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2005年07月31日
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ヒューズ・コーポレーション、ファンキー・ドールズ、のパッケージショーを通じて素晴らしい学習をしたBAD CHILDRENは、ようやくダンスショーとしての全体像が見え始め、振り付けも今度はきちんと作り、音源もSOULばかりにこだわらず、効果音なども取り入れて全体的な演出を考えるようになっていったのです。
そして、ここで思いがけない仕事が飛び込んできました。
たまたま店に遊びに来ていた音楽プロダクションの社長が、委員長たちのショーを見て大変興味を持ってくれ、関係のある六本木のSECという小さなサパーディスコの仕事を持ってきてくれたのでした。
場所は旧防衛庁近くのビルの地階、ガラスで仕切られた半円形のダンスフロアの文字通りSecret Spaceでした。
ただし、店の規模からメンバーは3~4人で20分程度のショーを2回、10日間の契約でした。もちろんピンハネはなし。そのプロダクション社長は、もし上手くいきそうだったら自分のところに所属して欲しいというようなことでした。
そこで委員長は、自身とマリ、ヒトミの女2人、男1人でパッケージを作り、実験的な仕事を請け負ってみることにしました。
構成は、オープニングとエンディングに映画「キャバレー」のサントラを使って、全員がゼンマイ仕掛けの人形を模して踊りを見せるパッケージにしました。
EW&FのSing a Songで明るい感じの踊りを見せてから、オハイオプレーヤーズのSweet Sticky Thingでパントマイム風のロボットを加え、最後はグラハムセントラルステーションのIt’s all rightでちょっぴりファンキーにアクロバットを入れて盛り上げエンディング。
この10日間のショーの体験は、また素晴らしい勉強になりました。

このお店は近隣のナイトクラブのホステスさんや芸能人の常連も数多く、深夜から混み始めるので、2回目のショーはそれなりに盛り上がりました。
ちなみにこの時、「ずうとるびい」というお笑いグループの山田隆夫さんが委員長たちのショーを気に入ってくれて、3日ほど通い詰めてくれました。
翌週のテレビ番組「笑点」で歌手デビューした「ずうとるびい」、出だしの振り付けがBAD CHILDRENショーの人形振りそのまんまでした。
なんのこたぁない、踊りとアイディアをパクられただけでした。(芸能界は甘くない)

この仕事を請けたことで視野も広まり、以前にもましてSOULとかFUNKへのこだわりが薄れていきました。というか、ショーの面白さが解り始め、もっと自由にもっと色々なことができる可能性に気が付いたのでした。
なぜ今まで頑なにFUNKにこだわっていたのか、自分でも呆れ返るほどの割りきりが生まれ、踊りそのものに対する興味も一層深いものになっていきました。
ヒトミの勧めで、日曜朝のテレビ番組「ザ・宝塚」も見るようになったし、モダンダンスのステップも覚えに行ったりして、選曲も仕掛けの多い曲をSCOREにして振り付けするようになっていったのです。(かなりプロっぽくなりました)
自分の中で大まかな形が淘汰され始めると、不思議なもので環境も自然と淘汰され始めていくようです。

ダンサーを辞めたトオルはハレムで働き出し、そんな流れでマリとヒトミもハレムに頻繁に出入りするようになり、マリはブラザーと付き合いだし、ヒトミはハレムの元店長サミーさんと付き合い始めるようになりました。
同じ頃、Q&Bのベルもトニーという相棒を見つけてコミックダンス・ショーを始めるようになり、これらの取り巻きがTomorrow USAのBAD CHILDRENに絡むようになってきました。ショーの合間にベル&トニーのコミック・ショーが入り、ゲストでサミーさんが一曲踊って、サミー・ディヴィスJr.の物真似をしたりと、独自の雰囲気でバラエティ・ショーの趣きさえ窺がわせるような展開となっていったのでした。

DJの方もジョーがビザの切り替えで一旦国外に出ることになり、アシスタントのシンガポールのおっちゃんも辞め、そのかわりにラジオDJなる変なヤツが一時やってきました。

ギャラの割にはたいしたことの無いヤツでしたが、特別生意気コクわけでもなく、嫌なヤツでもありませんでした。
妙に所帯じみていたことだけが印象に残っていますが、名前すら覚えていないので単なる通りすがりのキャストといったところでしょう。(1ヶ月もいなかったんじゃなかったかな)
彼との唯一の想い出といえば、楽屋裏口の非常階段で、ジョイと彼と委員長の三人で夜空を仰いでタバコを吸ったことくらいでした。
この時、彼が夜空上空を飛行する黒い物体を見つけて、「あっ、カラスだ」と叫んだのですが、それは明らかにカラス以上の大きさの物体であったし、飛行形態も鳥とかではなく変則的な動きをして飛び去っていったのです。
ジョイが「カラスじゃないよ、あれはUFOだよ」と言い、「そうかぁ?」と委員長も半信半疑、謎の物体を目撃した三人でしたが、このプロDJとはこれが最初で最後のタイムシェアでした。(3人ともぶっ飛んでいたわけではありません。あれはやっぱりUFOだったのかなぁ?)


あるとき委員長が横田ベースのブラザーから飛び道具入手しまして、早速みんなで楽しみましょうということになり、マチャアキ、ジョイと委員長の三人はジョイの田無のマンションに向けて意気揚々とタクシーに乗り込んだのでした。
道すがら、草の品評や飛び具合などを、シッタカして喋くる委員長の与太話にそっと聞き耳を立てていたタクシーの運ちゃんが突然、「おたくら矢野アキ子って知ってる?」と唐突に聞いてきたのです。

「あー、あの、いろはにこんぺいとう、とか力の抜ける唄でしょ?」
マチャアキが答えます。

「わ~らにぃ~まみれてよぉ~って、三橋美智也のカバーとかやってる奴だよね」
委員長も以前この歌聞いて力が抜けた経験があります。

「あれね、いいらしいよ、一服決めていくと」
運ちゃんしみじみ言います。

「えっ?」
一同汗が出ます。

「コンサートなんか見に行く奴ぁ、ほとんど一服決めてるみたいよ」
運ちゃん、ちょっと嬉しそうです。

「はぁ、そうなんすか」
なんなんだよ、このオヤジは。

「私らの業界もね、最近は冷たいのが流行っててね」
誰も聞いてねーよ、そんなこと。

「寝ないで仕事しないと稼げないから、皆いっちゃうんだよね」
あぶねーなぁ、ひょっとして今決めてんじゃないだろうな。

「ピンクフロイドとか聴いてんの?」
大きなお世話だろ。

「ええ、まあ」

というような会話のあと、一同はジョイのマンションになだれ込み、ミッドナイト・パーチーが始まったのですが、今の運ちゃんの話題になった途端、皆BAD TRIPしてしまい、

「あれ、もしかして潜入捜査官かなんかじゃねーの」

「現行犯で踏み込まれたりして」

「降りたときじっとこっち見てなかったか」

「シャブとか持ってないかカマかけてたんじゃねーか」

「矢野アキ子とか妙に詳しかったよな」

「最近、タクシーとかダンプとかの運ちゃんに多いらしいぜ」

時は金なり、煙は時なり、楽しいはずのパーチーは繰り返される不毛な会話で、一同を不安の闇の中へといざなったのでした。
昨今の無軌道なドラッグ乱用に比べれば可愛いもんでしたよね、当時は。
いくら道楽者とはいえこればかりは推奨しているわけではありませので、是非みなさんははまり込まないように注意して下さいね。
ドラッグについては昔からマリファナ論争とか色々取り沙汰されていますが、委員長自身は個人的に否定も肯定もしません。最近では脳内覚醒物質ドーパミンなどの存在も明らかにされてきて、人間が覚醒を求める本質自体にメスが入り始めてもいます。
ただ、社会的な立場を維持するのであれば、周りの人に影響を及ぼすことを考慮すべきだと思います。また、その根底には資本主義社会のシステムが働いていることも知っておくべきでしょう。
医学的データからも、マリファナの中毒性よりアルコール依存性の方が高いということも実証されているわけですが、酒は合法的に売られています。
だからといって現行の法律規制を犯せば罰せられますから、それを承知で道を極めるのならばそれはそれで個人の責任において他人がとやかく言うことではないと思っています。ただ、周囲の方々の生活を脅かしたり、危害を加えるようなことになると、これは単に個人だけの問題では済まされませんから慎むべきではないでしょうか。
その昔、日本の国会議員代表のおっさんが黄金の三角地帯へ出向いて行って、ゲリラ部隊の隊長に案内されて広大なケシ畑を視察したことがあったそうです。
世界的なドラッグの蔓延と三角地帯の貧困を憂いて出張って行ったおっさんですが、したり顔で隊長にご高説をのたまったそうです。

「そば粉を作りなさい。これだけの土地なら十分にやっていけます」

経済大国ニッポンからやって来たコッカイギインのおっさんの話ですから、ゲリラ部隊の隊長さんは目を輝かせて尋ねたそうです。

「それで、そのそば粉とやらは一体いくらくらいで取引されるんですか?」

「そうだね、経済支援という名目もかねて、キロ千円以上は出そうじゃないか」

世界平和と麻薬撲滅、正義を謳うお偉い先生のそば粉のお話でした。
「蕎麦は地球を救う」





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最終更新日  2005年09月22日 12時39分08秒
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