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キーワード:温和なもの
巽、小亨。利有攸往。利見大人。
〔大意〕人間の持つ能力がいちばんよく発揮されるのは、リラックスしたときです。これから成すことに、一点集中できるのも、他の部分でリラックスしているからである。
リラックスというのがなかなか難しくて、ふつうはくつろいだときにはリラックスしているが、本来リラックスしなければいけない仕事のときには強い緊張感にとらわれてしまうとい悪循環に陥ってしまいがちです。
この卦の温和さというのは、緊張をとりリラックスすることがいかに大切かを物語るのです。卦は二つの巽(そん)から成り立っている。巽(そん)は前にも説明した通り風であり、森林であり、温和なものであり、浸透するものである。
どこからともなく来て、またどこかへ去ってしまうとらえどころのない風というものは、物事にこだわらない自由さがある。風のように変幻自在なものには、悩みや苦しみないがごとくである。
ここから人間でいえば温和な気質や性格というものが想定されるわけです。この卦の示するのは、いたずらに争うことなく「風のごとくに従え」ということです。力で支配され、隷属せよというのではない。
何物にもとらわれず、悠々自適して争わずにいれば吉である。だいたい争いの九割九分は、あとになって振り返れば争わなくてすんだことです。それを短気をおこして争ってまう。それで得することはほとんどありません。
あなたはあなた自身を、手に負えない子供を忍耐強い母親が扱うように扱わねばなりせん。そうすれば良い親に恵まれた子供のようにあなたは成長し、あなたの夢は実現すのです。
風のように生きることは不可能ではありません。
◎運勢 動きやすい変化運で安定を欠き、疑い迷うことが多い。何事にも独断専行を戒め先賢にしたがって行うことが大切である。
◎願望 二つの目標に迷うときなので的を絞ることが大切である。またふん不相応な待望は通達しない時であるから控えたほうがよい。
◎事業 大いに利を得るという意があるが、風に乗って大成する場合と、障害に遇って果たせない場合とがあり、 また二業を追うという意もあるので非常に進退に迷いやすい。 よほどしっかりした後援者が必要であるから、大人をみるということが大事である。
◎結婚 風の浮動と巽の不果という意から成・可否ともに悪く判断する。
◎交渉事 速やかなるときは有利に運ぶが長びくと障害が生じて不利となる。いずれにしても相手に従って小しく亨る程度の時であるから強引や無理は危険である。
◎家出人 行きつ戻りつ迷ったり苦労したりでやがて戻ってくるとみる。
◎待ち人 速やかであったり意外と遅れたりして来る。
◎病気 呼吸器系の疾患、胄腸の疾患(特に腸)、陰部の疾患などが多い。症状は潜伏性で一進一退、長びく傾向とみる。
◎初 6 :行ないのともなわない言葉を慎みなさい。
進退。利武人之貞。
風の吹き回しということがある。進退・節の無いのはいけない。中正に巽(したが)わねばならない。武人の貞、つまり大人の命を順奉して、死を以て変じないという節操が大切である。
◎二9:いまある否定的な事柄をあなたは受け入れる必要はありません。
巽在牀下。用史巫紛若。吉无咎。
下の者にもよく聴き、下意を上達し(史)、上意を下達(巫)、うるさいことも厭わずに誠をつくしてゆけば吉。咎はない。
◎三 9 :おだやかにして信頼していれば力を得る。
頻巽。吝。
あまりおとなしすぎてもよくない。主張する所は進んで行わねばならない。
◎四 6 :あなたは新しい計画を立て、それに情熱を注ぎなさい。
悔亡。田獲三品。
下を容れ、上を輔けてゆけば悔いはない。田(かり)して三品(神用・客用・主用のものを言う)の獲物のある所である。
◎五9:あなたはあなたの王である。王に従いなさい。
貞吉。悔亡。无不利。无初有終。先庚三日、後庚三日。吉。
中正を守ってゆけば吉。利(よ)からぬことはない。初めは何だか頼りなくとも、終わりはよろしい。先庚三日、後庚三日、吉(象辞)とあるが、庚は更新の意を含み、先庚三日は五行によるに丁にあたり、後庚三日は癸にあたる。癸は揆(はか)ることで、因循姑息にならぬよう、更新してゆかねばならぬが、飽くまで丁重に、よく研究協議してゆけば吉。
◎上9:すべての原因はあなた自身の中にあったのです。
巽在牀下。喪其資斧。貞凶。
巽の極、いつまでも不自然な柔順迎合の態度を取っていると、持ち物も権威も失ってしまう結果になる。凶。
「マーフィの易い」 J. マーフィ(昭和 61 年、産能大学出版部)を参照しています。