ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2007年10月21日
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カテゴリ: 女性労働研究

再就職セミナーに参加された皆さんの声を聞くと、よくあるのが、

 「夫は、私の再就職に反対している」とか、「いい顔をしない」とか、「賛成してくれない」といった内容のものです。

そこで私は、夫を説得するためのよい方法を一緒に考えましょうねと、いくつかアドバイスをするのですが、最近、ある深刻な事例に遭遇し、「ちょっと待てよ」と、いままでのアドバイスのあり方を反省し、あることを思いつきました。

そもそも、妻が働くことに対して夫が反対するというのは、「人権侵害」ではないかと思うのです。あまり声高に叫ぶつもりはないけれどもね。なぜなら、これは、自分が自分の魂に問う問題であり、第三者がどうこう言って変わるものではないから。ただ、人権を侵害されているかもしれないという現実には目を向けてほしい。

 考えてみて。

だれだって、働く権利(自由)があります。ただ、働く自由はあるけれども、「働かない自由」は制限される。

憲法では権利ではなく、国民の三大義務の1つとして「勤労の義務」がうたわれています。国民国家の成員は労働に勤しみ、納税することで国家を形成し、維持していくのですから、まあ、当然ですね。もちろん、子供は働くことはできませんが、親は子供に教育を受けさせる義務があり、将来の勤労者となるべく、学校教育を通じて知識、技能、職業倫理を身につけさせなければならないわけね。

妻という立場は、専業主婦は収入がないので納税を免除されています。夫が優れた勤労者として高いパフォーマンスを発揮するための内助の功を果たすというように従来は強制されてきましたが、いまはそういう古い性的役割分業のあり方を選ばない自由を享受できます。ただ、夫婦の「合意のもとで」、古い性的役割分業をそのまま継続している家庭もあり、それはそれで恥ずかしいことでもなければ、法律違反でもありません。

 ただし、妻が働きたいと言い出したときに夫が強行に反対し、「お前のような無能な女には就職などできるはずがない」というような、妻の自尊心を傷つける言動を繰り返し、自分の支配下に置こうとした場合は、ドメスティック・バイオレンスになります。たとえ、肉体を傷つけるような暴力を振るわなかったとしても、精神や魂を傷つける行為はDVであります。法律で禁じられています。

考えてみてください。

だれだって、働いてお給料をもらい、そのお金で自分のために、あるいは愛する人のために好きなものを買う権利があります。

仕事を通じて、職場の上司に「よくやった。さすが○○さんだね」と評価されて喜びを味わったり、お客様に「ありがとう。あなたのおかげで満足できたわ」と感謝されてうれしくなったり、誰だってそうした体験をするチャンスがあり、そのチャンスにチャレンジする権利があります。

また、誰だって、仕事を通じて自分の能力を高め、経験を積み、そのことによって、さらに高い成果を上げて、それに見合う評価と報酬を得ることができます。

 意欲さえあれば。

その意欲の根源は、自尊心であります。また、自己実現欲求であります。人間はだれでも自尊心をもち、そのワンランク上の自己実現欲求を持っています。

自分以外の誰かの自尊心を傷つけたり、自己実現欲求のすべてを抑圧する権利は、だれも有していません。

そうしたことをする人は、暴君であり、ファシストであって、支配と被支配関係を強要する人であって、そこに「愛」は存在しない。法律的には犯罪であるとされ、心理学的・精神医学的に見れば「異常」であり「病気」です。

早飲み込みしないでくださいね。妻の再就職に反対する夫が即、犯罪者であり精神異常者であるといっているわけではありません。

仕事が忙しく、家事や育児に参加する余裕がない夫であれば、妻に働きに出られてしまっては困るから、反対したくなるのも当然でしょう。

また、妻と子供を養い、家庭を守っていくことが「男の甲斐性」であると考え、そのことに生きがいや働きがいを感じている男性も多いようです。そういう男性は、妻が働き始めると言い出したとたん、アイデンティティが危機に陥ってしまうかもしれません。

妻と夫が、お互いの事情を理解しあい、相手の自尊心を尊重しつつ、根気強く話し合って解決していくしかない問題ですね。

その結果、

「いますぐではなく、もう少し子供が大きくなってから妻が再就職する」とか、

「夫がいままでの働き方や、仕事と家庭に対する価値観について見直し、妻の立場になって熟考するように誓う」とか、

さまざまな答えが導き出されてくるのではないでしょうか。

ただ、話し合いをすることなく、どちらかが一方的に自分の考えを押し通そうとしたら……そうなったらもう夫婦関係を続ける意味がなくなってしまいますね。

働くことについて、「人権」の見地から熟考してみたいと思う今日このごろです。

パワー・ハラスメントを受けて自殺した不幸なケースに対して、2件ほど相次いで労災認定されましたね。

パワー・ハラスメント、モラル・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメント、そしてドメスティック・バイオレンス。すべて根っこには「人権軽視」があるように私は思います。

また、コンプライアンスの見地からしても、日本は他の先進国に比べると、労働面でのコンプライアンスが遅れていると言われています。非正社員に対する差別の解消が急ピッチで進められていることはご存知のとおりです。






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最終更新日  2007年10月21日 15時01分41秒
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