ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2002年08月14日
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 無理して「腹二分目」とかに抑えても、長続きしない。やがて脳の食欲を司る部分のストレスが極限に達し、暴走を始めてリバウンドになる……というメカニズムが働くようで。

 これを防ぐため、「一日一快食」を提唱して無理なく痩せることをめざす「BOOCSダイエット」というものがありますね。たとえば朝は腹五分目、昼は腹二分目に抑え、夜だけ腹九分目ぐらい食べて脳を満足させるワケ。

 このように、100%出力可能なものを20%程度の低レベルで維持し続けるのは非常に難しい。ことに人工物の場合、20%の運用しかしないのなら、なぜ、そんな大きなキャパシティでつくったのか。あらかじめ20%のレベルを最大キャパにすればいいではないか。残り80%に隠された意図があるのでは……と、勘ぐりたくなりますよね。なりません?

 私が言いたいのは、住基ネットのこと。お手元に11ケタの住民票コードが届いたと思います。これから私たちには一生、この番号がつきまとうことになります。支配されることにならなければいいけれど。

 この11ケタのコードを鍵にして、全国どの自治体でも個人の住所、氏名、生年月日、性別の4情報を引き出せるようになり、これまで住民票の写しの添付が必要だった諸手続きが簡略化されました。

 簡略化された手続きの数は全部で93事務。国家資格の取得の手続きなど色々とあります。将来はさらに264事務へ対象を広げようという動きがあります。窓口の人員が大幅に不要になることが予想されますね。公務員でも大規模なリストラが進むのでしょうかね。それはさておき、

 来年8月には1人1000円程度の実費で、専用のICカードを入手でき、これを使えば、全国どこからでも住民票の写しを取得できたりして、さらに便利になります。このICカードが曲者なんです。

 住基カードのIC(集積回路)の容量を、総務省は32キロバイトとする方向で検討していますが、これは3万2000文字に相当します。住民票コードと名前、性別、生年月日、住所など個人情報の部分に必要なのは、せいぜい4キロバイトに過ぎません。12.5%ね。

 残りの87.5%は一体、何に使うのでしょうね。運用は各自治体に任されています。残りのキャパの部分に、やがて納税者番号から運転免許証番号、金融機関の顧客番号なども一元化され、職業、収入、貸出図書、学校の成績、病歴、投票行動、交通違反歴などが一つの番号で調べられる日が来ると警告する人もいます。

 そんなものを調べられても、自分は悪いことをしていないから、痛くも痒くもないと思うかもしれませんが、それはのん気過ぎる。

 情報の価値は、それを使う人が決めることであって、本人は決められない。また、一度記録された情報は二度と削除や変更が難しいから恐ろしい。

 たとえば、過去に読んだ本のリストを見て「これは危険思想を持った要注意人物だ」と勝手に解釈する人がいるかもしれない。

 DNAの情報が筒抜けになれば、将来、ある特定の病気にかかるリスクの高い人は、生命保険に入る上で不利になり、それが、結婚や就職にも影響するかもしれない。

 住基ネット導入の目的は、端的に言ってしまえば、住民を管理しやすくすることでしょう。その管理の枠がいまは小さいから実害が見えてきませんが、将来、いかようにも広げられる仕組みをつくってしまった。歯止めがきくかどうか。

 管理というものは、不確定要素をあらかじめ排除し、シナリオどおりにものごとが運ぶことを理想とするものでしょう。つまり、管理者にとって、未来はシナリオどおりでなければいけない。

 しかし、私たち人間は、さまざまな可能性を持っています。自分の力で、未来をいかようにも変えることができるのではないかという希望を持っている。それが夢。実際にはできること、できないことのジレンマがあるけれども、葛藤を乗り越え、夢に可能な限り近づこうとするのが人間。

 住基ネットは、個人の自由を制限し、夢の絵の具の薔薇色を奪う危険性をはらんでいる。決して大袈裟な考えではないでしょう。

 私たちは、私たちの自由を殺す一種の「核兵器」を手にしてしまったのかもしれない。それは、何も住基ネットが始まりではなく、コンピュータネットワークによる管理のテクノロジーを身に付けたときから始まったとも言えるでしょう。






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最終更新日  2002年08月14日 10時06分18秒


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