震災を乗り越えて
白い山茶花が薄暮の中へ消えていく
次第に朧に 形を無くして
それは人の手で何ともなし得ない
あの時と同じなのだ
大波にのみ込まれふと気が付くと
繋いでいた坊やの手が
すっと離れて遠くへ
叫んでも泳いでも
波に逆らうことが出来なかった
いつの間にかどこにも見えなくなった
自分を責めた
なぜ助けなかったの
坊やが死んだのは私のせい
手と手を もっとぎゅっと握っていればよかった
繰り返し思い起こす汚れた 海 波
生きる希望を失った
坊やが波にのまれる瞬間が悪夢のように蘇り
時間がその先を歩いてくれない
仮設住宅で
何カ月屍のように横たわっていたことだろう
坊や 坊や と呟きながら
ある日
ボランテイアの女性が赤ちゃんを負ぶってきた
人々の心を太陽のように照らす笑顔
赤ちゃんの笑顔は私の無事を喜んでいる
赤ちゃんはいつの間にか私の坊やになった
そうだ坊やはいつも私の側にいる
いつも私をしっかり見ている
坊やが自慢できる母さんにならなくてはね
一番信頼できる母さんにならなくては
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