2008年07月19日
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カテゴリ: 観劇♪
いやぁ~~~。稀にみる衝撃的なストーリーで、本来ならば後味が悪いはずなんだけど、役者達の演技力と演出効果がそれを上回っちゃってるから、ストーリーを思い出しては「ウエ~ッ」と不快感が再発し、演出や演技を思い出しては「ホォォ~」とブラボー状態となり…。不思議な魅力を持った作品でした。

これが長塚圭史ワールドかぁ。なんか物凄い底力を魅せつけられました。

いわゆる“近親相○”の話なんです。「愛し合う出会った二人の関係がたまたま親子関係だった」という父(吉田鋼太郎)と娘みどり(鈴木杏)。その娘が妊娠…。

ホテルオーナー(中村まこと)の妻操子が自殺した後から話が始まり、ホテルの建て直しのためにやってきた信助(田中哲司)とその妻薫(松たか子)。みどりとであったことによって薫の過去が呼び起こされ…。

これね、私はあらかじめだいたいのストーリーを予習してから観たので、ある程度心構えができていましたけど、予習ナシでみたら…ちょっとヘビー過ぎてドン引きしてたかも。

最初は薫の言動が「ワケ分からんっ!」って「???」だらけだったんですけど、その「?」な印象を持ったまま薫を追っていくと、見てのとおり「この人狂ってる!」って見事にハマる!

そう、最初から薫は「狂ってる人」なんです。過去に薫の父が犯した罪によって身も心も狂わせられた女性。

だから“娘を犯す父親”が許せない。許せないからみどりの父を攻撃した。

みどりの父を攻撃することによって自分の父親へ復習したはずなのに、最後に出てきた台詞が



そう、自分もみどりと同じ。結局薫と父の関係も「愛し合った二人が出会った関係がたまたま親子関係」。

みどりの父を攻撃したのは、愛していた父を妹に取られたことへの復習?

なんかね、色々と考えさせられちゃう作品だったんだけど、何よりも役者達の全員の演技が素晴らしく、圧倒されっぱなし。

そして、最後の水と花。

水の揺らめきが壁や天井に映るんだけど、それが歪んだ親子関係そのものを表してるみたいだったし、みどりや薫の心の“揺れ”を表しているみたいで、すごく効果的だった。

あと、壁に大きく入ったヒビ。

これもきっと歪んだ関係を表していたのかな。冒頭から何かよからぬことが起きる前兆みたいで、ちょっと不気味さに効果的でした。

それにしても最後の方のお松と杏ちゃんの一騎打ち(?)はすごかったー。

観ている側は息をすることも忘れて、釘付けって感じ。台詞と台詞、演技と演技の戦いって感じで凄まじいものを感じました。

いやぁ~。長塚圭史=難解というイメージがあったんですけど、コレは割とストーリーも分かり易く(受け入れられるものかどうかは別として)、演出の素晴らしさを目の当たりに出来た感じでした。







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最終更新日  2008年07月26日 21時03分45秒
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