たぶん五年前に職場で大事に育てられ大輪を咲かせた空色朝顔、ヘブンリーブルー。
(もちろん大事に育てたのはわたくしではありません)
その種を摘み、自分の家の土に播いたのも五年前の夏の終わり。
咲き終え膨らんだ麻色の種袋から黒い種子をつまんでいると
それを職場で丹精していた当人から 「この種類は」
「咲いた種を取っても今年のようには咲かないよ」「一代だけの花なんだ」
「この花をまた見たいならこの種じゃなくて」「新しいの買ってきて植えないと」
と言われたがヘブンリーブルー、「いいんです。大きく咲かなくても」
そう答えて掌の種を持ち帰った。
その人の言うとおりか言うとおりでないのか判別できないほど、
次の夏、その種は私の家で伸びて大きな花を咲かせた。
きっと径をはかれば一代目よりは少し小さかったのかもしれないけれど私にはじゅうぶんだった。
美しかった。
そしてその翌年、種を落としっぱなしにしてまた花が咲いた。
そしてまた翌年、そしてまた・・・。
少しずつ丹精人の言葉が目に見えてきた。
今年。
ヘブンリーブルーはまだこんなである。
夏は、もう来ている。
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