◆◆ 呼吸法と口腔内管理 歯周病はがんと認知症の発症と関連!? ◆◆
今までお話しした呼吸法と口腔内管理について、
まとめると
1.唾液は夜中でない。
2.口呼吸では、特に夜間、口腔内は乾燥し、唾液の働きが抑えられる。舌根沈下し、いびきが出て、呼吸が浅くなる。
3.口腔内乾燥により、虫歯、歯周病の進行と口臭の原因となる。
口臭の原因は、口腔内の感染症、菌の増殖
歯周病は夜作られる!
4. 晩酌する人は、アルコールの利尿作用で、脱水傾向となり、夜間喉が渇き(口腔内乾燥)、口呼吸では、さらに口腔内乾燥に拍車がかかる。
ということで、夜間の口呼吸は避けるべきで、乾燥予防が重要
口腔内管理がうまく行かないと、歯周病や虫歯が進行し、最悪、抜歯→入れ歯になってしまいます。
歯周病は、実はそのほかの重大な病気を招いているかもしれません!
以前、歯周病と口腔内がんや食道がんの関係をここでお話したことがあります。 https://plaza.rakuten.co.jp/tennisoyabaka/diary/201707020000/
以下は、昨年発表された、東京医科歯科大学からの研究 結果です。
『食道がんと口中細菌に関係 患者では高い検出率』
ht tps://www.47news.jp/5752812.html
から引用
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食道がんと診断された入院患者61人と、がんでない入院患者62人の口の中を診察して唾液と歯垢(しこう)を採取。そこに含まれるDNAを抽出し、PCR検査を使ってそこに含まれる7種類の代表的な歯周病の原因菌の数を推定した。
問診の結果では、食道がんの患者の方が歯周病の状態が悪く、喫煙率や飲酒の頻度が高いことが判明した。
さらに、歯垢に含まれるある種の細菌は、食道がん患者では16人で検出されたのに対して、その他の入院患者での検出は1人だけだった。この細菌は、食道がん患者では唾液からも高い確率で見つかった。
結果を統計的に解析すると、唾液中でこの菌が見つかると、食道がんリスクは約6倍に高まる計算になった。さらに、歯垢で別の菌が見つかると約33倍になることも分かった。
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その他に、
『歯周病で食道がん、胃がんのリスクが上昇』
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200805-OYTET50002/
つまり、歯周病は歯が抜けたり、入れ歯になったりする局所的な疾患ではなさそうです。
消化器系のがんの発生・合併とも関連している可能性があります。
がんだけではありません。
認知症との関連
も報告されています。
歯周病がアルツハイマー病を誘発するかもしれないという研究結果です。
https://plaza.rakuten.co.jp/tennisoyabaka/diary/201708130000/
https://www.asahi.com/articles/ASNB544G9NB5TIPE003.html
から引用。
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武洲(たけひろ)・九大准教授(脳 神経科学 )は「歯周病菌が、異常なたんぱく質が脳に蓄積することを加速させてしまうことが明らかになった。歯周病の治療や予防で、 認知症 の発症や進行を遅らせることができる可能性がある」と指摘した。
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詳細は、↑のウェブサイトでみてください。
歯周病で、歯が抜けるだけでもいやなのに、胃腸のがんや認知症と関連するのであれば、ぜひ歯周病は、治療・予防したいものです。
次回は、実際の鼻呼吸や口腔内管理の実際・お勧めの方法についてお話します。
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