地中熱の利用に当たっては、設置費用が嵩むことは、 前回
、述べた通りです。そして、その解決策として、杭を使った実例を紹介しました。
地中熱利用には、ヒートポンプという技術を使います。ヒートポンプは、熱を低いところから高いところに汲み上げる装置で、水を低いところから高いところに組み上げるポンプをイメージするとわかり易いのではないでしょうか?熱をくみ上げるポンプというイメージです。
そして、このヒートポンプの特性として、熱源温度(地中熱源側、一次側と言います)と利用温度(室内の冷暖房設備、二次側と言います)の温度差が小さければ小さいほど高い効率が得られる。と理解しておくことが大切です。
以前より、高齢者等、弱者の居住環境には、エアコンよりも放射式冷暖房が、快適で、なおかつ安全であることを追求し、それに見合った設備「壁面放射冷暖房」を開発してきました。こういった試みは、建築設備機器としては、唯一、 医師会のホームページ でも取り上げていただいています。
壁面放射冷暖房は、暖房時には36℃程度の温水、冷房時は18℃程度の冷水、のように、熱源温度と利用温度の温度差がきわめて小さくて良い冷暖房設備です。この「壁面放射冷暖房」と「地中熱ヒートポンプ」の組み合わせが、「省エネ」と「快適」を両立させる冷暖房システムとなります。
この画像は、サーモカメラで撮影した、暖房時の居室の様子です。右側の壁面が30℃程度で、一様に赤っぽくなっています。反対の壁面、天井、床も25℃程度のほぼ均一な温度になっています。これは、部屋全体の温度がほぼ一様なため、平均輻射温度が高めになっており、とても快適な状態であることがわかります。
このように、地中熱を使った省エネ型の冷暖房が、快適な住環境を実現することと両立していくことがおわかりいただけると思います。
かなや設計 環境建築家 金谷直政
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