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2024.05.12
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カテゴリ: NISSAN
今回は、日産シルビア(S14)をベースにしたフィル・ハインデル氏の「600Rプロジェクト」について、詳細にご紹介します。このプロジェクトは、1990年代に限定30台で販売されたNISMO 270Rの精神を受け継ぎつつ、現代の技術と情熱を注ぎ込んだ究極のストリート&トラックマシンです。


ハイスペックな仕様に一つ一つ丁寧に仕上げられていきます。


NISMO 270Rの遺産と600Rの誕生
1994年、NISMOは創立10周年を記念して、S14シルビアをベースにしたコンプリートカー「270R」を限定30台で販売しました。このモデルは、専用チューニングが施されたSR20DETエンジンを搭載し、最高出力270PSを誇りました 。

フィル・ハインデル氏の600Rプロジェクトは、この270Rのコンセプトをさらに進化させたものです。彼の手によって、600馬力以上を発揮するマシンへと生まれ変わりました。

​自らの手で築き上げたマシン​
フィル氏は、車両のほとんどの作業を自らの手で行っています。エンジンの組み上げ、ギアボックスの換装、配線、塗装、サスペンションの変更、ブレーキの強化など、細部に至るまで自身で手掛けました。最近では、安全性を考慮してHDFモータースポーツにロールケージの製作を依頼し、ECUのマッピングはMark Abbey Motorsportに任せています。

​エンジン仕様とパフォーマンス​
600Rの心臓部には、オリジナルのSR20DETエンジンが搭載されています。このエンジンは、以下のような仕様となっています:

GTX3582R Gen2ターボチャージャー(.83 A/R)
ウォルトンモータースポーツ製エキゾーストマニホールド
HKSインタークーラー
オタク製インレットマニホールド
インジェクター・ダイナミクス製インジェクター
260度のトメイ製プロカム(吸排気)
マーレ製鍛造ピストンとコンロッド
マスワークス製ビレットメインベアリングキャップ
ATIスーパーダンパーとマスワング製トリガーホイール
AEM製カムアングルセンサー用ディスク

このエンジンは、低ブースト時で550馬力、420ポンドフィートのトルクを発揮し、高ブースト時には590馬力、450ポンドフィートのトルクを実現しています。

​トランスミッションと駆動系​
パワーは、エグゼディ製ハイパーツインプレートクラッチを介して350Zの6速ギアボックスに伝達されます。カスタムプロペラシャフトを通じて、ニスモ製2ウェイLSDにより後輪に動力が供給されます。タイヤは、前後ともにミシュラン・パイロットスポーツ4を装着し、前265/35R18、後275/40R18のサイズです。

​シャシーとサスペンション​
サスペンションは、HSD製車高調をベースに、調整可能なフロントコントロールアーム、キャンバーアームを装備。サブフレームはアルミ製ブッシュでソリッドマウント化され、リアの安定性が大幅に向上しています。また、8点式ロールケージによりシャシー剛性が高まり、ステアリングレスポンスも向上しています。

​インテリアと快適性​
フィル氏は、GT3カーのような雰囲気を目指しつつ、日常使用にも適した快適性を維持しています。カーペットやダッシュボード、HVACシステムを残し、冬季の快適性や湿気による曇り防止にも配慮。また、ロールケージの設計も乗降性や視界を考慮したものとなっています。

​SR20DETエンジンの信頼性​
SR20DETエンジンは、高回転域でのロッカーアームの問題が指摘されることがありますが、適切な組み立てと部品選定により高い信頼性を発揮します。フィル氏自身も、10年以上にわたりSRエンジンを使用し、ほとんど問題がなかったと述べています。正確なクリアランスの確保や高品質な部品の使用が、エンジンの耐久性を支えています。

​今後の展望​
フィル氏は、今後さらにサスペンションのアップグレードやブレーキ性能の向上を計画しています。また、UKタイムアタックシリーズへの参戦も視野に入れており、600Rのポテンシャルを最大限に引き出すことを目指しています。







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Last updated  2025.05.12 17:34:22


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