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| 夕方までに残り4km余り。先を急がなくてはいけません。スバリ岳から次の赤沢岳へは250mほど下った後、150mほど登ることになります。山頂付近の岩場にはチシマギキョウ(上画像)が咲いており、こうした花に癒されながら岩場のコースを下ります。・・・と、調子が良かったのはこの辺までで、この後大変な事態に襲われてしまいました。 持病・・といってもいいかもしれませんが、右の太腿がつり始めてしまいました。こうした事態を避けるために、この日もスポーツ飲料を飲み続けていたのですが、避け切れませんでした。発症直後は休み休みで少しずつ歩を進めていたのですが、30分も過ぎた頃にはとうとう足を伸ばすことも曲げることもできなくなってしまいました。このまま動けなかったら、今夜はここでビバーク、ということになります。この時点の標高は2600mほど、雨の心配はなさそうですが、悲惨な夜になりそうな予感です。5℃程度まで気温が下がっても耐えられる装備は常時携行していますが、今回初めてこのお世話になるのか・・・、などと覚悟は具体性を帯びて来ます。 太腿のマッサージやストレッチを行っても、一向に症状が改善しないまま1時間ほど経った頃、私と同年代の夫婦のパーティが通り掛り、一目見ただけで症状を見抜いたようで、処置の方法を教えてくれました。内容は 、『つっている筋肉に繋がる筋(腱)を、痛みを感じるまで強く押し、パッと開放する。少しずつ位置をずらしながら、この処置を筋の端から端まで行う。5-6周すると症状は消える』 というものです。この人も、他の山で苦しんでいて、他の人から教わったものだそうです。教わった通り、右の脛裏の腱にこの処置を行うと、何と何と速攻で痛みが消えたではありませんか。まるで予備の足に交換したような、奇跡の回復ぶりでした。教えて下さった方にお礼を言いつつ見送って、私も何事もなかったかのように歩き始めることができました。NHKの番組で紹介していた処置(ストレッチ)より、遥かに有効な方法なので、各位もこうした症状に襲われた時には、是非お試しください。 さて、残り4kmの間には 赤沢岳 (2678m)、 鳴沢岳 (2641m)のピーク越えがあります。詳細は省きますが歩行は順調に進み、宿泊予定の新越山荘(下画像=翌朝撮影)には5:40に到着できました。既に小屋の夕食は終っており、代わりにラーメンを用意して貰って、腹を満たしました。10年ほど山野徘徊を続けて来て、今回初めて遭難寸前の危機に瀕してしまいました。「足がつる」という悩みを持つ人は少なくないようで、小屋でこの話をすると大勢の人に喜ばれました。 |
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