文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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美術館・画廊メモ 11

平成23年7月6日~8月29日の美術日誌。日付の新しい順に記録してあります。 (画廊展はほぼ2件に1件の割合で、これはというもののみ記録しました。)
各項冒頭の6桁の数字は日付です
(例: 220108 = 平成22年1月8日) 。 展覧会名にリンクが張ってあるものは、ぼくのブログ本篇の関連記事へ飛びます。
このひとつ前の 平成23年5月22日~7月5日の美術日誌 は、 美術館・画廊メモ 10 にあります。
このひとつ後の 平成23年8月30日からの美術日誌 は、 美術館・画廊メモ 12 にあります。


230829  小滝雅道 (こたき・まさみち) 展 “粒子遠近法” @ ギャラリーなつか  (銀座五丁目)
(抽象画はあまり好みではないが、小滝さんの作品は 濃厚なる <気> が作品を縦横遠近舞い踊っていて、魅せられた。粒子遠近法とは、磨りつぶし具合のちがう岩絵具をつかって、荒い粒子で近さを表現する手法。昭和36年生まれ、東京藝大日本画 博士課程。)

230829  第2回 ブルーブルー展 @ ギャラリー・しらみず美術  (銀座五丁目)
(22人展。うち、facebook でご縁ができたオーガフミヒロ (大鋸史浩) さんの作品も1点。ぼくと同郷の松山出身のひと。会えてよかった。10月にも3人展をやるそうなので、いろいろ作品を見たい。)

230829  Cool Position 星山耕太郎・加藤奈々誉・岡部清香・鈴木宏信・峰岡 順・斉藤英恵・渡辺紅月 @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(きょうは8点購入した。昭和54年生まれ、多摩美日本画卒のアーティストにしてデザイナー・星山耕太郎さんをぼくは応援している。これまでの作品をみて、「タロットカードからテーマを得たらどうか」 と持ち掛けたら、ばっちりこれに乗ってくれた。21枚の連作が仕上がり、今回展示された。そのなかから選んだ8点は、「皇帝」 「戦車」 「愚者」 「正義」 「力」 「審判」 「吊るされた男」 「悪魔」。それぞれに、星山耕太郎にしかない世界が展開している。Ok po dek mil + i, sume okdek kvar mil. Tro malkaraj! 星山さんには、あらためて慰労のご一献を差し上げようと思う。
あと、渡辺紅月さんの作品も、素描の線と色づかいが別々にも楽しめ、渾然としても愉しめ、深みあり。)


230827  上海現代抽象絵画展 都市抽象 @ Art Front Gallery  (猿楽町)
(8人展。色彩がヴィヴィッドさに欠け、シルクスクリーン作品もピンボケ。わたしの評価は低い。唯一、李磊さんの 「無題032」 にはヴィリジアンと黒の混色に美しい波動を感じた。)

230827  石川文子写真展 僕には光が見えはじめている @ neutron tokyo 3階  (南青山二丁目)
(過剰ぎみの露光、赤色を消却して淡く仕上げた画面。水彩画のタッチが生まれた。)

230827  タワー/小倉正志 (ただし) 展 @ neutron tokyo 1~2階  (南青山二丁目)
(たのしい色づかい。武蔵美の院で油絵をやってる女性……ではなくて、昭和38年京都生まれのシャイなグラフィックデザイナー。1階にあった 「パブリック・エナジー」 の、しゅぽ~んと突き抜ける爽快美。)

230827  ル・コルビュジエ展 @ ときの忘れもの  (南青山三丁目)
(建築の巨匠 Le Corbusier の版画作品。アンリ・マチスの版画作品に毛筆のタッチを加えた、ような。)

230827  武田尋善 (ひろよし) 展 燦然世界2011 @ アート コンプレックス センター  (新宿区大京町)
(Facebook で行き当たったご縁。水性ボールペンで細部まで描き込む曼荼羅フェアリーテールだ。「かぶと虫しか知らないところへ」 を購入 (ses mil)。絵葉書も3枚購入。「三千世界」 「神殿立入るべからず Atomic Shrine」 「封印」。武田さんは、大学ではヒンディ語、その後にタミル語を学んだ。絵のサインはタミル文字だ。)

230827  ミンウォン(Ming Wong): ライフ オブ イミテーション @ 原美術館  (北品川四丁目)
(企画そのものが映画藝術の味なイミテーションになっている。)

230826  Print Works Summer Selection 2011 @ Gallery Jin Esprit+  (3331 Arts Chiyoda)
(Gallery Jin は、かつて谷中にあったころ一度訪ねたことあり。3331 Arts Chiyoda に移ってくれて便利。今回の水性木版 3人の作品は、再会だ。
若木くるみさん、昭和60年生まれ、京都市立藝大版画卒。「ぼくらの顔をお食べよ」「ぼくの顔もお食べよ」。彼女の作品、とっても好みだけど、大きすぎてね。
宮本承司さん、昭和63年生まれ、大阪藝大版画卒。お寿司をここまでデザイン化できるなんて!
片平菜摘子 (なつこ) さん、昭和58年生まれ、女子美 院修了。人々をちょっと離れたところから眺める構成がうまい。「冬の波止場」。)


230826  Out of Bounds @ 東京画廊+BTAP  (銀座八丁目)
(北朝鮮お抱えのプロパガンダ画員は約千名。在北京の学者・荒巻正行氏が、すっぴんの女の子たちにロックを教えて演奏させ歌わせ、それを画員に描かせた 「6・9 (ロック) ガールズ」 など。演奏録音を聞かせてもらった。歌声はシューベルト歌曲を歌うような平板ななめらかさだ。あ、この企画はプロパガンダではなく、アートとして楽しめました、念のため!)

230825  小林広恵 公園をつれてかえる @ トーキョーワンダーサイト本郷3階  (本郷二丁目)
(野原にうかぶ赤い小虫たち。ヒトのような有蹄類の足。絵を見ながら、草のつぶやきをぼくは確実に聞いている。)

230825  高木 彩 GROW @ トーキョーワンダーサイト本郷3階  (本郷二丁目)
(樹木と花を描く、油画の滲 (にじ) みの美。)

230825  "three is a magic number" vol.3 @ トーキョーワンダーサイト本郷2階  (本郷二丁目)
(アーティスト名 three さんがフィギュアをミニマルアートにした。フィギュアの形は、影として台座にのこるだけ。本体は鋳潰されて、カラフルな直方体として立つ。ここまでやられても、ぼくは評価しないよ。だけど忘れられないね。)

230825  阿部乳坊 (にゅうぼう)  自刻像: 変態動物 @ トーキョーワンダーサイト本郷1階  (本郷二丁目)
(個展の名はさておき、木彫作品はいつの日か <舟越 桂> 越えしそうな、伸縮自在の手足がつくる新鮮なフォルムだ。「ケンタウロス」 「サテュロス: 流されているのか、それとも飛んでいるのか」 「奴隷: 飛ぶ方法」。)

230825  the garden of... 石井 鈴 (すず) 日本画展 @ 銀座三越8階ギャラリー  (銀座四丁目)
(南洋の植物に戯れる、黒い爪のお猿たち。一瞬、田中一村 (いっそん) を連想した。昭和56年生まれ、京都造形藝大。千住 博さんを師として。)

230824  イレブン ガールズ アート コレクション @ 松屋銀座7階画廊  (銀座三丁目)
(Facebook でよく顔を見かけていた小柳優衣 (ゆい) さんの手彩色銅版画 「fleurir」 と 「憧れ」 を買った (dudek tri mil + dek mil + i)。
昭和52年~平成元年生まれの11人の女性グループ展だが、この11人が AKB48 の発想で 「アーティストユニット」 として各地で巡回式にグループ展を仕掛ける。美術への関心の掘り起こしには貢献すると思うが、作品に総じて独創性が感じられない。
評価に値するのは、瀬下 梓 (せしも・あずさ) さんが動物を描くアングルのよさ。高橋聡子 (ふさこ) さんのカラフルな輪郭テクニック。)


230823  ジェームス・リジィー版画展 @ 翠波画廊  (京橋三丁目)
(James Rizzi ジェームズ・リッツィ、だろうな。ニューヨークの光景をポップなリトグラフにして、簡易な 3D 画に仕立てた、すてきな作品。Google 画像で James Rizzi を検索すると、あふれるほど出てくるね。)

230823  田口麻奈 (まな) 作品展 かくれみの @ Gallery b.TOKYO  (京橋三丁目)
(はらはらと降りおちる色彩。このテの絵にありがちな濁りや嫌みがない。このまま精進し活躍してほしい。)

230823  石田真也展 ―ワンダフルトラッシュ― @ INAX ギャラリー  (京橋三丁目)
(ギャラリーを、実存しない宗教の神社にしてしまったよ、手びねりの仮面群で本尊をまもり、モダンライフの汚れなきゴミたちの造形で軽やかに飾って。)

230822  鈴木康弘展 折れた空 @ Oギャラリー  (銀座一丁目)
(三次元の迷路を隠した屏風を、平面に描くという重層のおもしろさ。ゼロ戦が交差する小品にひかれました。昭和40年、群馬県生まれ、筑波大 院修了。)

230822  perche` 東北藝術工科大学院洋画3人展 菊地真弓/藤倉麻美/藤原泰佑 @ スルガ台画廊  (銀座六丁目)
(藤原作品が好き。「羅針盤」 で一度出会った。くっきりとステンドグラスのように、民家を描く。洋画だが、肌合いは日本画。「人、家の不文律」 は、壁面に民家群が貼り付けられたように見えるおもしろさ。いっそダマシ絵にしちゃったら? と藤原さんに話した。
菊地さんには、「ソラリス」 の風景を連想したよと話した。)


230822  後藤洋明コレクション+α 第2回雑居房 @ Gallery 枝香庵  (銀座三丁目)
(愛媛が生んだまことの文化人・洲之内徹さんとともにいた後藤洋明さんのコレクションから。末松正樹さんのデッサン群は、演劇の躍動がある。なんと 「天井桟敷」 という語は末松さんの造った訳語であるらしい。)

230819  没後100年  青木 繁 展 よみがえる神話と藝術 @ 石橋財団ブリヂストン美術館  (京橋一丁目)
(神話を描いた画家であり、その存在そのものが神話ともいえる藝術家だ。)

230818  Estate ~ 夏につどう vol.2 @ Gallery Hippo  (神宮前二丁目)
(東京藝大院修了5人の工藝展。藝大修了展でお会いした野田朗子さんに再会。漆黒に星々が浮ぶ小さな花瓶 「銀漢」 と、桜吹雪がただよう小鉢を購入 (entute nau mil okcent enoj)。
大野直志さんの河馬世界や七宝焼の色づくしもよかった。
豊澤美紗さんの木の葉を封じ込めた作品もよかったが、帰宅後しらべたら修了展の 「街にゼリーが降ってきた」 の作家だった。ご挨拶すればよかった…。)


230818  奥津直道展 ―開花・KAIKA― @ 柴田悦子画廊  (銀座一丁目)
(マッチョを描くポップ日本画。美人画にぼくがときめくように、マッチョ画に女性はときめくものでしょうか…。)

230816  ワンピース倶楽部展 vol.4 「はじめてかもしれない」 @ unseal contemporary  (日本橋堀留町一丁目)
(第2会場。終了パーティーが喧騒状態。高須健市さんの 「Lost & Found Series ―Posters― <ビール> 連作」 が気になる存在。松枝悠希さんの 「This is EXIT」 緑版と白版。町田久美さんの小品 「初冬」。)

230816  ワンピース倶楽部展 vol.4 「はじめてかもしれない」 @ Megumi Ogita Gallery  (銀座二丁目)
(レベルの高い、個人所蔵品展。坂本友由さんの 「ピンク」 は、少女ふたりの表情が心にしみる美しい作品。祝迫芳郎さんのオブジェ 「ひこう少年」と 「逆鱗」、おもしろし。高松和樹さん 「知らない人と」。伏屋美希さん 「タヒチの黒鳥」。各展示品に 「作家名・タイトル・購入場所・購入動機」 を書いた展示ラベルを添えているのは、的確な企画。)

230816  KizuguchiPops @ Gallery 風  (銀座八丁目)
(丹 伸巨さんが教えてくれたレベルの高い油画9人展。なかでも武井啓泰さんのキリスト教・ユダヤ教をモチーフにした立体コラージュ (ミニ キューピーとドライフラワー等々をニスで固めた…) は、欲しくなって悩んだ。少年の傷を描く佐藤秀政さん、霧の向こうの浮遊を描く吉野絵理さんと話す。Gallery 風は、はじめて。)

230815  第2回 HAN 版画三人展 増井和人・宮口拓也・渡辺政光 @ roid works gallery  (湯島四丁目)
(roid works は、はじめて。健全なるアジト! 増井さんの任侠めく男と龍は、重ね刷りでキレと深み。宮口さんの巨大な電気スイッチ、40万円。丹 伸巨さんが来訪、ワンピース倶楽部展のことを教えてくれた。)

230815  Answer exhibition 小倉綾乃・塩川健信 (たけのぶ) ・染谷 (そめや) 浩司・小林 希 (のぞみ) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(鉛筆画群作を無難にまとめた小林さん。若いアーティストたちへのオマージュのような染谷さんの 「石膏室探検」。)

230813  美楽舎 第20回マイ・コレクション展 @ アートスペース羅針盤  (京橋三丁目)
(拓殖大学長・渡辺利夫さんのミニ講演あり。ぼくより20歳も年上なのに若々しいかた。『中国人に…』 をお渡しした。
美楽舎に入会を決定。コレクターの丹 伸巨さん、石堂琢己 (いしどう・たくみ) さん、小泉 清さんらと知り合いになれた。)


230813  東京藝術大学油画教員展 ―サマーショー― @ 日本橋高島屋6階美術画廊  (日本橋二丁目)
(29人展ですが、院修了したばかりの大坂秩加さん以外は精彩を欠いてましたね。)

230812  Ki Yoon Ko + Igor Maier: Vale tudo @ hiromart gallery tokyo  (文京区関口一丁目)
(ドイツで活躍する韓国人とキルギス人のコラボ作品。前回は兎がテーマだったそうですが、今回は格闘技。ベニヤ板上に様々の手法をとりまぜて。画廊オーナーの西山博美さんと、フェイスブックについてお喋りしました。)

230812 MITSUKOSHI><東京藝術大学  夏の芸術祭 次代を担う若手作家作品展 @ 日本橋三越本店本館6階美術フロア  (日本橋室町一丁目)
(宮田将寛 (まさひろ) さんの「角隠し」。花嫁姿の黒い鬼のふたつの角が破れ出る、インパクトあり。日本画では染谷香理 (そめや・かおり) さんの 「月光の記憶」。小木曽誠さんは女性と蝶の絵。あと、小池真奈美さん、菅 亮平さんなど。)

230812  名和晃平 (なわ・こうへい)  シンセシス @ 東京都現代美術館  (江東区三好四丁目)
(方法論を果敢に開拓しているのはみごとですが、工業製品を見せられたような印象で、ぼくの興味とズレていました。
常設展は入口脇、ヤノベケンジさん 「ロッキング・マンモス」 の背に、同じくヤノベ作の 「M・ザ・ナイト」 が鎮座。大竹伸朗さん 「ゴミ男」、荒木珠奈 (たまな) さん 「Caos Poetico」 に再会。)


230811  脳内スラング ハミ出し乙女四人展 @ ギャラリーツープラス  (銀座一丁目)
(東北藝工大の4人。うち、東瀬戸あゆみさんの天安門広場パロディは卒展でも鮮烈でしたが、そのミニチュア版があって dek mil にて購入。題して 「happy jap ―カリスマ―」。郡司有希さんにも伸びてほしいです。)

230810  細越富彦 (ほそごし・とみひこ) 油絵展 ―Venezia・Milano・Firenze― @ 松屋銀座7階画廊  (銀座三丁目)
(路面電車が絶品。キャンバスに和紙を貼っての油画なので、描線はガラスペン。絵具も和紙に吸われて、水彩と油彩の間のいいところ。昭和36年生まれ。)

230810  永田哲也展 和菓紙「八月」 @ 松屋銀座7階 遊びのギャラリー  (銀座三丁目)
(祝いの和菓子の木型を使って和紙作品を成型、彩色。構成の手を加えてアートに。東京藝大 院修了。)

230809  美楽舎 第20回マイ・コレクション展 @ アートスペース羅針盤  (京橋三丁目)
(上田風子 (ふうこ) さんの初期作品を展示しているコレクターがいた。ぼくも美楽舎に入会して、所蔵品をみんなに見せて絵に喜んでもらおうかな。)

230808  相場るい児 (あいば・るいじ) 陶展 幻想陶記 @ 銀座三越8階ギャラリー  (銀座四丁目)
(鬼が縁に這い上がろうとし、唐子 (からこ) が側面にはりついている ぐい呑み。欲しくなった瞬間、売約済の文字が…。金魚、猫など、細密陶芸で寓話世界に。昭和39年門司生まれ。お手ごろ価格だった。あのぐい呑み、心残り…。)

230808  echo-an Summer Festa @ Gallery 枝香庵 (えこうあん) (銀座三丁目)
(70余名がほぼ1人2点ずつ小品を。
東京藝大修了展で蓮の花びらのみごとなガラス工藝を見せてくれた野田朗子 (あきこ) さんも1点出品。流木がガラスの珊瑚に変化する、そんな錯覚に引き込む作品。野田さんは、同志社大を出て神戸新聞に勤めたあと、東京藝大院でガラス工藝を極め、いまは大阪藝大で教えている。みごとな人生だ。)


230805  空海と密教美術展 @ 東京国立博物館
(なんと、自分の脳のなかで、生気あふれる仏像が現代アートとして受容されていることに気がついた。仏像曼荼羅のうち、4羽の鵞鳥が支える おだやかで理知的な 「梵天坐像」。象が立体情報として9世紀前半に伝来していたことを証明する 「帝釈天騎象像」。)

230805  タグチ・アートコレクション Global New Art ―現代アートをもっと楽しむために― @ 損保ジャパン東郷青児美術館
(日常空間に共存するアートとして選ばれたコレクション。ぼくの好みは、丸山直文さん 「リバー I」、薄く溶いた油絵具をカンバスに染みこませる ステイニング 技法で描かれた、豊かな川のひろがり。桑久保徹さん 「ダンス・レッスン」。自分の嗜好があぶりだされますね。東郷青児作品からは昭和42年の 「モロッコの娘」 に注目。)

230803 礒江毅=グスタボ・イソエ マドリード・リアリズムの異才 @ 練馬区立美術館
(オリジナル作品と時間を共有することが、これほど幸せな記憶となろうとは。)

230801  第22回 「明日の白日会展」 @ 銀座松屋美術画廊  (銀座三丁目)
(細密写実は、創造への跳躍を増幅させる。舟木誠一郎 (昭和33年生まれ) 「女豹」: 題名に納得の裸婦。石田淳一 (昭和56年生まれ) 「読心術」: 女子が素顔になったとき…。小木曽誠 (昭和50年生まれ) 「ポマッツォ」: 奥行き感のある石造りの旧市。小森隼人 (昭和60年生まれ) 「黄色い果実」: 陶器表面の透明感まで。)

230801  三浦 健 (たける) 展 「幸福画報」 @ Gallery-58  (銀座四丁目)
(しかつめらしい顔の写実と、薄塗りの紅白幕のすてきなアンバランス。)

230801  空間は記憶する。 @ Niche Gallery  (銀座三丁目)
(作家の村山之都 (むらやま・しつ) さんと明円 光 (みょうえん・ひかる) さんにお会いしました。)

230801  小川直樹展 @ Oギャラリー  (銀座一丁目)
(平成22年のシェル美術賞入選の作家。ぼくの分類では、アメリカン・モダン。宇宙飛行士とインベーダーゲームを取り合わせた絵など。)

230801  私の劇場 @ スパンアートギャラリー  (銀座二丁目)
(イヂチアキコ、大坂 寛、木原未沙紀、桑原聖美、高田美苗、深瀬優子、渡邊光也。)

230730 アートフェア東京2011 @ 東京国際フォーラム 展示ホール 1 + ロビーギャラリー  (丸の内三丁目)
(満足感に満ちたお祭り。各ブースも気合が入っているし、図録まで しっかりした出来。作品は買いません (買えません) でしたが、すばらしい再会・出会いとおみやげを持って帰りました。)

230730 ワシントン ナショナル ギャラリー展  印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション @ 国立新美術館 企画展示室 1E
(見逃したらどうしようと、プレッシャーすら感じていた展覧会でした。)

230728  Face to Face @ ギャラリーカメリア  (銀座一丁目)
(約140年続く椚 (くぬぎ) だるま店の孫として生まれた中田江美さんが、スイスのアーティスト7名とコラボした新デザインの達磨展。スイスからは干草でつくった、見立ての達磨まで来たよ。)

230728  服部睦美 展 @ 巷房 1・2  (銀座一丁目)
(彫金で、ノスタルジックな空飛ぶ船などを。最近は金属材料が値上がりして、作家さんもますます苦労しているのだとか。)

230728  堀田明里 個展 @ Gallery 銀座フォレスト  (銀座一丁目)
(花の群生、ノスタルジックな故郷遠景など、澄んだ色に好感。多摩美日本画3年生、シャイな作家。今後も楽しみです。)

230727  One's Space 展 @ 多摩美術大学 情報デザイン棟・藝術学棟ギャラリー  (八王子市鑓水)
(上田雄三さんから案内をいただき、じつはかなり期待して行ったのですが、卒展には遠く及ばぬレベルで…。趣旨が、個展開催実習というものだったのです。西山奈緒さんの油画が、とぼけておもしろかったが。
けっきょく学生さんに話しかけたい気持ちが、気後れに負けてしまい、不完全燃焼で多摩美を後にしました。夏休みの1日でした。)


230727 知の森への道をたどる  日本における辞書の歩み @ 静嘉堂文庫美術館  (世田谷区岡本二丁目)
(静嘉堂文庫美術館は、はじめて。
有名な 『波留麻和解』 もさることながら、今日でもテーマ別単語帳として使えそうな馬場佐十郎・編の 『魯語』 (文化8年・1811年)、例文も豊富な 『和蘭字彙』 全13冊 (安政2年・1855年) には、語学人として同好の熱気を感受した。)


230726 アートアワードトーキョー丸の内2011 @ 行幸 (ぎょうこう) 地下ギャラリー  (丸の内二丁目)
(30人の作家の作品を展示しているが、授賞の審査基準が狂っている。上位賞には美も面白みもない。
わたしが注目したのは、受賞のない 大久保如彌、清原 亮、桐月沙樹、町田沙弥香、菅 亮平さんら。)


230725  鈴木信吾 銅版画展 スティプル・エングレーヴィング @ ギャラリー日比谷  (有楽町一丁目)
(制作に極度の緊張と忍耐を要する微細点描銅版画。昭和19年満洲生まれ 平成7年死去の作家の遺作が注目を得、町田市立国際版画美術館の収蔵品となることを願って、画廊オーナーの福石茂雄さんは あらためて鈴木信吾展を構想している。)

230725  朝倉めぐみのアートワークス ―イラストレーターのプライベートショウ― @ 東京會舘ギャラリー  (丸の内三丁目)
(ロンドンの香。おしゃれなコラージュをガラスとワイヤで額装したオリジナル作品が大人気です。昭和36年生まれ、多摩美油画卒。)

230723  ShinPA!!!!! 東京展  東京藝術大学デザイン科描画系 @ 佐藤美術館  (新宿区大京町)
(21人展。押元一敏さんの 「トルソ #22」 「トルソ #23」 に酔った。一見して、肩から膝までのシルエットだが、うつくしい黒色の諧調で乳房や恥丘が描き出される。箔の上に幾層にも岩絵具を塗り重ねることで可能になった繊細美。
小柳景義 (かげよし) さんの 「湖上の攻防」 は、奇岩のはるか上部の巨大な天守閣と奇岩下部にひしめく船団・軍勢の丹念な描き込みがおもしろいが、池田 学さんの境地に比べたら完成には遠く、三合目というところかな。)


230722 Exhibition C-DEPOT 2011 GRAVITY 引力 @ スパイラルガーデン  (南青山五丁目)
(近藤未奈美さんの作品が突出してよかった。感想はブログ本篇をご参照。
久世祥三さん+坂本茉里子さんがつくった電子オルゴールもおもしろかった。角度を変えると音階が変化する電子回路を木彫に埋め込んである。「スイング・オルゴール」と題して、幼児や老人に使ってもらえば、メディアで話題になるよと、電子回路担当の久世さんにささやいた。)


230722  MY duo 2011 海野 (うんの) 良太 山科理絵 @ Shonandai MY Gallery  (六本木七丁目)
(昭和52年生まれの日本画2人展。海野さんのは、日本的素材をはちゃめちゃコミカルポップに料理。岩絵具を使ってあるが、フェルトペン彩色のタッチ。日本でより海外でウケるみたい。山科さんのは、骸骨に蝶・女と、よくありそうな素材だが、兎の骸骨に装束と面をつけて踊らせたのはおもしろい。)

230722  加藤裕生展 「8月32日」 @ ギャラリー アートもりもと  (銀座三丁目)
(子供から大人へと移ろう高校生の少女を写実。)

230721  古伏脇 司 (こふしわき・つかさ) 展 @ ギャラリーなつか  (銀座五丁目)
(仏像づくりに使われたあの「乾漆」技法を、心のままに平面展開。麻布が垂れて固まったところで逆さにしてみせることで波打つ凹凸のミニマルな表面がおもしろい効果。昭和36年東京生まれ、東京藝大漆藝 院修了。)

230720  蛯子真理央 (えびこ・まりお) 展 オン・ザ・ロード @ 日動画廊  (銀座五丁目)
(光とともにいる悦びが突き抜けた。モロッコの鮮烈な光彩をカンバスに取り込むときに加わるひそやかな淡さに蛯子さんの愛を感じる。昭和44年東京生まれ、武蔵野美大油絵卒。)

230720  池田清明展 @ 銀座柳画廊  (銀座五丁目)
(美しくも凛とした長女・次女を描いた正統派油画。彼女らの豊かな存在感を前にして林間の涼風を感じた。昭和26年岡山県笠岡市生まれ。)

230719  西村 亨 人形展 『ノスタルジックドール宣言』 @ 柴田悦子画廊  (銀座一丁目)
(半世紀前の米国の営み・装いを、キュイッとパロって女性のエネルギーがむちむちしちゃう大柄の紙粘土人形に仕立てた。築地市場でよく見る特殊荷役車 「ターレー」 を AMBULANCE 仕立てにして、スリムなミニスカートの3人の看護婦さんが颯爽と乗ってるフィギュア、もう最高!)

230719  土門大士 (どもん・だいし) 展 ―貌― @ Oギャラリー  (銀座一丁目)
(背景をボールペンで塗る。気の遠くなるような手間だが、そこから生まれる味がある。あえて影をつけず立体感を拒否することで逆に、平面なのに木彫作品を見ているような錯覚にとらわれる。昨年も拝見して印象に残っていた。今年はいちだんとカラフル。昭和56年仙台生まれ、東京造形大視覚デザイン。平成22年には中国・南京市地下鉄2号線 「明故宮駅」 の壁画も手掛けた。)

230718  嵩居伽子 (たけい・かこ) 個展 妄想浸度 @ Gallery 銀座フォレスト・ミニ  (銀座一丁目)
(ぼくが愛したポーランド娘の Ewa を思い出させる美少女の絵。嵩居さんには昨年注文画を描いていただいて、高崎市までいただきに行きました。今回の個展もいい作品があり、購入。「じゃらされたい」(dudek ok mil enoj)。ファインアート7点は初日で完売です。イラストキャラを日本画技法で描いた手すさびの小品もおもしろいのですが、需要がマッチしないようです。)

230718 アートソムリエ山本冬彦企画展  今、イラストレーターアートがおもしろい @ Gallery 枝香庵  (銀座三丁目)
(蛯原あきら、emico、オオタニヨシミ、彩 (xi)、鹿間そよ子、sioux、Benicco のイラストレーション7人展。オリジナル作品はほぼ完売 (安すぎ!) 。プリント作品も羽陽美術印刷さんが美しく仕上げた。山本冬彦さんや須知吾朗さんにもお会いした。)

230718  嵩居伽子 (たけい・かこ) 個展 妄想浸度 @ Gallery 銀座フォレスト・ミニ  (銀座一丁目)
(ぼくが愛したポーランド娘の Ewa を思い出させる美少女の絵。嵩居さんには昨年注文画を描いていただいて、高崎市までいただきに行きました。今回の個展もいい作品があり、購入。「じゃらされたい」(dudek ok mil enoj)。ファインアート7点は初日で完売です。イラストキャラを日本画技法で描いた手すさびの小品もおもしろいのですが、需要がマッチしないようです。)

230716  第5回 大学版画展受賞者展 @ 文房堂 (ぶんぽうどう) ギャラリー  (神保町一丁目)
(日本版画界のスーパーアイドル・石川真衣さんが、これまでの単色銅版画から石版彩色に乗り出して、「レオと牡丹の約束」 を出品。小品の 「レオへ」 を購入できて、ハッピーです (dek mil enoj)。
女子美短大の奥平恵理さんの 「紙嫁」 は、藤田嗣治ふうの少女と服飾を丹念に銅版画に仕立てて、2枚を切り抜くと着せ替え人形になるという、江戸浮世絵版画にもある遊びをやってのけた。見事な才能です。短大で終わらず、どんどん伸びてほしい。
泉菜々子さんの 「逃避願望-b」 は、海底のような色彩の深み。吉田江里さんの 「floating life」 光の珠の構成が美しい。東北藝工大の直 野分さん 「楽天の飼育 -intermedio-」 は、リアリズムと幻のほどよいバランス。
小林美佐子さんの 「慣習」 は、看護婦・手ピストル・メイド・蛾、そしてたぶんストリッパーの脚。巧んで流れ着いた、現代作品にありがちなテーマを、さらにどう昇華するか、将来がたのしみです。)


230716  G7 3rd ―第3回 藝大版画7人展― @ B-gallery  (西池袋二丁目)
(B-gallery には前から来たかったのだが、今回ようやく訪問。隣りが自由学園明日 (みょうにち) 館。池袋駅からちょっと歩いただけで、こんなすてきな環境があるなんて、びっくり。
梅村 圭さんがいた。骸骨おどりは、河鍋暁斎ですね。もっとサイズのデカいのが彼女の本領らしいので、次の個展に期待しましょう。)


230715  上田暁子 (あきこ) 展 @ Niche Gallery  (銀座三丁目)
(今年の VOCA 展で見た 「とある熱を通り抜ける」 の時間断続少女シルエットと植物たちの描き込みが印象深かった作家。VOCA 展作品は大原美術館の御買上げとなった。最新作は微視性を強めて、植物とモノの密なる空間を抑えた色調で描くのだけど、それは半ば よくある絵であって、ぼくはやっぱり彼女には少女を描きつづけてほしい。)

230715  IFAA (International Fantastic Art Association) 幻想藝術展 ―東京― 2011 @ 東京交通会館2階ギャラリー  (有楽町二丁目)
(50人+ゲスト作家2名展。ゲストの Luigi La Speranza 氏の "La Reine du jour" に魅せられた。描きすぎず、直截。あと、麻子さんのペン画もよかった。全体的には素人習作多く、やや失望。)

230715  セリ秘密の現実展 ムネモシュネ劇場 Exposition Se`ride de realite secrete: Theatre Mnemosyne @ スパンアートギャラリー  (銀座二丁目)
(幻想画12人展。ちょっと、おとなしかったな。)

230714  郡 和子 (こおり・かずこ) ガラス展 @ 日本橋高島屋6階美術画廊
(足早に眺めていた目が吸いつけられた。陶の渋さのひとつ上をゆく枯淡な装飾美のガラスの茶器があった。新作群は、ごつごつ と なめらかの究極を組み合わせて陶を超絶する。単色の豊満な花器もじつは、受け止めた光線を新たな美に転じるプリズムのちからを秘めている。蓋器1客購入(dek ok mil + imposto)。今秋、日展で新作にお会いするのを楽しみにしています。)

230714  十時 (ととき) 孝好展 @ 日本橋高島屋6階美術画廊
(木彫と油画の、ちょいとイケズな兎づくし。十二支木彫が豪快。昭和23年柳川市生まれ、東京藝大 院修了、名古屋藝大名誉教授。)

230714 高島屋創業180周年記念  森村泰昌新作展 「絵写真+The KIMONO」 @ 日本橋高島屋6階美術画廊X
(北野恒富・筆の 「婦人図」 の森村流 換骨奪胎写真6点だが、う~ん、今回はちょっと…。高島屋さんの企画の勇気に感服します。)

230714  市川紗也子 「声も出ない」 @ unseal contemporary  (日本橋堀留町一丁目)
(刺繍裁縫コラージュ。眼鏡を喰う栗鼠の小品が欲しくなったが、売約済。昭和52年東京生まれ、東京藝大油画 院修了。)

230714  ねがみくみこ ロマンティックがとまらない @ unseal contemporary  (日本橋堀留町一丁目)
(がきデカ + ポップ = ねがみくみこ木彫、みたいな。昭和57年福島生まれ、東京藝大彫刻 院修了。ひとところにとどまることを知らない勢い。流線型で海を泳ぐ海獣になった野球バットとか。)

230714  森村智子 ミセモノ展 @ Gallery 銀座フォレスト・ミニ  (銀座一丁目)
(ゆがんだ木の断面に我の強そうな少女を描く。昨年も見て心に残っていたが、今年はほんとに好くなっていて、空に飛ばす提燈気球の少女など、じ~んと欲しくなったが、なんとわたしの予算の半値で売約済だ。森村智子さんは絶対伸びるので、だいじに育てましょう。)

230714  Sadie Rebecca Starnes: panmnesia, the afterbirth @ Megumi Ogita Gallery  (銀座二丁目)
(ぼくが最近イメージしている現代米国油画ど真ん中。日常生活と、薄皮をへだてた非日常の混在。いのちの皮を剥ぎ取ることで生まれるナマナマしさの感覚。昭和60年、ノースカロライナ州生まれ。)

230714  Laurel Roth: Supernatural @ Megumi Ogita Gallery  (銀座二丁目)
(動物の骨格や歯、生理ナプキンなど、あれっと思うものを素材にして、ぐいぐい作品をつくるパワー。生物界を写し取って自ずと神話的世界をかもすタペストリー。)

230713  ムラカズユキ展 ~水彩画の世界~ @ ギャラリー・しらみず美術  (銀座五丁目)
(イタリアの島の街風景。垂らし込みで、補色どうしを思い切って組み合わせ、水彩画なのに油画のような濃厚な満足感。)

230713  Exhibition Team Go East!! VIII @ あかね画廊  (銀座四丁目)
(大阪藝大卒の独立美術協会3人展。ぼくと同い歳の池上 亮 (あきら) さんは、セクシーな双翼の女性と鋭い目の動物と中世意匠を組み合わせて神話的画面をつくる。)

230713  麻生隆悟展 ―景色のいい窓― @ ギャラリー日比谷  (有楽町一丁目)
(昨年に続いて拝見。畳目の意匠が涼やか。画面上の小さな桝に異なる小品を描いてゆく。まるでスゴロクだね。)

230712 生誕130年  橋口五葉展 @ 千葉市美術館
(鮮烈な匂いの裸婦のドローイングの数々。入魂の浮世絵「化粧の女」、「長襦袢の女」。来てよかった。大正ポップの 「黄薔薇」。グラフィックデザイナーの嚆矢としての若い時代の作品から、五葉の全体像を見渡せた。
併設の 「ドローイングの楽しみ」 展も、五葉展とみごとに共鳴していた。江戸期の木版絵画本にはじまり、遠藤健郎 (たけお) さんのエスプリのきいた作品群。)


230712  明・清陶磁の名品 官窯 (かんよう) の洗練、民窯の創造 @ 出光美術館  (丸の内三丁目)
(いかにも硬質な景徳鎮官窯の品々、ゆるい民窯のポップ。清の 「五彩十二箇月花卉文杯 十二客」 をお宝にしたくなってしまった…。明の 「白磁緑彩龍文鉢」 の美しい さみどり。)

230711  大竹夏紀展 @ Gallery b. TOKYO  (京橋三丁目)
(カラフルポップな ろうけつ染め少女画。昨年より一段とキュートで、花の装飾も美しくなった。すべて壁飾りですが、そろそろファンのために額入り作品もお願いしたいですね。)

230711  Group Exhibition ―ヘルツ― @ アートスペース羅針盤  (京橋三丁目)
(岩坪 賢さんの女性を描くドローイングに惹かれた。過去作品の一部を四角く切り貼りしコラージュ化した背景が新鮮で飽きない。モデルがぼくの好みの人なら、求めたかった作品。武蔵美日本画 院修了の岩坪さんが、後輩12人を束ねたグループ展。楽しい。)

230711  吉村芳生展  50年後、100年後の人達に見てもらいたい 「3.11から」 新聞と自画像 @ ギャラリー川船  (京橋三丁目)
(大震災報道の新聞見開きに、自画像ドローイングをシルクスクリーンでプリント。驚愕や苦悶の顔で、新聞の文字まで活性化する。)

230710  未視感ハミング 岡田裕子 原良介 松原壮志朗 @ ゲルオルタナ  (墨田区緑四丁目)
(錦糸町から歩いて10分。殺風景なところに突然オープンした金・土・日だけの画廊。原良介さんの作品は、筆遣いの多様さと、くすんだ色の綺麗さで見せる。他のおふたりは、過去作品がおもしろい人たちだが今回は不発か。)

230709  渡邊英弘 Shades of Time 時間の帳 (とばり) @ Gallery Speak For  (猿楽町)
(のっぺりした壁面の非現実のビル街を鳥瞰するレンズの視座が、なんと人工衛星軌道の位置にある。とことんまじめに遊ぶ写真の数々。)

230709  ロバート・ハインデル追悼展 @ The Obsession Gallery  (猿楽町)
("Red Tunic" の美しい赤。こんなに鮮烈で余韻豊かな赤色を、ぼくは久しぶりに体験した。"Lone Ranger" は、怪傑ゾロの孤高。)

230709  宮崎勇次郎展 「青と緑と富士山」 @ ミヅマ・アクション  (上目黒一丁目)
(扉を開けた途端、あれ? 銭湯の絵みたい…。まさに宮崎勇次郎さんは実家が銭湯で、浴場のペンキ絵の色づかいが不思議な非現実感を生んでくれる。大作 「ダフネの森」 はヌードのお姉さまたちのメタモルフォーゼです。売約済、高橋コレクションになるのでしょうか。)

230708  松井沙都子展 Phantom Hides Upstairs @ neutron tokyo  (南青山二丁目)
(テキスタイル感と絵具の垂れと、ごくごくドライなファントムの気配と。)

230708  冬耳 (ふゆじ) 展 | エスケープ フロム イリュージョン @ neutron tokyo  (南青山二丁目)
(カラフルでポップな花の饗宴 「永遠なんて言わないで」 は、村上隆作品をわずかに連想させるけど、村上隆よりずっといい。過去ファイルを見ると、着実に進化してます、冬耳さん。精進の賜物。)

230708  Another Dimension @ DAZZLE  (北青山二丁目)
(デジタル コラージュ イラストの6人展。HALKA さんの描く女性の目もとの紅が好き。置いてあった PC イラストの秘伝書を帰りに本屋で買って娘に渡したら、刺さったね。)

230706  symphonic photograph 西村伊央 (いお) 展 @ INAX ギャラリー  (京橋三丁目)
(暗室。映像作品と錯覚した。壁面に写真を几帳面に貼ってメリハリのある照明をあてる。「基本に忠実」 を積み重ねて得た美しさ。多摩美情デ情藝 院修了。)

230706  甲田千晴展 ―土の記憶 刻生― @ INAX ガレリアセラミカ  (京橋三丁目)
(ふと、万に一つの木の畸形を探しあてたかと錯覚させる陶作品。)

230706  高木まどか展 @ Gallery Tsubaki  (京橋三丁目)
(変形人間の木彫のフォルムも面白く、カラフルデザインの彩色も楽しい。さりげない個展だが、もっと大々的に売り出したい感じ。彩色をやや欲張りすぎて、かえってインパクトが散ってしまった部分はあるなぁ。)


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