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雨の降る街角、雨の街を行く人々、そんな写真を撮ってみたいと思っていた。ただ雨の中で雨を避けながらカメラを構えることが年寄りには難しいし、だいぶ面倒そうでもあって逡巡していた。
朝食を食べ終えていくぶんぼんやりと過ごしていたら、雨が降り出しているのが窓から見えた。小降りでもないし大降りでもない。変な言い方だが普通の雨降りである。思いついたのは仙台駅のペデストリアンデッキである。雨の街を見下すこともできるし、歩行者の邪魔になるようなこともない、何よりも雨がひどければ避難できる場所がやたらと多い場所である。
レンズは28-400mmの望遠ズーム一本だけにした。雨の中でレンズ交換などは素人にはもってのほかである。地下鉄からエレベーターで2階のペデストリアンデッキまで上がると雨は小降りになっていたがいちおう降り続いている。さっそく下の歩道を歩く人をメインにシャッターを押しまくった。ペデストリアンデッキはいくつもの交差点を越えて伸びているので撮影場所には事欠かない。




ペデストリアンデッキの3分の1ほど歩いた頃、雨が上がってしまった。小降りだった時でさえ若い人などは傘を差さないで歩いていたのだが、ほとんどの人が傘を差さないようになった。雨の街から雨後の街に撮影条件は変わってしまい、興味は半減したがいちおう最後まで歩くことにした。




最後の方では少し不満足の気分が残ったが、それはペデストリアンデッキに一列に並んでいる花壇の花を撮ることで解消することにした。カノコユリやヘメロカリス、白のギボシなどが咲いていた。






雨の中で街の風景を撮るということは形ばかりになってしまったが、一応はそんな撮影条件に手を出すことができた。次は降っている雨筋が見えるような一目で「雨の街」と分かるような写真を撮りたい。今思い描いているのは一番町や中央通りのアーケードの下で雨を避けながら強い雨が降る街を撮るということである。これなら年寄りにもできる安全な撮影になるだろうと思うのだが、あとはタイミングだけである。とくに体調と折り合いのつく日に望ましい雨量で雨が降ってくれるという偶然を祈るのみである。