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テーマ: お勧めの本(7886)
カテゴリ: 書評
見出し:あるマエストロの曲芸的飛躍的音作り。

木村 哲人 著『「キムラ式」音の作り方』(筑摩書房)

 古来より、音は有機的な存在であった。というのも、音は、自然と密着しており、発信する場合には、身体性との親和力が強固であった。ボディタッピングは、今で言う携帯電話のルーツであるし、奴隷制下のアメリカ南部で、打楽器が禁じられたことは、互いに太鼓で連絡を取り合い、謀反を起こされることを防ぐためであった。もっとも、打楽器を取り上げられたことで、ワークソングやボディタッピングが深化し、さらに教会でのゴスペルに発展し、トタンに糸を張ったブルースギター(もともと、アメリカのプロテスタントの教会には、オルガン以外の楽器を使う文化がないし、ましてや弦楽器の文化もアメリカ大陸にはほとんど存在しない)が誕生して、ブルースやR&Bが誕生するのである。話が逸れた。ともあれ、今や音は、デジタルで合成すれば、どんなものでも再現可能である。もちろん、擬似的なレベルにおいて、であるが。数値とサンプルの合成。編集。調節。これを、アナログなソースでやってきたのが、まさに著者である。音響の世界で、効果音の神様とも呼ばれる著者は、単にその技術の高さだけでなく、奇想天外な方法で求められる音を作るという、曲芸的飛躍的イマジネーションでもって評価されるべきである。かつては、素晴らしいマエストロがいたものだ。(了)


〈キムラ式〉音の作り方





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Last updated  2008/04/01 09:52:32 PM
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