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キーワード:奮起させるもの
震、亨。震来虩虩。笑言唖唖。震驚百里、不喪匕鬯。
(しんはとおる。しんきたるにげきげきたり。しょうげんあくあくたり。しんひゃくりをおどろかすもひちょうをうしなわず。)
「震」は雷のこと。「虩虩」はびくびくと恐れ驚くこと。 [ 唖唖」は安心して笑うこと。「七鬯」の「七」はさじ、「鬯」は香り高い酒 で、ともに祭祀に用いるもの。「震為雷の時、通じる。雷が鳴り響くとびくびくと恐れ驚くが、治まると安心して笑い声が起こる。雷は百里四方に鳴り響いて驚 か す。しかし、祭祀を行なう人はさじや酒を驚いて落とすことはない」。この卦はカミナリおやじが大騒ぎしている姿です。びっくり仰天するぐらい派手な割に は内 容や実力が伴っておりません。つまり「声あって形なし」の時です。震為雷の時には、何か問題が起きても、見た目ほど大したことはありませんから、自分を失 わずに冷静沈着に対応することです。時間がたてば笑い話になるというもの。
〔大意〕震(しん)は第三章でくわしく述べたように、八つのシンボルの ― つで雷、地震、奮起、活発を示すものです。それが二つ重なったのがこの卦である。驚天動地という言葉があるが、まさにそういった事態がくる可能性がある。
しかしこれは天災のようなものではなく、あなたにとっては発展、大飛躍としてやってくる。「一夜あけたらスターになっていた」などという例がまさにこれです。卦としてはまことに盛運である。たとえ雷におどかされようとも、それはあなたを害するものではない。むしろあなた自身が雷のごとく奮起して事に当たることがよいのです。
落雷時のエネルギーのものすごさは、人間にたとえれば集中力といえます。たとえばキリの先は、加えられたエネルギーを一点に集中できるから、固いものでも穴をあけることができる。
あなたも一点集中のエネルギーを発揮することで、思いもかけない大成果を得ることができます。ただ山の雷が無差別に落ちるように、われわれのエネルギーも発揮する方向を誤れば、それはまったくの無駄使いになる。
大いにがんばるのはいいが、緻密な計算と努力もまた必要です。またあなたが大いにはり切ることで周囲に波紋を投げかけるかも知れない。しかしそれはあまり気にすることはありません。
いまのあなたは他人に気を使うよりも他人に気を使わせるべきなのです
人生にはそういう一時期があっていい。いつもビクビク人の顔色をうかがい、他人を傷つけないことだけを考えていては、あなたは自分の望むものを手に入れることなど絶対にできません。
いまは何ものをも恐れず敢然と自己の信じるところに従って積極的な行動に出るときです。
●初 9 :嵐のあとには凪がくる。恐れることはありません。
震来虩々。後笑言啞々。吉。
(しんきたるにげきげきたり。のちにしょうげんあくあくたり。きち。)
「虩々」はびくびくと恐れ驚くこと。「啞々」は安心して笑うこと。「雷が鳴り響くとびくびくと恐れ驚くが、後に治まると安心して笑い 声が起こる。吉」。初めはびっくりしても後に喜びを得ます。奮起の上、努力すること。
◎良い時です。
●二 6 ;激変やトラプルに遭遇したら逃げずに身をまかせよ。
震来厲。億喪貝。躋于九陵。勿遂。七日得。
(しんきたるあやうし。おくばいをうしなう。きゅうりょうにのぼる。おうことなかれ。ひちじつにしてう。)
「億」は多いこと。「貝」は貨幣。「九」は連なること。「雷が鳴って危険である。多くの財を捨てて、連なる高い丘に登って身を守るこ と だ。失ったものは追わなくとも、七日もすれば戻ってくる」。危険がすぐそこまで追っています。欲は捨て、身の安全を第一に図る時です。身一つあれば何とか なるもの。
●三 6 :あなたは一時的に失うが、すぐにすべてを取り戻すだろう。
震蘇々。震行无眚。
(しんそそたり。おそれてゆけばわざわいなし。)
「蘇々」は茫然自失すること。「雷に遭って茫然としている。恐れて慎重に行けば災いはない」。肉体的にも精神的にも疲労が重なりバ テている時です。自分の能力の限界以上のことは控えるべきですが、もう少し気を強く持ちましょう。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
●四 9 :敵はあなたの内部にあります。
震遂泥。
(うごきてついにおぼる。)
「動いて、遂に泥にはまる」。力不足の身でありながら分不相応なことに手を出して、中途で挫折を味わう時です。何事も控えるべし。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
●五 6: まちがった考えには同意してはならない。
震往来厲。億无喪有事。
(
「億」は大いにの意味。「有事」は為すべきこと。「雷が鳴って往来するのも危うい。なすべきことはしっかり果たすことだ」。動かず現 状 維持の時です。有事の備えは確実にしておくこと。
●上 6 :くどくどと言い訳をするのをやめなさい。
震索々。視矍々。往凶。震不于其躬。于其鄰。无咎。婚媾有言。
(しんさくさくたり。みるかくかくたり。ゆけばきょう。しんそのみに おいてせず。そのとなりにおいてす。とがなし。こんこうことあり。)
「索々」は茫然自失すること。「矍々」はきょろきょろと定まらぬこと。「婚媾」は姻戚、まわりの人のこと。「雷に遭って茫然とし、 きょろきょろと視線も落ち着かない。進めば凶。雷が我が身にではなく、隣に落ちたので問題はない。まわりの人から小言をいわれる」。災いが及ぶ前に落ち着 いて早めに対策をたてる時です。慌てふためいてばかりでは、見えるものまで見えなくなってしまいます。
「マーフィの易い」 J. マーフィ(昭和 61 年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。