達人のひとりごと(JKLab)

達人のひとりごと(JKLab)

2012.02.11
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 さて、前々回にいろいろな3極出力管(多極管の3結)を比較して、特性がきれいな6CA7/EL34に決定したと述べた。ところが、詳しく動作点を分析していく内にとんでもないことが判明した。この特性はニセモノだったのだ! 6CA7の3結ではA級シングルとAB級プッシュプルの動作例が発表されているのだが、この動作例が特性曲線から外れてしまうのである。これには困った。そこで、特性曲線を描かせるプログラムをBasicで自作し、それでいろいろシミュレーションしてみることにした。特性曲線はこんな感じになった。

 特に美しい特性曲線というわけではないが、電流をたくさん流せるところはよい球である。このあたりの経緯は、MJ誌に書いたことがある。
MJ 1994.1の記事
 このプログラムを使って、いろいろロードラインを引いてみた結果、Eb=400V, Ip=60mA, RL=5kΩのとき、最大出力Po=19W, 歪率D=1.9%となった。これは1ペアの値なので、パラPPでは出力が2倍の38Wとなる。プレート電圧は最大定格が3結時425Vなので400Vに抑え、プレート損失の最大定格が3結時29Wくらいなので、80%強の24Wに抑えるために400V-60mAと言う動作点とした。これはかなりA級に近い電流を流した動作点だと言える。電流を絞った方が最大出力は少し大きくなるが、歪みが急激に増大してしまうため、敢えて電流を流した低歪みの動作点を選ぶことにした。。
電流を変えたときの最大出力・歪率(計算値)





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最終更新日  2012.02.12 01:03:07
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