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2005年10月01日
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委員長とムラちゃんは出来上がった自主制作盤を持って新宿のディスコを回りました。
ある店は同業のよしみとか言う理由で無理矢理その場でプレーさせたり、ある店では面白いレコードがあるからと持ち込んでみたり、今まで培ってきたあらゆるノウハウを屈指して自主制作盤の配布を行いました。

また、店の常連や可愛がっていた高校生軍団などを使って、近隣のレコード屋に問い合わせに行かせたり、ディスコに行ったら必ずリクエストするように指図しました。
新宿有線局にもドカドカと持ち込み、ご当地ソングとしてのヒットを狙い、商店街での反響を期待したりもしました。もちろん身内には暇さえあれば有線へ電話リクエストを入れるようにお願いしました。
しかし、巷のレストランとか喫茶店でこの曲を聞いた時には感動でしたね。
ディスコでかかるのは当たり前に思っていますから、畑違いの、しかも公共の場で自分達のレコードが流れると言うのは何ともいえない気分でした。

ホームグラウンドのトゥモローUSAではどうかと言うと、さすがに我らがチーフDJジュリーもさすがに驚きの表情に動揺は隠せ無い様子でした。

「へ~、凄いじゃない。よくやったねぇ」


更にジュリーもここで一枚咬みたいところですが、そんな素振りはおくびにも出さず、甘い言葉で優位に立とうとします。

「なんならどこかレコード会社紹介しようか?」

喉から手が出るほどのお誘いですが、しっかりとゴミ野郎の意地を見せます。

「いや、いいよ。そんなつもりで作ったわけじゃないし、バンドごっこの記念と、いわゆるディスコサウンドをおちょくってみたかっただけだから」
(あースッキリしたって感じですか)

俺たちゃあんたと違って金儲け狙ってるわけじゃないんだよ、といったポーズ丸出しのカッコマンでした。
正直言ってムラちゃんと委員長の当初の目的である、ジュリーのハナを明かすっていうか出し抜くっていうのか、要は自己満足は完璧に満たされたわけで、この後どうするかなどということまで本気で考えていなかったというのが本当のところでした。

とは言っても、武蔵境の岩窟王アッちゃんはすっかりその気になって今後の展開を期待しているし、俄作りのバンドとはいえ集まったメンバーにもそれなりの結果と言うか、結論を出さなくてはなりません。

「ロニー、この後どうするの?」

「どうするのって言われてもなぁ・・・・」

「ジュリーに頼んでどっかのレコード会社に拾ってもらう?」



てなことでしばらくは地道に話題作りに専念しました。
しかし、この時手足になって動いてくれた高校生のねーちゃんたちが、後にこの曲を原宿まで引っ張っていってくれるとは夢にも思っていませんでしたね。
なんせ、委員長がその当時夢見てたのは桑名正博さんとか矢沢の永吉つぁんでしたから、これをきっかけにしてインターナショナルバンドの結成、みたいな道楽者ドリームのストーリーをしっかりと描いていたわけで、まさかタケノコのレパに入るとは思いませんでした。

それにしてもトゥモローUSAの常連たちで組織した「やらせ部隊」はそれなりに良い仕事をしてくれました。
新宿新星堂とか紀伊国屋とか大手レコード店へ行って、「新宿ディスコナイトってレコードありますか」って大真面目で聞いて回るんですから、この起動力には頭が下がりました。

ここでひとつ勉強になったのは、チェーン店ではこの作戦は有効ということでした。
支店からの問い合わせは本店に上がりますから、分散した支店から同時に同様の問い合わせが入れば、当然放っては置けませんから本格的調査が入ります。
この問い合わせがレコード会社各社に入れば、中には目ざといヤツもおりますから声が掛かる可能性は高まるわけです。
当然委員長達の場合はそこまで行きませんでしたけどね。

そんなメージャーへの切込みを企てる委員長は、そんな画策を色々と図りながらアチコチ回って歩きました。
一方ムラちゃんはというと、メージャーデビューに備えてバンドの編成に動き出しました。
まず、昔仲間のヨンタナ氏(覚えてますか三鷹のバンドごっこで登場したギタリスト)をトゥモローUSAの照明マンのバイトとして誘い込みました。
ヨンタナ氏もこの自主制作盤については、音楽的な内容はともかくここまでやったムラちゃんには一目置いたようで興味も示してくれました。
これも今にして思えば、ムラちゃんがバンド生活を共にした元メンバーへの見栄だったのかもわかりません。
人の思惑は計り知れませんから、どこまでが遊びでどこまでが本気かは確かめようもありません。
更に元メンバーの小熊君にも声をかけたようでした。
やっぱりムラちゃん自身にとっての過去の清算は終わっていなかったのでしょうね。

道楽者のゴミ野郎でも何かひとつコトを成し遂げたことで、周囲の目や回りの流れも変わって行き、それは自分達の思惑以上に他人の思惑も背負い込んでしまうことだと委員長が気が付くのは随分と後なってからのことでした。
すでにこのときの委員長は、頂点から下り坂を転がり始めていたことにも気付くことなく、ただひたすら舞い上がるばかりの毎日に引き込まれていただけでした。

そしてムラちゃんのアドバイスどおり、私生活の整理ということでY子とのお付き合いもそろそろケジメをつけなくては、と相変わらず変な錯覚をしていた委員長は、新大久保のY子のアパートへ向かったのでした。

この時ばかりは太っ腹なY子もさすがに、委員長の理由ともならない理由で別れを切り出され大粒の涙をこぼして声を詰まらせました。(ごめんね)
でも、たとえこのまま行ったとしても早いか遅いかの違いこそあれ、結局はこんな日が来ることになるのだからと、思い上がりも甚だしい委員長の言葉は彼女の心を深く傷つけたことでしょう。
まあこんな馬鹿野郎も後年きっちりとこの罪を償うことになりましたから、決してひとりだけHAPPYな人生を歩んだってワケでもありませんので許してやって下さい。
(って今更遅いよねって言うか、この後もまだ懲りずに罪を重ねるのですが・・・・)

ということで、女性関係はここでC子一本に絞り、貧乏脱出計画第一弾の成功を祈りつつ更なる道楽人生の階段を昇る委員長でした。
でも実際にはその足元の階段はすでに崩れ始めていたのですが、絶頂期の人間なんてのはもう周りのコトなんか目に入っていませんから、自分こそが世界の主役だとばかりの有頂天に益々どーらくはエスカレートして行ったのでした。





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最終更新日  2005年10月01日 07時29分56秒
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