ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2007年05月08日
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 小学生の漢字の読み書きする能力を調査したところ、高学年を中心に「書き」のほうが平均点が低く、「読み」に比べて心もとないことがわかったという。

 中でも正答率が低かった書き取りが、5年生の教科書に出てくる「支持」の「支」で、これを書けた6年生は全体の7%だったそうだ。

「書き」を苦手とする生徒が多い原因としては、「宿題任せで授業中に勉強しないため」と調査した団体が分析している。

 じゃあ、生徒は授業中に何を勉強させられているんでしょうね? 授業は先生のアリバイ作りですかと、意地悪な見方をしたくもなります。

 「書き」の勉強のさせ方としては、「授業中に筆順を声に出しながら机や空中に指で字を書く“指書き”を行うと高得点になる」傾向もあるとか。

 低学年に対して、「海外」の「海」(2年生の正答率37%)や、「放す」(3年生の正答率29%)といった、日常生活の中で比較的よく使われる漢字を書いて覚える方法としては、それも有効かもしれないけれど、「支持」といった抽象的概念を表す漢字を高学年に教える方法としては、あまり有効ではないような気がします。

 意味がわからなければ、腑に落ちないのでは? 腑に落ちなければ、応用が利かないでしょう。書き取りテストのように、反射神経的な対応ができても、その漢字を使って自分の言いたいことを表現するといった高度な応用能力にはつながらないと思います。

 なぜ、子どもに漢字を教えるのかといえば、言葉を介したコミュニケーション能力を身につけさせるためでしょう。

「支持」という抽象的概念を理解できると同時に、自分もその概念を使って他人に自分の考えを伝えることができる。この2つがゴールであって、読み書きのテストはそのプロセスというか、手段に過ぎないわけですよね。



1)「支持」を使った例文を2つ作らせる。

2)「支持」の「支」を使った他の熟語を2つ以上書かせる。これらの熟語の意味の共通点と違いについて考えさせる。

3)「支」という字のなりたちについて教える。漢字はもともと古代中国の象形文字から発展したものであるから、そのもとのかたちや語源について教えて、「支持」という概念を表すのになぜ「支」と「持」という字が必要なのかについて、子どもたちの腑に落ちるように導く。

1)と2)は、まず1人ひとりにやらせてみて、次に4人とか6人のグループでそれぞれの「答え」を持ち寄り、何がよくて何が間違っているのかを話し合い、グループとして答えを人数分だけ紙に書いて発表させるといったグループ学習がいいかもしれない。

 漢字それ自体は正解と不正解があるけれど、例文については正解はたった1つではありません。正解を導き出すプロセス――適切な表現と不適切な表現の違いを考えさせることのほうが、単に漢字それ自体を覚えさせるよりもよほど意義があると思います。

 言葉は、知っているつもりでも、それだけではいずれ消えていく、寿命の短い短期記憶に終わってしまう。使って初めて自分のものとして定着します。

 言葉を使わなければ、自分の気持ちを相手にわかってもらうことは難しいし、思いや目的を実現できないし、自分の権利を守れないし、他人の気持ちもわからないし、利害の衝突を解決できないでしょう。

 働くうえでも、言葉を使ったコミュニケーションが非常に重要な意味をもちます。履歴書や面接では、さまざまな側面からその人の能力が審査されますが、その中でもコミュニケーション能力が最も重視されるといっても過言ではないでしょう。







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最終更新日  2007年05月08日 12時54分42秒
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