Tsukubasky・lab Papan3世のブログ

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2019.07.01
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カテゴリ: オーディオ技術
今日は私の所有しているスピーカの紹介です。
当時の技術者から聞いた暴露ネタ?もあります。


【SONY SS-G7:AGボード(Acoustical Grooved Board)の秘密】
ソニーに入社して最初の野心作、どうしても成功させたいフロアタイプのスピーカーシステム
その開発者の中島さんが考えられる すべての技術を投入した作品だと云った 渾身のモデルです。
このスピーカの為に山梨県の甲府に工場をつくり 自ら通い美味しいワインを飲みながら基礎
(紙のせんいの叩解技術などを1から)から確実に育てていったのです。
この場所は中島さんにとって心地の良いアジトとなってゆきました。

写真の説明はありません。

一般にこのモデルを有名にした一つに。
 バッフルには縦横に溝が切られていて反射を分散させている。通称AGボード。がありますが、
 AGボードの本当の意味はそれだけではない。
 回折が一山一山で発生し、その回折波同士がさらに干渉します。 これにより周波数特性の
 細かいピークディップが浅くなります。(回折干渉による分散効果)音質的には、総じて
「音が柔らかくなる」と言われます。(図)
写真の説明はありません。

 樹脂成形ではなく、パーチクルボード(MDF)にノコギリで縦・横に溝を作っていました。
 この構造は大賀社長の鶴の一声で決まったとのこと。欠け易くちょっとでも欠ければ商品にならず、
 歩留まりの悪さは職人泣かせだったでしょう。

 実はこの大賀さんこそが犯人なのです。
 音質を決定しているほとんどの要素が車のエンジンに相当するユニットで最も力を入れて、そして
 これ以上ないほどの頑丈な箱(エンクロ-ジャー)に入れて 開発、完成させたものです。 
 でも、試作品をみた大賀さんの目にはありきたりのつまらないデザインに商品価値を見出せなかった
 ようです(所詮音楽家であって技術者では無い)
 事もあろうに音質にまでケチを付けたようで、あまりにも頑丈に作ったエンクロ-ジャーから出る音
 にバイオリンの様な豊かな楽器の持つ音がしないという訳です。
 技術に忠実に作り上げた結果、こう言われてしまい開発者たちは対応に困ったと思います。
 楽器は胴の部分が響き良い音を遠くまで届けます。エンクロ-ジャーをそんな風に作る事など絶対に
 出来ません。逆行しています。でも大賀さんが認めなければ商品化は出来ません。

 大賀さんには、エンクロージャーに切れ込みを入れて強度を落とし楽器の様な音が出るように
 したと説明して納得して貰ったそうです。 でも技術者がそんなことする筈がありません。強度は
 全く落ちていませんでした。理論・実験通り。
 スピーカーのレイアウトも左右の定位に加えて奥行きの方向定位の明確化を図ったPLUMB INLINE方式
 を採用しています。この方式では、コーンの形状や材質、取り付け位置の実験を積み重ね、総合的な
 判断からウーファーが前に出た独特なレイアウトを採用しています。これにより、各ユニットの
 音源位置をほぼ一直線に揃えています。これは技術的には譲れない部分です。
 結論を先に言えば妥協です(建て前上)技術的に絶対に譲れない部分と商品化するための魅力を
 技術者がバランス(両立)を取りながら開発したのがこのSS-G7と言えます。それによる音質への
 妥協は一切ないそうです。
 フロントバッフルに溝を切り(AGボード化)正面だけ強度を下げて(フロントバッフル板には高密度
 のカラ松パーチクルボード、裏板及び側板には針葉樹系の高密度パーチクルボードを採用)響きを
 制御し改善しました。
(現実には強度は殆ど下がっていません。)と説明しその方法として溝を入れたと納得させて
 つまらないと言っていたデザインにもAGボードのインパクトが加わり同時に音も回析の効果で
 バッフルボードに反射した音が直接音と干渉し合い、特定の周波数に山や谷が生じたり、
 指向特性が鋭くなってしまうのを改善するため、という大義名分(道理・根拠)も出来た。
 AGボードでは、縦横溝が特定周波数でのエネルギーの強い反射波を分散させるディフューズ効果を
 果たしており、直接音との干渉を弱め、定位感を改善しています。
  ⇒これもすべて正しいわけでも間違っている訳でもありません。

画像に含まれている可能性があるもの:1人、スーツ
 このようにして、あの魅力的なスピーカーは世の中に出てきました。
 ヒット商品になり改良されたG7aも出ましたが 技術的にも信頼性敵にも後退したように思います。
 ただ、周波数特性だけは優れた特性になってはいますが
 個人的には改良しなかった音の方が好みです。技術的に間違ったアプローチや妥協は一切ありません。






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Last updated  2019.07.01 15:06:28
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