達人のひとりごと(JKLab)

達人のひとりごと(JKLab)

2012.06.03
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 次はカソードフォロワーによるドライブ段である。出力管6CA7(T)のグリッドを正領域まで振り込むことでAB2級動作とし、出力の大幅な増加を目指す。最初、12AU7のパラレル接続で間に合わせる予定だったのだが、出力管のバイアス電圧は1本ずつ調整したいということから、出力管1本につき双3極管1ユニットを当てることにした。これで実験してみると、12AU7では、35Wくらいしか出力が得られず、目標の50Wにはほど遠いことがわかった。グリッド電流が流れることで波形が歪んでしまうのである。これを防ぐにはインピーダンスの低い強力なドライバー段を用意する必要がある。カソードフォロワーの内部インピーダンスはほぼGm(相互コンダクタンス)の逆数で与えられる。つまりGmの大きい球ほど、内部インピーダンスが低くなるのだ。Gmの高い球として12AT7もあるが、ここでは強力管5687を使ってみることにした。規格表によれば、12AU7のGmが2.2~3.1mA/Vなのに対して、12AT7は4.0~6.0mA/V、5687は5.4~11.5mA/Vである。電流を流すほどGmは大きくなるので、1ユニットあたり10mA流すこととした。この強力ドライバーにより、何と60Wの出力が取り出せるようになった。回路は以下の通りである。






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最終更新日  2012.06.03 13:08:44
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