深秘の華苑

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黒左右衛門

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2009.08.21
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運命の出会いと云うか何と云うか。

彼との出会いは、中学校一年生な当時の吹奏楽コンクール地区予選当日だった。
当時ティンパニ担当なあたしは、午後一番の出場を控え
昼休みにペダル式ではないティンパニのチューニングに余念がなかった。
自分の耳でチューニングをするのには自信があった。
今ではすっかり無用の長物と化したけれど、あたしは絶対音感持ちで
当時此れ程此の耳が役立つとわ!と自分の音感を自画自賛しつつ
其れを形成する環境を(結果的に)作ってくれた両親に感謝しまくる程度には役立っていた。
其れは兎も角、自分はティンパニのチューニングに専念していて

「君らは、午後一番で『シンフォニア・ノビリッシマ』を演奏する学校かね?」
知らないおっさんが声を掛けて来た。
其の人が審査員だったのか、他校の指導者だったのか、一般市民だったのかは
結局今でも解らない。
「そうです」と答えた先輩に、其のおっさんは
「『シンフォニア・ノビリッシマ』のタイトルの意味は解ってる?」みたいなことを尋ねた。
今なら解るけれど、当時は英語に慣れ親しんでもいないし
部活の顧問は今でも尊敬できる素敵な人だけど
其の音楽に対して深く追求するような指導をするタイプではなかったので
タイトルの意味を自分なりに把握する等と云った理解を追求する事はなかった。
只、与えられた課題を顧問の言いなりに演奏するような。



「『シンフォニア・ノビリッシマ』はね、『高貴なる楽章』ってことだよ。
 作者がそう名付けた意味を把握して演奏してくれるのを楽しみにしているよ」
おっさんの其の言葉に妙に感動を覚えたあたし達は、
他の楽器のチューニング部屋に駆け込み其の話を広めた。
周り反応もあたし達と似たものがあったらしく

おっさんが「シンフォニア・ノビリッシマ」に格別な思い入れがあったのか否かは
解らないけれど、凄く大切な事を教わった。

結局、地区大会は脱出したもののもう少し大きめの大会で破れた訳だけど
今も、訳の解らないまま仕事をやっつけるのだけは許せなかったり
ものの本質を理解しなければ、と思いつつ仕事に携わっている。
すっかり音楽からは足を洗い、音楽とは対極な色気も何も無い科学の世界で飯食ってる訳だが
あのおじさんの言葉は今でも胸に響いている。






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Last updated  2009.08.21 23:26:08
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