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自我関与という言葉をご存じですか。
字面の通り、その物事に対し自分自身がなんらか関与している、
関係しているということですね。
自分となんらかの関わりがある、関係していると思うだけで、
そのものごとへの興味、関心、注視、好意が高くなるというのは、多くの心理学研究で提唱されています。
私の行っているテーマの調査・研究でも、自我関与が高かった人が、そのものごとや人に対する意識、親近性、興味が高くなるといった結果が得られました。
人間は、本来危機管理意識の強い、動物的側面を持ち合わせています。
(文明の発展している普段の生活では、あまり意識しませんが)
自分自身が関係しているとなれば、その本能が働き、興味関心をもたずにはいられませんもんね。
自分自身の、利益や評価に関係するとなるとなおさら。
いやでも意識を向け、注視し、観察することになります。
社会心理学の研究でも、そういったものは多いです。
自分に関係すると認知したほど、その人物やものごとに対し興味を割く時間、
知ろうとする時間が長いそうですよ。
もうひとつ、自我関与に関しては、記憶にも影響するそうです。
心理学の実験でよくみる記憶、再生実験。
人から、「これを覚えて」と出された単語より、
自分で選択して覚えた単語のほうが、再生率がいいそうな。
人から与えられた受動的な情報より、
自身が選択した能動的な情報のほうが、記憶するということですね。
これは、学習の進め方や、やる気スイッチに関係しませんか?
自我関与のアプローチは、「自分で選んだ」だけでなく、
「自分のお金を払った」、「自分に似ている」、「経験したことがある」、
「言われたことがある」など、幾千ものパターンがありそうです。
要は、自分に関係していると感じ、
自主的に関わったものであるという認知が働けばOK。
ご褒美や対価、報酬などもそれに近いものがありますね。
子どもは、言われる、やらされる、強制されるのが大嫌い。
こういった知識を上手に活用しながら、
子どもの自主性ややる気スイッチを育てたいものですね。
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