波と戯れるように  風に揺れるように

波と戯れるように 風に揺れるように

2006年04月11日
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テーマ: 寂寞の中で(1008)
さあ お立会い

ご用とお急ぎのない方はゆっくりと聞いておいで、

遠出山越え笠のうち、聞かざる時は物の黒白出方善悪がとんと分からない。

山寺の鐘がゴーンゴーンと鳴ると言いども、

童児来たって鐘に撞木を当てざれば鐘が鳴るのが撞木が鳴るのか、

とんとその音色が分からない。

さて お立会い 

手前ここに取りいだしたる筑波山名物ガマの油

ガマと申してもただのガマとガマが違う、これより北、



四六五六はどこで見分ける。

前足の指が四本、後足の指が六本合せて四六のガマ、

山中深く分け入って捕いましたるこのガマを四面鏡ばかりの箱に入れときは、

ガマはおのが姿の鏡に映るを見て驚き、タラーリタラーリと油汗を流す、

これをすきとり柳の小枝にて、三七 二十一日間、

トローリトローリと煮つめましたるがこのガマの油。

このガマの油の効能は、ひびにあかぎれ、しもやけの妙薬、

まだある大の男の七転八起する虫歯の痛みもぴたりと止まる。

まだある出痔いぼ痔、はしり痔、はれもの一切、

そればかりか刃物の切味も止める。

取り出したるは夏なほ寒き氷の刃、



十六枚が三十と二枚 三十二枚が六十四枚 

六十四枚が一束と二十八枚 

ほれこの通り、ふっと散らせば比良の暮雪は落花の吹雪とござい。

これなる名刀も一たびこのガマの油をつける時はたちまち切味が止まる。

おしてもひいても切れはせぬ。



このようにきれいにふきとるときは元の切味となる。

さあて お立会い

このようにガマの油の効能が分かったら遠慮は無用だ、

どしどし買ってきな。




以前 不老ガエルさんが私の名前でお話を作ってくれました。

お返しを考えたのですが私の能力ではとても創作できませんので 

大変に失礼かと思いましたが、「がまの油」を書かせて頂きました。

今でも語り継がれる話ですね。

不朽不滅の話=不老ガエルさんのブログ






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最終更新日  2006年05月23日 07時02分57秒
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