかないまま、友恵が待っているアパートの駐車場に車を入れて寝ていたら、阿部さんが声をかけてきた。それでまたつい、現実から逃げたい悪いクセがでてノコノコと、ここまで付いてきたってわけさ。頭が冷えたところで、間山がどうやって死んだのか、ちゃんと知りたいって気持ちもあったしな。あとは、あんたがたと一緒だったからいいだろ」
「わかりました」
 宮蔵は事務的に答えた。
「被害者の死を確かめに現場へ来たのは、管野君だけではありませんね。清水幾子さんも、そのひとりです」
 彼が言うと、皆から少し離れて書類を見ていた幾子が、頭を上げた。
「次は、私をつるし上げるのね」
 幾子は、反抗的な目で彼を見上げた。

 宮蔵は言った。
「刑事さん、それはおかしいですわ。俺がゆうべ…て、いうか、今日の未明に見た女の幽霊みたいのは、白いコートを着てました。なのに、この人は黒いコートを着てきています」
 佐藤龍二が、口をはさんだ。
「だが清水さんのマフラーには、赤い線が入っている。佐藤さんが見たマフラーも赤かった、という。ゆうべ、現場には雪が降りしきっていた。黒いコートにも雪が張り付きますね。清水さんが、夜明け近くに宮古警察署に訪れたことを考えても、あの階段には清水さんがいたと考えるのが自然です。頭から真っ白になるまで、ずいぶん長い間、あの凍り付く寒さの中、立っていられたものですね。寒さを忘れるほど罪悪感がありましたか?」

<つづく>

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おかげさまで、20位以内です。
みなさまありがとうございます<(_ _)>

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 外へ出ると、屋根から雨が落ちてくるように水滴が叩きつけてきます。
 少し出ていただけで、頭からずぶ濡れになりました(^^;;;

 道ばたには、夕方までかかって除雪している人がちらほら…
 あまり雪に慣れていないので、雪かきに飽きておしゃべりをしていました。


 夕方、コンビニで買い物をしたら、チーム青森のクリアファイルをもらってきました。

24h15.jpg

 バンクーバーのあとも頑張ってますね





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Last updated  March 13, 2010 12:00:27 AM


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