よかにせふくちゃんの紬出張日記
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さっきニュースを見ていると、「健勝苑、次々販売で告訴される」との報道があった。悲しいかな、特には驚かなかった。業界内では、たけうち亡き後次は「健勝苑」と言われていたから。ニュースでインタビューに応えていたのはやはり60歳以上の「高齢」に近い女性。「要らないし、買ったばっかりなのに、またクレジットをきらされた」この業界定番の会話である。今日も私自身展示会に行っており、コレに近い会話は随分聞いていた。ただ、豪華景品で呼び込み、囲い込み、強引に買わせるというバチ当たり販売ではない。念のため。きちんと「ファッション」として「着物が好きな方」のための展示会であった。私の場合。それにしても「健勝苑」は一世を風靡し「健勝苑と言えば大島紬」なんて時代もあったのだ。量を売ってくれるからということで、大島紬の産地からしても「上得意さん」であった時代もあったのだ。着物はファッションであるはずなのに、肝心のその部分を離れると「単なるいかがわしい商品」になってしまう。以前こんなことを言う方がいた。「たけうちにしても、どこにしても、要はさびしくて、お金があり、時間がある女性の 話し相手をして、遊び相手をすることでの対価としての着物なんだ。」全てではないがいい得ている店も多数ある。悲しいことだが、そんな事を販売マニュアルとしている店も過去にあった。そんな世界では「ファッション」なんて、そんなの関係ねぇ!である。価格も張り、文化も謳える「きもの」が最高の商材なんだろう。このような販売集団に販売を頼り、産地として「ヨイショ」してきた過去をもつ産地も流通業者も猛反省すべきであろう。本当は、産地も「売られ方」に口を出すべきだと私は考える。自分の娘(=商品)がどんな所に嫁に行き、どんな扱いを受けているか知るべきだと思う。また、「きものマスコミ」も少々責任アリじゃないか。「亀田ファミリィのTBS」のように、広告費さえ出せば、いかがわしい作家や 怪しい販売をするお店も堂々と載せるきもの誌は責任は無いのか。あの着物誌に載ることがステイタスという空気もあるし。今日のニュース。ただでさえ厳しい呉服業界を、またまた寒くさせることにならなきゃいいのだが・・・。寒くさせてしまうなぁ。きっと。
2007年10月22日
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