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2005/09/28
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成瀬さんは元々は公団にお勤めで、昔からコンサルタントの人間より街づくりのことを良くご存知。それだけならまだいいんですが、コンサルタントの人間より絵がうまくてしかも手が早い、さらに人一倍人間的で感性が豊かという、三拍子も四拍子も併せ持った恐るべき人で、したがって、発注業務の要求も目茶目茶厳しいことで知られていました。私も街づくりの右も左も分からないまだ若かりし頃、散々しごかれた、もとい教育的指導を受けたことがある1人ですが、同じような目にあった幸運な人は私の周りに何人もいます。普通、発注者側は自分ではできないことをコンサルタントに発注するのが一般的ですが、コンサルタント以上に“できる”人が発注者というわけですから、これはもーコンサルタントにとっては修羅場です。

いい街をつくろうとする野心が自らを研鑽し、関係者への厳しい要求となって表れる、彼にとっては極めて自然な振る舞いなわけですが、そんな人ですから、時間の問題と思っていたら案の定、今から10数年前に公団を退職、自ら 都市計画事務所 を永山に開業してしまいました。成瀬さんのことは改めてゆっくりご紹介させていただくとして、今日成瀬さんからお聞きした話の中に興味深い一説がありました。

曰く
「永六輔氏が言ってた話しだけど“ニュー”と付くものは大体まがいものが多い」
「街っていうのは普通何十年何百年もかけてつくり上げていくものを、高々30年ちょっとでつくったのが多摩ニュータウン。ニュータウン=100点満点の理想郷と考えることがそもそも大きな勘違い。」
「もちろん当事者の1人として、いい加減な仕事をしてきたわけではないが、限られた時間の中で限られた人材と知識を糾合してできたのが多摩ニュータウン。都市をつくるというこれまで誰も経験をしたことのない分からないことだらけの中で最適解を見出そうとしたのが多摩ニュータウンなのであって、それを批判しても始まらない。重要なことはそこに暮らすことを決心した私たち住民がどう住みこなしていくかということ。それは普通の街も同じこと。」

多少僕のアレンジも混じっていますが、およそこのようなお話だったのではないかと思います。多摩ニュータウン開発の草創期から、公団職員兼住民として、日夜悩み、現場でものづくりに汗を流してきた人だけに、その一言一言が、多摩ニュータウンを表面的にあるいは統計的に捉えてあーでもない、こーでもないと批判し、かくあるべしとのたまう方々の一見もっともらしい言葉以上に説得力を持って僕の胸に染み入るのでした。





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最終更新日  2005/09/28 09:58:18 PM
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