ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2006年01月06日
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 まずは、気になるニュースを引用します。



 所得格差が今後拡大すると考える人は約7割に達することが、毎日新聞が昨年12月に実施した世論調査で分かった。親の所得など家庭環境によって、子供の将来の職業や所得が左右される「格差社会」になりつつあると思う人は6割を超えている。収入低下で生活が困難になると予測する人が2割以上もおり、格差拡大への不安が広がっている現状が浮かんだ。

◆「日本は格差社会に」64%

 今後の所得格差の予想を尋ねたところ、71%が「拡大する」と答えた。「変わらない」は18%、「縮小する」は6%にとどまった。

 日本が格差社会になりつつあると思う人は64%を占め、思わない人(30%)の倍以上に達する。74%が格差拡大を問題と考えており、「問題でない」(21%)を大きく上回った。

 今後の収入については66%が「生活に困らない程度の収入は得られる」と答えたが、「生活に困るようになる」も24%に上った。「高い収入を得られるようになる」は4%しかなかった。

 社会全体を「上」「中の上」「中の下」「下の上」「下の下」の五つに分けたとき、自分の生活程度がどこに入るかを尋ねたところ、「中の下」が48%で最も多かった。「中の上」が26%、「下の上」が15%で続き、この三つでほぼ9割を占めている。

 同じ質問をした1968年以降の計21回の調査と、ほぼ同様の結果となっている。生活程度の実感からは、以前と同じ「総中流」が続いていることになる。

 しかし、世帯年収1000万円以上の人の39%が「中の下」と回答。300万円未満の人でも12%が「中の上」と答えるなど、客観的な所得水準と生活程度の認識が必ずしも一致しているとはいえない部分もある。

(毎日新聞) - 1月5日23時54分更新



 格差はあったが、「1億総中流」気分のころは、日本の歴史上、最も格差の少ない時代だった。公平で平等な社会の実現を目指してきた先達の努力が報われた。公平と平等は社会正義だったのだ。

 男女間の賃金格差も、均等法施行以前に比べて格段に小さくなってきている。すばらしい。

 ところが最近は、「悪平等」という言葉が盛んに使われるようになり、「勝ち組」「負け組」といった、非常に恥ずかしい言葉が跳梁跋扈するようになってしまった。

 そんな時代の雰囲気の中で、格差を容認する人々が増えている。

 社会正義はどこへ行っちゃったのかな?正義って、何なのかな?やっぱりこれも、時代とともにモノサシが変わるのかな?平等っていうのはもう古臭い概念なのかしら?連帯とか協調、共生っていうのは、私利私欲むき出しな世の中では絵空事なのかしら?

 と、色々とギモンが浮かんでしまうがとりあえず、私の専門のキャリア論の見地から考えてみたい。

 格差容認社会におけるキャリア戦略とは?

 仕事には「仕事の値段」というものがある。同一組織内では同一職種同一賃金のタテマエはあるが、職種が異なれば賃金格差がつく。国家公務員の場合、運転手などの現業職も民間に比べれば非常に高い報酬を得ているが、それにしてもキャリア官僚には及ばない。それぞれに異なる俸給表が定められている。

 一方、成果主義が進む中で、同一職種同一賃金のタテマエが崩れた。

 同一職種であっても、成果が異なれば報酬に格差がつくようになってきた。同一等級の最上位がワンランク上の等級の最下位の人の年収を上回る逆転現象もあり得る。まさに下克上の世界。

 職業の分野では、格差はどんどん激しくなっている。とくに、正社員とパートを比較した時の格差は、均等法施行以前よりも拡大している。根底には「性差別」が歴然としてあるが、「職種間の区別」というタテマエにカバーされているため、目立たないうちに格差が広がってしまったのだ。

 今朝のワイドショーに、共働きで年収400万円という夫婦が登場し、今年の税制改革によっていかに生活が苦しくなるかという試算が行われていた。

 共働きで400万円?

 どうにも少なすぎる。夫は会社をリストラされ、いまは非常勤でヘルパーをしている。「一番高いときの収入の3分の1だ」という。妻もパートだというから、300万円対100万円ぐらいのバランスだろうか。

 晩酌を週に1回、それも発泡酒より安い「第3のビール」だかなんだかにして切り詰めている。そこへ庶民をターゲットにした増税。

「だからといって、これ以上がんばって働いても、余分に働いた分だけ税金を取られるのはバカらしい」という主旨の発言をしていた。

 確かにそういう考え方もある。しかしねえ。

 キャリア戦略は? 展望はないのだろうか?

 非常勤のヘルパーの賃金は、確かに安い。時給にして1,000円になるかならないかであろう。しかも不安定。

 本当に介護の仕事に意義とやりがいを見いだしているなら、介護福祉士などの上級資格を取得し、正社員での雇用を目標にすべきだろう。2年間の養成課程を修了して資格を得る方法と、実務経験(常勤なら3年間、非常勤なら時間数によりもう少し長くなる)で国家試験受験資格を得る方法の2通りがある。

 介護の世界は、他の業種とちがって年齢がそれほどハンディキャップにならないはずだ。

 介護福祉士以外にも、正社員雇用に結び付くか、あるいは非常勤の時間給アップに役立つ資格や技能はいくつかある。

 個人が長期的な戦略なりプランなりを持って、その実現のために日々、努力しなければ、収入が右肩上がりにアップしてくれない時代になってしまった。

 大企業の組織に守られていれば、格差はそれほど突出しないかもしれないが、リストラという落とし穴もある。

 しかし、努力といっても、その気力が湧いてこないとか、全然、的外れな方向にしか力が入らない人もいる。

 以前だったら、そういう人たちも巻き込み、「庶民をいぢめる増税政策を覆そう!」とスクラムを組めたのに、いまは個人間がバラバラに分断され、スクラムを組めなくなっている。

 個人に対するバッシングは、わりと簡単にできるのにね。

 結果としての外的な格差よりも、意識の上での内的な格差のほうがずっと前から先行していたのだろう。

 共感や連帯のできなくなった人々は、どこへ行くのかな。





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最終更新日  2006年01月06日 15時22分55秒
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