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キーワード:大きな力
大壮。利貞。
(たいそうは。ていによろし。)
「大壮」とは , 大いに盛んということ。「雷天大壮の時、貞正であれば良い」。雷天大壮の時は、陽の力が増大し、飛ぶ鳥を落とすような 勢いがありますが、気持ちばかりはやって中身が伴わない時です。そして自分の力を過信して強引に突っ走り、果てにはブレーキの効かない車のようになって、 失敗に陥りやすい時です。ですから、何を行なうにもワンクッション置いて、一歩退くような気持ちで対処し、内部の充実に目を向けることが大切です。
〔大意〕大壮(たいそう)とは、大なる者がさかんな様子で、その上に雷が天にとどろくのですから、きわめてエネルギッシュな状態を賠示しています。いわば運勢的には非常に強く、勢いがあると見ていい。大きな仕事が完成するのはこういうときです。
ただこの卦で注意しなければならないのは、あまりの勢いにふりまわされて「やりすぎない」ことです。調子に乗りすぎると、勢いがあるだけに大失敗へとつながる危険性があります。
またマーフィー博士は雷のとどろきを「欲望の表現」だといいます。つまり、あなたの中にいま大きな欲望がうずまいている。その欲望は非常に強く、またその実現のためにあなたは意欲に燃えている。周囲の情況もよく、それは実現しそうである、ここまではいいが、もしその欲望の実現がモラルに反することであったり、自己本位なものだったら、それはあなたを失敗へと導くかも知れない。
何故なら、自然の世界はあくまで調和と平安が基調となっていて、悪や憎悪、我欲といったものは退けられるからです。それと自己過信ということがある。いまの自分に大きな力が発揮できるのは「自分にそれだけの才能があるからだ」と思ってしまう。実際は大自然のエネルギーがあなたに降り注ぎ、あなたはそれに導かれているにすぎないのに、それを自分の力と錯覚してしまうのです。
人間は、とかくこういう錯誤に陥りがちである。だから急上昇から急速な転落へと落ちる人が多いのです。会社を倒産させる人の大半は「一度は会社を急成長させた実績の持主である」という皮肉は、人間がいかに思い上がり、自己過信に陥るかを示しています。そうならないためには勝ってかぶとの緒を締める心構えが肝要です。
●初 9 :内にあるものが外にあるものを支配することを忘れるな。
壯于趾。征凶。有孚。
(あしにそうなり。ゆけばきょう。まことあり。)
「足を躍らせてしきりに進もうとする。進めば凶。誠の心をもつことだ」。実力もないのに気ばかり焦っています。ここはぐっと止まっ て、短気を慎むべきです。急進すれば、「飛んで火に入る夏の虫」になってしまいます。
●二 9 :恐れることがなければあなたの目的は遂げられる。
貞吉。
(ていきち。)
「貞正にして吉」。野心など抱かず、誠実に現状を守れば良い時です。
◎良い時です。
●三 9 :自分を高くするものは低められ、自分を低くするものは高められる。
小人用壯。君子用罔。貞厲。羝羊觸藩贏其角。
(しょうじんそうをもちい。くんしぼうをもちう。ただしけれどもあやうし。ていようはんにふれてそのかくにくるしむ。)
「罔」は無。「羝羊」は牡羊。「藩」は垣根のこと。「小人は盛んに進むばかりで限度を知らないが、君子は度を越すことがない。 貞正にしていても危うい。牡羊が突進して垣根に角をひっかけて苦しむような状態になる」。才人は才に溺れ、小人は血気にはやり、にっちもさっちもいかなく なってしまう時です。自ら墓穴を掘らぬよう、何事にも首を突っ込まないことです。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
●四 9 :扉はいつも開かれている。行って開けなさい。
貞吉。悔亡。藩決不贏。壮于大輿之輹。
(ていきち。くいほろぶ。はんひらけてくるしまず。たいよのふくにそうなり。)
「藩」は垣根。「大輿」は大車。「輹」は車軸のこと。「貞正にして吉。悔いはなくなる。垣根が開けて苦しまずに済む。大車の車軸が頑 丈である」。障害が取り払われ、道が自然に開ける時ですから、初心を貫き通すべきです。仕事に打ち込みましょう。
◎大変良い時です。
●五 6 :より大ぎいもののためには、小さいものを放棄せよ。
喪羊于易。无悔。
(ひつじをえきにうしなう。くいなし。)
「易」はここでは境界のこと。「羊を境界で見失う。悔いはない」。去る者は追わず、何事にも関わらないのが一番の時です。
●上 6 :あなたの理性はあなたの心の羊飼いになるべきである。
羝羊觸藩。不能退。不能遂。无攸利。艱則吉。
(ていようはんにふれてしりぞくあたわずすすむあたわず。よろしきところなし。なや めばすなわちきち。)
「羝羊」は牡羊のこと。「藩」は垣根のこと。「牡羊が垣根に角をひっかけて退くことも進むこともできない。良い事はない。反省して身 を慎めば吉」。スピードを落とすべき時に暴走して進退に窮する時です。分外のことに手を出さないこと。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります、よく反省し、改めましょう。
「マーフィの易い」 J. マーフィ(昭和 61 年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。
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