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2003年08月08日
タカらない、おねだりしない、甘えない主義
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うーん、気付かなかった。
私は、男性と食事をしたりする場合、男が支払うのは当然とは思わない人なんですね。割り勘にしてもらわないと、キモチ悪くて困る。それでも酒量は大抵私のほうが多いので、割り勘勝ちしちゃう。ごめんね。っちゅうわけで、時々気をつかって多めに払うこともあります。
恋人とデエトするときだって、最初のころはフルにエスコートしてもらったけれど、途中から割り勘、そのうちだんだん……(あとは自主規制)。
だって、お金に余裕のあるほうが払えばいいだけで、男だから女だからっていうのはカンケイないですよね。と、私は思う。
仕事上の接待や、うんとリッチな男性と食事する場合は、喜んでご馳走になりますが、もちろん後でお礼はちゃんとします。半額ぐらいのお菓子を送っておくとかね。何か別の機会に接待するとか。
だいたい、男の人から奢られるとか、何かしてもらうのが嫌いなんだよなあ。先日も、こんなことがありました。女友だち2人とワインバーで飲んでいたのですが、そのうちの1人が優秀な営業ウーマン。後から店にたまたま入ってきた男性が、彼女のお客さんだったのです。
その男性から私たちにということで、赤ワインのボトル1本がテーブルに届けられました。私には拒否する権利がないし、酔っ払っていたので、ま、いいかと、ご相伴にあずかることに。
ところがそれだけでは済まなかった。「もう1軒行きましょう」と、その男性が言い出し、むげに断るわけにいかないらしい彼女に付き合うことにしました。でも、私は帰りたくて帰りたくて、店へ向かう途中、少し距離を置いて後ろを歩きながら、「ここで消えたら彼女、怒るかなあ」なんてずっと考えていました。
ええい、ままよ!っとばかりに、2軒目の店に入ると、そこは男性の贔屓の店らしく、奥まったVIPルームへ案内されてしまったのです。ううう。ますます怪しい雰囲気。
仕方なく、私はトコトン酔っ払うことにして(なんという論理の飛躍)、現実から逃げたのでした。
後で聞いた話によると、丁寧に接待してくれた店長さんをつかまえて、エラそうにアレコレ酒のうんちくをたれ、このさいだからと、高い酒を持って来させたらしい。といっても、幻の泡盛といわれる波照間島の「泡波」ぐらいのものでしたが。
奢ってくれたその男性とは、ほとんど口をきかなかったんじゃないかな。お愛想のひとつも言えばいいのに、わざと距離を置いてふてくされていた。あーあ、態度の悪いやつだなあ。
翌日、思い出すたびに自己嫌悪に陥ったのでした。可愛くねえなあ。ウンザリだな。
それはさておき、話はガラリと変わりますが、先輩が後輩に奢るというのは、なかなかどうして、いい美風じゃないかと思います。
私が最初に就職したのは、従業員70人ぐらいの零細企業で(それでも編集プロダクションとしては超大手)、かなりの薄給でした。私は自宅から通勤していたので、それほどお金には困らず、あまったお金を貯金できるぐらいでしたが、夜、仕事が一段落した後、「飲みに行こうよ」と先輩が誘ってくれて、割り勘にしようとすると、「いいから、いいから」と受け取ってくれないことがしばしばありました。
「私も先輩からそうされてきたからネ。それで、言われたんだ。お前に後輩ができたときに、そいつにも同じようにしてやれと」
私も部下というか後輩ができたとき、もちろん、この美風に従いました。
やがて、会社員生活とはわずか3年半でおさらばして、フリーとして独立しました。当初はほとんど仕事がなく、先に独立していた先輩の事務所へ居候させてもらうことにしました。仕事がないので、ほとんど電話番やら、本を読んだりで1日を過ごすのです。
あの当時が一番鬱っぽかったなあ。壁に背中を預け、膝小僧を抱えてうなだれて、あれこれ思い悩みつつ半日過ごしたこともあった。芸能プロダクションと独立タレントの争いみたいに、私も元いた編集プロダクションから嫌がらせをされ、辛かったのです。
そんな私のために、先輩たちが入れ替わり立ち代り食事に誘ってくれました。「いいって、出世払いだよ!」。有り難くて有り難くて涙が出ちゃいました。
やがてバブルの時代になり、どうにか私の仕事も増え始め、瞬間風速で月産100万円を超えたことも。出世払いどころか、事務所に寝泊りしても仕事が終わらないぐらいで、先輩と一緒によく出前ピザを食べたものです。あとは、当時、出始めたレトルトのパスタソースをあれこれ買いだめして、三食ずっとパスタとか。
そんなある日、大阪で独立していた後輩のライターが東京へやってきました。あるムックの仕事を請け負い、短期間、東京で取材するのだと。
事務所で彼女に作ってあげたパスタは、何の味だったかな?私は忘れてしまったけれど、後でその後輩の友だちから聞いたところによると、後輩はそのパスタの味が「忘れられない。思い出すと涙が出てくる」と言っていたそうです。所持金に余裕がなく、独立したての大変な時期だったらしくて。
もう十年以上も前の話ですね。
さてさて、お世話になった諸先輩方に、私は十分にお返しができているのかを省みると、恥ずかしくて身も細る思いです。ごめんなさい。
そして、応援してあげるべき後輩は、いまは身近にほとんどいないのでした。応援する余裕は、あまりないけれどね。
でも、目上の者として、お金だけじゃなく、何か誰かに助けてあげられることがあれば、自分のできる範囲で、いつでも何なりとと心がけています。
タカリっていうのは、どうもよく理解できない。おねだりもそうだし、子どものときから男性に甘えるのが下手クソなんです。
たぶん、多くの女性が見ている世界とは違う世界が私の目には映っているんじゃないかと思います。エラそうでごめん。でも、そうなんだな。
私の友達や先輩、後輩たちは、みんな自分の二本の足でしっかり大地を踏みしめて立っている。でも、ときどき、弱ったりすることもあるから、そんなときは、誰彼となく手を差し伸べ、支えあう。そんなカンケイってステキですね。
いま、会社では成果主義が導入され、給料は年齢や経験年数にかかわらず、業績で決まるので、先輩、後輩の関係が壊されてしまったと聞きます。
下手に仕事を教えたら、後輩に追い抜かれてしまうので、OJTと呼ばれる実地研修が成り立たないと、ある大企業の人事部の人がこぼしていました。
弱肉強食の争い。そして、弱者は強者のスキを狙い、たかり、ねだりといった策を弄して、わずかでも自分の利益を増やそうとする……。
そんな傾向がますます強まるのではないでしょうか。
大人たちのそんな醜い有様を見よう見真似で若い女の子たちがコピーしてしまう。オヤジのカラオケに付き合う程度のバイトだったら、大抵の中学生の女の子が経験しているっていう話も聞きます。ホントかな。
自立していないコドモは大人の社交場から退場させなければいけないよ。そして、大人は大人らしい社交ができなければいけないよ。
「なかま」という言葉が死後になってほしくないと願うばかりです。
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最終更新日 2003年08月08日 10時45分24秒
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