生きてるだけでゼイタクです ~1/365のひとりごと~

生きてるだけでゼイタクです ~1/365のひとりごと~

2024年02月29日
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カテゴリ: 死別しての12か月




この頃私はほとんどの時間を実家で過ごしていた

部屋には戻れなかった

ひどい恐怖を感じていた

風を通しに部屋に戻るときも、両親に頼んで一緒に行ってもらったくらいだった

震えがくる

心臓はドキドキし、とても一人で部屋にいることができなかった

旦那さんの荷物を片づけたほうがいいのかな・・・

旦那さんは物欲がほとんどなく


洋服を片づけようと手に取ると
思い出がよみがえる

人の記憶はあいまい

自分に都合のいいように書き換えられる

よかったことだけが残り
都合の悪いことは忘れてしまう
それが人の記憶

でも

品物や訪れた場所、空間に触れると
記憶がよみがえる

よかったことも


部屋に戻り、旦那さんが過ごした部屋を見る

最期を過ごした部屋
置いてあった介護ベッド
苦しんだ日々

鮮明によみがえってくる



逃げたかったのかもしれない

それでも長い時間をすごしたその部屋には
思い出がつまっている

それが

無理やり奪われそうになっている

私の心は少しずつ少しずつ軋みだしていた

大丈夫だと思っていた

悲しくて辛いという感情以外

でも、

この頃からデジタル物に恐怖を感じ
メールやあんなに好きだった動画もみなくなっていた

送られてくる封書

手放さなくてはならない思い出の箱ともいえる部屋

私の周りは私を責め立てる恐怖で充満していた

軋みだした心にヒビが入りだした







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Last updated  2024年02月29日 18時00分02秒
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