福岡市個別指導学習塾慶應修学舎の記憶「石橋の思考」
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最近、「これからの人生をどう生きればいいか分からない」と悩む大学生たちと話す機会が増えました。彼らの多くは、まじめで、感性が豊かで、社会のこともよく見ています。それでも、「自分のやりたいことが分からない」「何を選べば正解なのか」と不安を口にします。そんな学生たちに向けて、私は先日、「ゼロベースの時代 ~脳の性質を体感して、自分の価値観を再定義しよう~」という講義を行いました。少し大げさなタイトルに思えるかもしれませんが、実はこれ、とても大事な視点です。「前提」があると、人は動けなくなる私たちは、普段の生活の中で無意識に「〜であるべき」「普通はこうだ」という思い込みに縛られています。それは決して悪いことではありません。社会の中で生きる上で、ある程度のルールや前提は必要です。でも、まだ社会に出る前の大学生にとって、その「前提」が自分の可能性を狭めてしまうこともあります。たとえば、「いい会社に入るためには、有名大学を出て、インターンにも参加しないといけない」「親を安心させるためには、公務員や安定した職業を目指すべきだ」……そんな風に。でも本当にそうでしょうか?それは、「誰か」の価値観であって、「自分」の価値観ではないのかもしれません。「ゼロベース思考」ってどういうこと?ゼロベースとは、簡単に言えば「いったん白紙にして考えてみよう」ということ。「〜であるべき」という前提を取り払って、「本当に自分が望んでいることは何だろう?」と考えてみる時間です。その際に大事なのが、「脳のクセ」を知ることです。人間の脳は、基本的に「安心・安全を好む」ようにできています。だからこそ、新しいことにチャレンジしようとすると、不安になったり、自己否定に陥ったりするのです。「やってみたい」気持ちがあるのに、「失敗したらどうしよう」「親が反対するかもしれない」「就職に不利になるのでは」といった思考が頭をよぎるのも、脳が私たちを守ろうとしているから。でもその「守り」が、時に成長を妨げる壁になることもあります。自分の「WHY」を見つける旅に出よう何かを「やりたい」と思ったとき、まず考えてほしいのが「なぜ、それをやりたいのか?」という問いです。たとえば、プロ野球選手になりたいという学生がいたとします。「なぜ?」と尋ねると、「有名になりたい」「お金を稼ぎたい」「人を感動させたい」など、いろんな答えが返ってくるでしょう。でも、それって野球じゃなくても叶うことだったりしますよね。じゃあ、なぜ「野球」なのか?そこに、自分でもまだ気づいていない「本当の理由」や「価値観」が眠っていることがあります。「父がいつも応援してくれたから」「小さい頃、球場で見た光景に心を奪われたから」「悔しさを味わったあの試合を超えたいから」そんなふうに、自分の原体験や感情と向き合いながら、「自分だけの理由=WHY」を見つけていくこと。それが、本当の意味での「進路」や「夢」の出発点になるのです。答えはすぐに出さなくてもいい。ただ「踏み出す」ことよく、「今何をすればいいですか?」という質問をされます。その気持ちはとてもよく分かります。正解が欲しいのです。けれど、人生には正解なんてほとんどありません。まずは、「一歩踏み出すこと」。それがすべての始まりです。ゼロベースで考えると、最初の一歩はとても小さく見えるかもしれません。でも、小さな一歩が自分の中にある「WHY」に火をつけてくれる。歩き出したからこそ見える景色があります。そしてそのときに、ようやく他人のアドバイスが自分の血肉になります。最後に——悩みや壁は、あなたの味方になる私はこれまでたくさん悩んできましたし、今も毎日のように悩んでいます。壁にぶつかるたびに「なんでこうなるんだ」と落ち込むこともあります。でも、悩みや壁があるからこそ、見えることもある。自分を知るきっかけになる。私は、悩みと一緒に歩いている感覚です。それは決して重荷ではなく、「人生の同伴者」なのかもしれません。大学生という時間は、人生の中でも特別な時期です。焦らず、自分の「なぜ」に耳を澄ませてみてください。そして、いつかその「なぜ」が、あなたの人生を豊かにする「道しるべ」になることを願っています。どんな価値観も、どんな選択も、最初はゼロから始まります。白紙の地図に、あなた自身の色で、線を描いていきましょう。その線が、きっと誰かの希望にもつながっていきますから。
2012.07.11
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