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hiryuの写真日刊紙 hiryu4398さん
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2010.02.27
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カテゴリ: カテゴリ未分類

昨年のことですが、九州電力で220kV地中送電線路で爆発事故があったようです。

以下、毎日jpからの引用。

陥没:道路に直径3M、燃えた送電線が原因か 北九州

 25日午後6時45分ごろ、北九州市八幡東区松尾町の市道で、大きな爆発音がして道路が陥没した、と付近住民から通報があった。消防などが駆けつけたところ、道路に直径約3メートル、深さ約3メートルの穴があき、道路下に埋設された九州電力の送電線(22万ボルト)が燃えていた。周辺の住宅街は異臭が立ちこめ、一時騒然となった。けが人はなかった。福岡県警八幡東署が周辺を通行止めにして、市消防局が消火にあたり、約4時間後に消えた。

 八幡東署などによると、穴の周り約20メートルにわたってコンクリート片が飛び散り、止まっていた車1台の窓ガラスが割れた。送電線に下りるマンホール付近で爆発が起きたとみている。

 九電によると、送電線は1本が直径13センチ、長さ300メートル。現場のマンホールは送電線の接続部分で、高さ、幅、奥行きがともに3メートルの部屋になっている。電線の内部は冷却用オイルで満たしてあるという。

マンホールがいきなり吹っ飛んだら、近くの人は相当驚くでしょうね。

マンホールというと「下水道」を想像する人が多いかもしれませんが、「電気」のためのマンホールだってあります。私も仕事をするようになって知りましたが、道路の下には沢山の通信・電力ケーブルがあり、点検やある目的のために、マンホールが設けられているんです。

今回は地中にある22万ボルトOFケーブルの接続部(ジョイント)が絶縁破壊し、爆発が発生したようです。

NH1.jpgMH2.jpg

J1.jpg

「OFケーブル」とは・・・

OFケーブルは電力の送電に使用される油浸紙絶縁ケーブルで、特別高圧送電の世界ではCVケーブルと並んでメジャーなケーブルです。

このケーブルはケーブル内部の導体に油浸紙を巻いて、さらにケーブル内に低粘度の絶縁油を圧入することで絶縁体中のボイド発生を防止し、電気的に絶縁を図っています。

絶縁油というものは字の通り電気を通さないもので、適度な粘性を有しています。

油というとサラダ油やエンジンオイルを想像するかもしれませんが、OFケーブルに用いる油はもっと透明でサラサラなものです。

一般的には鉱油とアルキルベンゼン系の化学合成油の大別でき、27万5千ボルト以上の線路ではアルキルベンゼン系が用いられれているようです。

今回の事故はそのケーブルを接続するジョイント部が絶縁破壊して、内部で放電が発生し、油が引火し、膨張、爆発。

ジョイント部はマンホール内にあるので最終的にマンホール内の圧力が瞬間的に高まり、マンホールの蓋や首もろとも吹き飛んだようです。

原因は九電から正式発表されていないのでよく解りませんが、どうも継続停電時にケーブル内の電荷を放電せずに復電した事が一つの要因のように言われています。

手順書に放電の手順が漏れてしまったという事ですが、そんな事があるものでしょうか?

試験の為の採油や、変電機器の作業を一つの停電で合乗り作業していたような感じですが、普通、線路を停止させたら接地を取らないと怖くて作業できないですし、指令所もそれを許すはずはないのですが、どういうルールになっているのかが気になります。

また、ジョイント部の油浸紙の巻き方にムラがあった事により、絶縁耐力が低下していた事もメーカーによる解体分析で判明したとのこと。

ケーブルの製造は工場で機械的に行われるのである一定の品質を確保できますが、ジョイント部は現場での施工となる為、どうしても人の手による施工となります。

もちろんOFケーブルの接続専門の熟練工によって行われる為、高い品質で施工されますが、工場のようなクリーンな環境ではありませんし、ベテランの熟練工が減るなかで中堅工だけで頑張っているようなチームでは、やはり完璧な施工が難しいのかもしれません。

なので、どうしても接続部分が電気的な弱点になってしまうんでしょう。

どんなケーブルでもそうですよね。

また、電気ケーブルに入れる油なら燃えないのでないかと思うかもしれませんが、もちろんガソリンや灯油のような「燃料油」ほど燃えやすくはないですが、油なのである温度以上になれば当然燃えてしまいます。

これは接続作業の一場面ですが、ガスバーナーを使用していると、油に引火するのが分ります。(写真は九州電力、他電力各社とは一切関係ありません)

OFC1.JPGOFC2.JPG

ですので、OFケーブルの事故が火災や爆発に繋がる可能性は少なからずあるため、注意が必要と言われています。

今回は放電せずに復電したことにより、ケーブル内部の電圧が通常の22万ボルトを超えてしまい電気的に弱くなっていたジョイント部で絶縁破壊したようですね。

普通は開閉機器を操作する際の開閉インパルスという異常電圧にも耐えるよう線路を設計しますので、こういった事故は珍しいのではないでしょうか・・・。

今回は恐らくケーブル残留電荷やインパルス波頭値・極性、それにジョイントの欠陥が重なり発生してしまったのかなぁ・・・と素人的に勝手に想像しています。

あっ。ちなみに接続部の銅管と鉱油は相性が悪く、油の劣化を早めるようです。






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Last updated  2010.02.28 00:26:07
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