HANNAのファンタジー気分

HANNAのファンタジー気分

January 6, 2007
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 遅ればせながら、イノシシ年にちなんで、イノシシの本をご紹介・・・しようと思いましたけど、ないですねえ。去年のイヌ年とちがって、イノシシってやっぱり地味かも。


 とりあえず私の蔵書にはイノシシの物語が一つだけあります。 「シートン動物記」 の中の「あぶく坊や あるイノシシの生涯と冒険」。私の持っている藤原英司訳では第3巻 『野生動物の生きかた』 に収録されています。
 イノシシといっても、「レザー・バック」というアメリカのイノシシ。凶暴な肉食クマに母や兄弟を殺された子イノシシ(敵に向かうとき口をぱくぱくさせて泡をふくので「あぶく坊や」という名をもらっています)が、農家の娘リゼットに育てられ、やがて立派なイノシシに成長する物語です。
 あぶく坊やは、リゼットが靴磨きをすると寄ってきて、自分のひづめにも真っ黒な靴墨を塗ってもらいます。とってもかわいくて人なつっこいけれど、いたずら犬を追っぱらったり、ガラガラヘビからリゼットを救ったり、大活躍。一人前になってからは、お嫁さんイノシシや子イノシシを守ってクマと対決します。
 シートン自身の描いたすてきな挿絵もたくさん載っていて、これでいっぺんにイノシシ好きになること間違いなし。(ちなみにこの画像は、わりと最近出た今泉吉晴訳です。表紙絵が、私の持っている本にも出ているシートンの原画なので、ここに貼ってみました)

 さて、もう一つ印象的なイノシシの出てくる物語に、 以前ご紹介した 舟崎克彦 『ぽっぺん先生の日曜日』

  ・・・ローマン・グラスをはり合わせたランタンの光にぼうっと照らし出された部屋の中には、螺鈿(らでん)のたんすや、白磁、青磁の器、クジャクアワビの香炉や、なめし皮でできた花束など、めずらしい家具調度、飾り物などが、ところせましと置かれていました。 ――舟崎克彦『ぽっぺん先生の日曜日』

 このエスニックなイノシシは、泣きわめく五ひきの赤ん坊のゆりかご(あけびのつるで編んである)を「ブヒブヒ」と揺すりながら、不思議な子守唄を唄っているのです。

  「夢の国に出てくるものは何だってすばらしいんだ。どんなに大きなスターサファイアも、夢に見る一りんのドクダミの花の美しさにはかなわないのさ」 ――『ぽっぺん先生の日曜日』

 そんなことを言うイノシシ自身が、夢のような絵本の国の住人なのですが、チャイナ服のイノシシが子守歌を唄うなどというこの奇妙な風景が、読んでいるとなぜかなつかしいような既視感をかもしだすから、不思議です。

 最後に、イノシシから連想するキャラクターといえば、やっぱりこの人、クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐でしょう(「エーベル」=ドイツ語でイノシシ)。コミックスに出てくる彼のすまいのあちこちに描かれているイノシシ像には「くすっ」と笑えます。私はエロイカ(伯爵)ファンですが、伯爵と同じような気持ちで、猪突猛進な少佐をいつもあたたかく?見守っています。
『エロイカより愛をこめて』 (青池保子)最新刊は 34巻 、ケルトのお話の完結編です。なのにまだ買っていませんので、感想はまた後日ということで。





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Last updated  January 6, 2007 11:55:07 PM
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