そんな中、1648年のウクライナで、フメリニツキーの乱というのが起きた。
コサックという、戦争を専門に担ってた奴隷種族の反乱である。
中央政府が腐り、地方貴族が繁栄する中で起こった、できごとのようだ。
強盗同然で襲われて、身内を殺された戦役専門の奴隷は、当局に訴えた。
だが拉致があかず、頭に来た。
彼は、反乱の首謀者となるしかなかった。
またたくまに、多くの同族や解放農奴が加わり、貴族にまで賛同者が出て、反乱は、いくつもの国を巻き込む大戦争に発展していく。
そんな中で、多くのユダヤ人小領主たちにも、反乱に加わるよう呼びかけたようだ。
しかし彼らの保守的な特権意識は変わらない。 ユダヤ人たちは、自分の上部組織であるハプスブルク家の勢力を呼び込みにかかった。
彼らは軒並み、各地で、反乱に加わった配下の農奴たちによって殺されたようだ。
世界史上、これが本当の最初の、新ユダヤ人大規模虐殺事件、だと思う。
ポグロムというようになっていく、らしい。
ユダヤ人連中は、道徳教書から出て、自分たちの現実に直面するしかなかった。
コサックや農奴には、ユダヤ人特権も、選民思想も通用しない。
国王や上部組織も、助けてくれない。
以後、ユダヤ人たちは、仲間内で団結し始めたように見える。
そしてほぼ100年後。
「1740年頃、ガリチアでバアル・シェム・トーブが、ハシディズム」を起こした。
「敬虔な者 (ハーシード )という言葉に由来する、超正統派(ハレディーム、)のユダヤ教運動のこと」だという。
現代の超正統派というのは、ここで、この時代に初めて起こったのである。
新興宗教なのだ。
カトリックの魔術的部分であることも、身勝手な王室との契約組織の一部であることも、上から拒否された。
だからといっても、イスラムの神に帰依することは拒否した。
彼らはここで初めて、独自のユダヤ教を持ったのだ、と言えるかも。
実は別のやり方で、独自のユダヤ教を持った連中はほかにも居た。コレは後に扱いたい。
これまでの、ユダヤ人の迫害と離散の歴史と言うのは、すべて当局の都合が作ったウソ史観だった。
しかし初めて、ユダヤ利権が根本から脅かされる、ポグロムに直面したわけだ。
それだけではなくて、これは東欧を中心に頻発したらしい。
バビロニアタルムードに頼っていたレビたちの教えは、根本から変わらざるを得なかったのだろうか?
いわば、彼らの世界観が変わったのである?。
レヴィの権威が教えてきたユダヤ権益の特権を、根本から覆す現実に、彼らが直面したのは確か。
へんなバビロン出のミシュナーの律法に頼る、古いユダヤ教が揺らいでいた。
それは事実だろう。
「小人数によるミクラー・ラビ文学の研究より、大勢による祈りを重視する」ようになったそうだ。
このハシディズムという新興宗教では、「世界を創造するために、神は自らの全在「エイン・ソフ」(Ein Sof)と契約した」
という言い方をする。
このエインソフというのは、よーわからんが、アイン・ソフィアと考えたら、違うかもしれんが、ものすごく、よーわかる。
一なる智恵、つまり、一となるロゴスの無。
ムスリムたちと、ほとんどおんなじこと言ってるのである。
個々人が神と契約するんじゃなくて、彼らの共有の主である神が、一と契約した。 「そこには存在しない場所はない」
彼らは一神教で、自分たちを組織化した。
そして独自の王朝を持つに至ったようにすら、みえるのである。
しかしハシディズムの思想は、部外者にはまったく見えんもの。
かれらのいう敬虔というのも、もともと他人を一切認めない、一の共有内部のもの。
しかし自分の生命は尊重するくせに、ユダヤ特権に凝り固まった、実にへんなもの。
同時期に、キリスト教徒のルター派の間で広まった、敬虔主義というのもある。
何か関係がありそうである。
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