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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(4) 【 ポップ偏差値 61 】JACK COSTANZO (EDDIE CANO参加) / Malaguena '58 「LATIN FEVER」シカゴ出身で小型太鼓ボンゴの有名なプレイヤー、ジャック・コスタンゾの1958年のアルバム「LATIN FEVER」収録曲。メキシコ出身のJosé Conrado de Tovarによる1928年のインスト曲のカバー。「マラゲーニャ」というのはスペインの民族舞踏を指す言葉のようですが、本カバーはラテンジャズ仕様での作品。本アルバムにはピアノにエディ・カノがゲスト参加しており、当ブログ激推しの熱いラテングルーヴ EDDIE CANO / I CAN'T CRY ANYMORE級のスーパープレイを探し回っている中で出会いました。基本は暗めのサルサ風味のラテン・ジャズ。ボンゴやパーカッションが激しく鳴り響く熱く黒いリズムが特徴的。インスト曲なので主役はエディ・カノによるピアノになりますが、主旋律を奏でると同時に打楽器群と一体となりパーカッシブな役割も担っている感じ。「I CAN'T CRY ANYMORE」ほど美メロかつキャッチーな内容ではないけれど、ぐいぐいと先導していく高速ピアノはここでも健在。全体としてこれが1958年製?と疑いたくなるような先進的で熱いグルーヴを感じさせる素晴らしい出来になっています。エディ・カノ好きには溜まらない内容かと思いますがレアグルーヴ好きな方もいけるかも。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(ラテンピアノ)ポップ偏差値合計77688686561
2023.07.10
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) 2 MY FAVORITE NORTHERN SOUL 【 ノーザン偏差値 64 】GERRI GRANGER / BREAKDOWN '64 (BIGTOP 45-514) 60年代初期から活躍し1972年にはアルバムを1枚残している黒人女性歌手によるノーザンダンサー。年代的にかモータウンの影響を強く感じる内容でリズムやコーラスの入れ方など1963年のMartha Reeves & The Vandellas / Heat Waveにかなり近い雰囲気。ヒートウェイブと比べると暗くいまいちキャッチーさに欠けるが、スピード感やグルーヴ感はなかなかのもの。颯爽とした感じにクールな歌いっぷりは万人受けはしないだろうけど如何にもノーザン狂好みという感じ。なお、1966年にMillionairesによるカバーが出ています。「YOU TUBE」で聴けます。Millionaires / Breakdown明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器快活さボーナス(クール)ノーザン偏差値合計77788688564
2023.07.03
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ウォール・オブ・サウンド 音壁の世界(1) THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(1) 【 ポップ偏差値 80 】中島みゆき / 悪女 (2021 ウォール・オブ・サウンド・バージョン) '21 演奏・編曲・プロデュース/@otokabe_master【原曲】歌・作詞・作曲/中島みゆき 編曲/船山基紀【2021 ウォール・オブ・サウンド・バージョン】歌/中島みゆき 演奏・編曲・プロデュース/@otokabe_master 往年の大ヒット曲で中島みゆきの代表曲を2021年に新たにウォール・オブ・サウンド・バージョンとして作成したバージョン。ヴォーカルだけ抽出し新たなアレンジのもとサウンドは全て新規録音されたもので、所謂二次創作にあたる非公式・未公認の楽曲となります。ポップ偏差値上限75とその限界を超える音楽にも書きましたが、本曲は約18年かけて1600曲以上紹介してきた当ブログにおける偏差値の上限である75を遥かに超越する偏差値80の曲、つまり個人的には現存するあらゆるポピュラーミュージックの最頂点に立つ史上最強の曲と評価しています。本曲のオリジナルは1981年に発表されたシングル曲。ジャンル的にはいわゆるフォークソングで、泣かせる歌詞に稀代のメロディメーカー中島みゆきによる日本人の琴線に触れまくりな情緒的でキャッチーなメロディ、アコースティックで繊細なサウンドが特徴的です。また船山基紀氏によると思われるエコー感のあるピアノの音色も大きな魅力となっており、そこはこの曲の持つウォール・オブ・サウンド(音壁)的側面でもありました。個人的にも長年愛聴してきた大好きな曲でありましたが、音壁的側面が垣間見えるゆえに「この曲が本格的に音壁化されたらどんなに素晴らしいことだろう」という想いが長年の間蓄積しておりました。曲自身が長年音壁化を待っていた・・・と考えるのはロマンチック過ぎるでしょうか。(船山基紀氏は本ブログで、やはり音壁なアイドル名曲「荻野目洋子 / 2Bの鉛筆」と「若林加奈 / COOL~アナタガタリナイ~」が既出です。)@otokabe_master氏の手による本曲はオリジナルの静かでアコースティックな曲調とは異なり、超ド派手なウォール・オブ・サウンド仕様。しっかりとしたリズムを刻むドラムとエレキベースが入る点がオリジナルと大きく異なり、一聴すると軽快なロック調です。他にもピアノ、ハープシコード、アコギ、12弦ギター、エレキギター、ストリングス、ティンパニ、グロッケン、スレイベル、カスタネット、タンバリン、ヴィブラスラップ等、高音域~低音域まで幅広く様々な楽器が配備され、将に怒涛の如く分厚い音の壁が迫って来る内容。これだけ多くの楽器が使われているという事実だけでも気合の入り具合がお分かり頂けるのでは.ピアノが高らかに鳴り響き始まるイントロは、軽やかに響くカスタネットの連打音を伴い実に華やかで、いきなり音壁全開です。基本、切なく胸をうつピアノのフレーズはオリジナルを踏襲していますが、全編通してエコー感たっぷりに様々な表情で軽快に鳴り響き、アコギに取って代わって効果的に主役的役割を果たしています。比較的おとなしめのAメロでは綿密に練られた綺麗に響き渡るカスタネットの音色が実に心地よい。その空間的拡がりのある繊細な響きは音壁の歴史を振り返っても最上位に位置する出来栄え。サビでは、優雅で品のよいストリングスや軽やかでなだらかなピアノ、カスタの連打音などが複合的に絡みあう華麗なサウンドをバックに中島みゆきの存在感のあるヴォーカルが映えます。メロディの出来の良さもありますが、史上屈指の厚い音壁をバックにしても全く引けを取らない彼女の歌声は流石の一言。そして圧巻なのは、間奏のピアノの切なくも深く心を打つフレーズ。基本はオリジナルを踏襲していますが、迫力のあるドラムやベースの重低音、流麗なストリングスなどの豪勢なウォール・オブ・サウンドを伴い、その相乗効果により実に力強く、華麗に、綺麗に鳴り響きます。それは筆舌に尽くし難い感動的な瞬間で個人的には聴くたびに胸に熱いものが込み上げると共に、ビリリと体に電流が流れてしまいます。私の音楽人生はこの間奏を聴く為にあったのか!とすら感じてしまう程素晴らしい出来で、音壁有史以来最大の聴きどころかと思います。(本曲の記事タイトルを「史上最強の」としたのは、ここでのピアノの力強い響き所以です。)鬼才フィルスペクターにより創生、発展し続けてきたウォール・オブ・サウンドですが、これまで100点満点に近い音壁はあっても、それが100点満点のメロディと結びつくことは有りませんでした。最高のメロディと最高のアレンジが絶妙な相性でピタリと噛み合う、これは技術の進歩という歴史的背景の元、二次創作だからこそ実現出来たことと言えるでしょう。@otokabe_master氏による音壁化シリーズは他にもとてつもない作品が複数あります。音源の公開を予定している作品もありますので、どうぞお楽しみに。(ご参考)ポップ偏差値上限75とその限界を超える音楽世界初公開! ビートルズをウォール・オブ・サウンドで The Beatles / No Reply (2024 Wall Of Sound Extended Version)史上最強のウォール・オブ・サウンド 中島みゆき / 悪女 (2021 ウォール・オブ・サウンド・バージョン)史上最高のウォール・オブ・サウンド 村田恵里 / オペラグラスの中でだけ (2022 ウォール・オブ・サウンド・ロング・バージョン)世界初公開 史上最高のウォール・オブ・サウンド Frankie Valli / Can't Take My Eyes off You (2022 Wall Of Sound Long Version) 世界初公開 更に爽快な音壁ロング・バージョン! The Rubettes / Sugar Baby Love (2023 Wall Of Sound Extended Version)世界初公開! 更に説得力の増したネオアコ音壁バージョン The Bluebells / I'm Falling (2021 Wall Of Sound Version)
2023.06.26
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ポップ偏差値上限75とその限界を超える音楽いつもご訪問頂いております皆様、ご愛顧どうも有難うございます。2005年9月に開設以来、曲単位で約1600曲ほど良曲を紹介してまいりましたが、当ブログではお勧め曲の推薦度合いや出来栄えを可視化するのに偏差値を使用してきました。(あくまで個人的感覚かつポップという観点から評価したものですが。)星の数とかハートマークの数などで簡単に評価する方法もありますが、それでは世にあふれる大量の良曲を紹介するのに度合いが分かりにくく、説得力も乏しいですし、幾ばくかでも客観的(に見える)で、より細かな数値化が必要と考えてのことです。ある意味それは楽曲に対して、より深く真剣に対峙し自分なりに責任をもって評価したいという気持ちの表れでもあります。結果として、当ブログにおける偏差値の最高値は75で、基本的にはこの数字を上限値としてまいりました。これまで最高値75をつけた曲は様々なジャンルで合計19曲あります。計算してみるとこれまでの人生で私は延べ約200万曲聴いてきており、その僅か0.001%、ブログで紹介した約1600曲のうちの約1%ですから、概ね妥当な分布になっているのではないかと思います。常に至極の音楽を求めて止まない私ですが、逆に考えれば、これまでの人生で出会えた極上中の極上の音楽はたった19曲しかない訳です。近年は「YOU TUBE」や音楽配信、discogsやsecondhandsongsなど便利なサイトなどの出現でより探しやすい環境となり、多くの良曲に出会い易くなりましたが、それゆえ逆に、偏差値75級の絶品曲とはもう二度と出会えないのでは?という実感もあります。そんな中数年前、私の大好きな往年の名曲で『この曲をウォール・オブ・サウンド(音壁)化したら、どんなに素晴らしい曲になるだろう?』という思いから、とあるプロのアーチストの方に駄目もとで音壁化を依頼したところ、何とご快諾頂きました。当初私は、オリジナル音源に追加で音壁的な装飾音を施して頂けたら、と思っていたのですが、『それでは(そんなぬるい手法では)音壁にならない』とのことで、サウンドは全面的に作り直して頂くことになりました。つまり往年の名曲を『ヴォーカルだけ抽出し、それ以外の全ての楽器を新規で録音』頂いた訳です。所謂、漫画などで言う二次創作、美少女フィギュアで言うところの魔改造といったところでしょうか。そうして出来上がった作品は私の想像を遥かに超える、とてつもない作品となりました。本来この世に存在するはずのない、将に禁断の音楽の誕生です。(当然ながら道義的問題・著作権の問題がありますので、その取扱いには慎重にならざるを得ません。)自分の大好きな曲が自分の好きなアーチストの方に自分の望む通りのアレンジを施してもらう、音楽マニアにとってはこれ以上に無い僥倖でありましょう。そしてそれは数値化すると、偏差値75を遥かに超えると言わざるを得ない史上空前の作品になった訳であります。そもそも技術的にヴォーカルだけ抽出するということは、数十年前までは不可能だった訳ですから、音楽においてこうした手法はまだ市民権を得ていません。然しながら急速に進化するAIなどの技術により今後はこうした二次創作が盛んに行われ、往年の名曲が様々なアレンジにより新たな魅力を吹き込まれ現代に蘇ることも多くなるのではないかと予想します。当ブログではそうして作られた楽曲の幾つかを紹介して行きたいと思いますが、それがそうした流れへの礎の一つにでもなればいいなと願います。(ご参考)史上最強のウォール・オブ・サウンド 中島みゆき / 悪女 (2021 ウォール・オブ・サウンド・バージョン)史上最高のウォール・オブ・サウンド 村田恵里 / オペラグラスの中でだけ (2022 ウォール・オブ・サウンド・ロング・バージョン)世界初公開 史上最高のウォール・オブ・サウンド Frankie Valli / Can't Take My Eyes off You (2022 Wall Of Sound Long Version) 世界初公開 更に爽快な音壁ロング・バージョン! The Rubettes / Sugar Baby Love (2023 Wall Of Sound Extended Version)世界初公開! 更に説得力の増したネオアコ音壁バージョン The Bluebells / I'm Falling (2021 Wall Of Sound Version)世界初公開! ビートルズをウォール・オブ・サウンドで The Beatles / No Reply (2024 Wall Of Sound Extended Version)
2023.06.19
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私の好きなディープソウル2 MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 67 】CODY BLACK / STRANGER THAN A FAIRY-TALE (PAMELA 7454)'6260年代から70年代にかけて主にデトロイトで活躍したディープ系歌手のシングル曲。コディ・ブラックはTHE NIGHT A STAR WAS BORNで当ブログでは既出です。彼の自作の本曲はデビューシングルということもあり、上記曲とは唱法も声質も大部異なる感じ。年代的にはソウル黎明期の1962年産ということでアレンジは全体的にあっさり味。メロディにも派手さはないけれど上質で品の良さを感じさせるもの。「おとぎ話よりも奇妙」と繰り返す歌詞にはちょっとした夢やロマンも感じさせますね。唱法としてはサムクックの影響を強く感じさせますが味があり、後半に盛り上がる箇所なんかは後のディープソウルの隆盛を予感させます。ソウル黎明期の隠れた名曲ということで。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.06.12
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洋楽スーパーポップの世界(5) 山下達郎SSB 未オンエア オールディーズ2 【 ポップ偏差値 60 】JOHNNY LEE / LOOKIN' FOR LOVE '80 1980年代を中心に活躍しアルバムを20枚以上残しているテキサス出身のカントリー歌手、ジョニーリーのシングル曲。ジョントラボルタ主演の映画「アーバン・カウボーイ」の挿入歌で再録音版など若干アレンジが異なるバージョンが存在するようです。映画の為に書かれた曲かどうかは不明ですが、世界観は近い模様。当時日本ではほとんど話題にならなかったと記憶していますが、1980年にカントリーチャートで1位を記録し、カバーも20曲ほど存在するなどカントリー界ではスタンダード化している人気曲のようです。曲はウォーキングテンポの比較的明るめのカントリー。憂いを帯びた感傷的な泣きのメロディが心に染み入ります。快活なリズムに乗って決して湿っぽい内容ではなく聴きやすいのが良い。ライブの様子を見るとジョニーリー本人もカウボーイ・ハットをかぶる等カウボーイやカントリーの世界観が濃く現れた曲という感じを受けます。古き良き時代のアメリカの良心って感じですかねえ。「YOU TUBE」で聴けます。映画の様子明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(カントリー)ポップ偏差値合計76766878560
2023.06.05
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私の好きな甘茶ソウル(11) MY FAVORITE SWEET SOUL (11)【 甘茶偏差値 64 】Different Shades of Brown / You Want Hearts and Flowers '73 (MOTOWN 1241)オハイオ出身のグループの1970年のORIGINALSのスウィートソウル・カバー。「ディファレント・シェイズ・オブ・ブラウン」は甘茶ソウル百科事典未掲載ながらマニアには人気のあるグループで、当ブログでも、2006年に発売された編集アルバムHAVE A HEART '06(MY TOWN RECORDS)と人気シングルモータウン産甘茶ソウルも濃いぞ WHEN THE HURT IS PUT BACK ON YOU (MOTOWN 1241)'73を取り上げ済みです。1973年という甘茶全盛期の作品の本曲はアレンジは名手Paul Riserで元曲を完全な甘茶仕様に変換した内容。オリジナルズのオリジナルも悪くはないが、より緊迫度と糖度が増した本曲の方がマニアには人気のようです。しっとりとしたバックに可愛らしく甘みのあるファルセット、抑制のきいたハーモニー、バリトンの切れ込み具合がバランスよく連動。個人的にはタイトルを繰り返す統制のとれたコーラスに魅了されます。メロディに胸を締め付けるというほどの甘美さはないけれど、全盛期の甘茶そしてモータウンの底力を感じさせる良曲かと思います。「YOU TUBE」で聴けます。ORIGINALS / You Want Hearts and Flowers「スウィート・ソウル・ベスト10」募集中! 皆さんの好きなスウィートソウルを紹介しあい楽しもうというページです。好きなスウィートを紹介してね!
2023.05.29
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STRICTLY ROCKERS 2(REGGAE) 53.HORACE ANDY / SHOW AND TELL '74 1973年のAl Wilsonによるソウル・ヒットの翌74年のレゲエカバー。オリジナルは憂いを帯びたよく出来たメロディに、ゆったりとしたリズム、洗練されたサウンドに勇ましい男性ヴォーカルが特徴的。本カバーは全盛期70年代のレゲエの軽やかなリズムにのせることで、フワフワとした浮遊感とエコー感が付加され更に和めるトラックになりましたね。オリジナルと比べると、かなり土埃にまみれて風化してしまったかのような古臭さを感じますが、そここそが味となっています。特に高音域の音が排除され、強調された中音域がいい塩梅に心地よく響いています。ファルセットを交えながら歌うホレイス・アンディの女性的声質やか弱い唱法も、この曲の感傷的な憂いを帯びたメロディと上手くマッチした感じ。ホレイス・アンディは当ブログで妙味あるラバーズロック COME ON & ROCK MEと絶望的な状況だからこそ PURE RANKING (GETTO STYLE)の2曲を取り上げていますが、本曲は上記2曲より更に彼の持ち味である声質・唱法がうまく生きていますね。なお、絶望感と虚無感 OTIS GAYLE / I'LL BE AROUNDで紹介済みですが、この曲も収録されているスタジオワンのコンピ「Pirates Choice」は良曲も多くオススメです。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.05.22
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音壁の世界(2) 【 ポップ偏差値 62 】DAVE EDMUNDS / BORN TO BE WITH YOU '731973年のデイブ・エドモンズによるオールディーズヒットのウォール・オブ・サウンド仕様カバー。オリジナルはロリポップのヒットで有名な1957年のChordettes版。メロディはきれいだけど落ち着いた雰囲気で時代柄でしょうが悪く言えば平坦で表現力の乏しい物足りない内容。9年後の66年のSilkie版はアコギの響きの心地よいバージョン。68年のSonny James版はそれを改良した高速カントリー。同じく68年のBrendan Dugan版、69年のKitty Wells版も似たような曲調で、この曲のカントリー風アレンジとの相性の良さを感じさせる好内容です。69年のFrankie Laineもテンポが速く、71年のJ.D. Crowe and The Kentucky Mountain Boysに至っては更に高速なバンジョー版が楽しめる。高速&カントリー風がこの曲のカバーの主流だったことが分かります。その一方で67年のParis Sisters版はサウンドに仄かなエコー感があり、これがデイブ版のヒントになったのかも知れません。デイブ・エドモンズは粒立ち鮮やか DAVE EDMUNDS / BABY I LOVE YOUでも音壁を展開しており、彼のウォール・オブ・サウンド愛と造詣は深い。本曲もエコー感のある奥行のある厚めのサウンドが素晴らしく、特に個人的には全編通して鳴り響くカスタネットが好印象。このバージョンはイギリスでもヒットしていて、エレキギターが多く入るなど全体としてロック色の濃い音壁だったのが成功の主因だったのかも。個人的には出来ればピアノを入れて もう少しポップス寄りの聴きやすい内容にして欲しかったかな。「YOU TUBE」で聴けます。Chordettes / Born to be with youSilkieSonny JamesBrendan DuganKitty WellsFrankie LaineJ.D. Crowe and The Kentucky Mountain BoysParis Sisters
2023.05.15
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ギターポップ推薦曲(4) 【 もうすぐランクイン 】ORANGE JUICE / CONSOLATION PRIZE '82 「YOU CAN'T HIDE YOUR LOVE FOREVER」史上初のネオアコ・アルバムであるORANGE JUICEの「YOU CAN'T HIDE YOUR LOVE FOREVER」は、当ブログでも既に何曲も取り上げている名盤中の名盤ですが、「FALLING AND LAUGHING」、「TENDER OBJECT」、「DYING DAY」といった傑作以外にも彼ららしい良曲はまだまだ有ります。残念賞というタイトルの本曲も彼らの持つ弱弱しさや痛みを感じさせる内容。明るめで和める雰囲気の曲調で上記3曲より痛みは大部和らいでいるけど本質は同じかと。サウンド的にはエンディングで突如アップテンポに攻めに転じる姿勢が素晴らしい。ここで「I'LL NEVER BE MAN ENOUGH FOR YOU」と繰り返しながら曲は終わるんだけど、何とも物悲しい彼ららしい表現だなと思いますね。因みに二匹のイルカが飛び跳ねる爽やかで瑞々しいジャケで有名なアルバムでもあるけど、ダブルジャケット盤の見開の小松崎茂氏による「イルカがせめてきたぞっ」の絵では その二匹が一転して攻めに転じており、イルカの持つ凶暴な一面が垣間見えて味わい深い。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.05.08
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見栄講座 音楽編 見栄講座 音楽編 ベスト5 思いっきり見栄を張りたい方に朗報! インスタ等で思いっきり見栄を張りたい方に朗報!音楽を見栄を張るための道具として捉え、『私は知力も高く、センスもバッチリなのよ』とライバルに差をつける音楽は何なのか?バブル前夜にヒットしたホイチョイプロダクションによる著作『見栄講座』を参考に、その音楽編をベスト5形式で考えてみた。1.SCRITTI POLITTI / JACQUES DERRIDA '82イギリスのNEW WAVEバンドで「政治的な文書」を意味する造語がバンド名。この12インチのタイトルはポスト構造主義の代表的哲学者ジャック・デリダを歌ったものである。浅田彰、岡崎京子ご用達である(本当)。高学歴で知性の高さセンスの良さを匂わせたいならこの12インチ盤をさりげなくインスタ画像の隅に忍ばせたいものである。2.BRIAN ENO / ANOTHER GREEN WORLD '75環境音楽の第一人者として知られ如何にも高尚であるが、「アナザー・グリーン・ワールド」など環境音楽以前の作品には俗世離れした仙人的魅力に満ちた作品を多数残している。環境音楽の『ミュージック・フォー・エアポーツ』も映えるが本作収録の「Golden Hours」などを流してライバルに天と地ほどの差を見せつけたい。「ENO IS GOD」イーノの達観性とは?3.CAL TJADER / LA ONDA VA BIEN '80アメリカのヴィブラフォン奏者カル・ジェイダーのインストアルバム。同アルバム収録の「Mambo Mindoro」は情熱と冷静さが混在する大人の知的で洗練された異世界マンボ。音楽として実にクリエイティブな作品だがマニアックな内容で敷居も高い。TJADERという綴りが素人には判読が難しいのも高ポイント。独創的な異世界マンボ Cal Tjader / Mambo Mindoro 「La Onda Va Bien」'804.JOY DIVISION / CLOSER '80ジョイ・ディビジョンは80年代に活躍したNEW WAVEバンド。ヴォーカルのイアンカーティスが自殺してしまったことで有名。同アルバム収録曲は「THE ETERNAL」など崇高で将に死線ギリギリといった渾身の曲が複数収録されている。自殺といった特異性もあり、その相乗効果でライバルを圧倒したい。第15回セレクト 真夜中に聴きたい音楽 「オヤジ涅槃」 zouky's select5.小沢健二 / 犬は吠えるがキャラバンは進む '93あまりマニアックな音楽だとそもそもライバルが気づかない可能性も高い。少しユルめのライバルに見栄を張りたいなら、東京大学卒の小沢健二辺りが適当だろう。叔父に小沢征爾もいるし、実際に高学歴女子アナ小宮悦子も大ファンだそうな。特に1stアルバムの本作は村上春樹のような少し難解で長いアルバムタイトルが如何にも知性派っぽくて良い。
2023.05.01
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私の好きな甘茶ソウル(11) MY FAVORITE SWEET SOUL (11)【 甘茶偏差値 64 】RELATIONS / DON'T LET ME DOWN THIS WEEKEND '71ニューヨーク出身の黒人ヴォーカルグループの1971年の甘茶ソウル。63年に4枚のシングルを残しているKac-TiesというDOO-WOPグループが前身のようで、1963年から1972年にかけて6枚のシングルを残している。そういった背景からもソウルというよりもDOO-WOPの面影が濃く残る作品のようです。簡素なサウンドをバックに甘く切ないメロディを歌うリードにコーラスが複合的に絡むスタイル。時折ファルセットを交えながら徐々に盛り上がっていきます。ちょっとエンジンのかかりが遅い嫌いはありますが、タイトルを歌うサビのメロディはなかなかの出来。特筆すべきはそのサビを盛り上げる由紀さおり張りの情緒的でキャッチーなスキャットコーラスでどこか郷愁を誘う、あるいは古き良き時代を懐かしむような気持ちにさせてくれます。全体として垢ぬけない感じはしますが、古き良きドゥーワップの時代を彷彿させる良曲かと思います。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.04.24
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(3) 【 ポップ偏差値 64 】CAROL DOUGLAS / SO YOU WIN AGAIN '78 「Burnin'」1977年のイギリスの白黒混合バンドHOT CHOCOLATEによるヒット曲の女性ディスコ歌手によるカバー。1978年のアルバム「Burnin'」収録。オリジナルはアメリカでは大ヒットしておらず知名度は低そうですがイギリスでは1位のヒットとなっており、派手さはないものの憂いを帯びた物悲しいメロディがキャッチーでなかなか心に染み入る曲。サビの一部など男性の合唱スタイルで歌われる箇所が勇ましさの中にも優しさを感じさせます。キャロル・ダグラスはフリーソウルコンピに「I WANT TO STAY WHITH YOU」と「DANCING QUEEN」が収録されるなどディスコ系歌手として持て囃される感がありますが、本曲ではしっとりと歌われることによりソウル歌手としても本領発揮という感じ。Michael Zagerによるアレンジはオリジナル以上に垢ぬけた雰囲気でフィリーソウルっぽい品の良さに好感が持てます。軽やかなリズムに爽やかな女性ソロということで将にフリーソウルコンピ収録にうってつけと感じますが残念ながら未収録。このイントロを聴いて痺れないフリーソウルファンはいないであろう名曲です。「YOU TUBE」で聴けます。HOT CHOCOLATE / So You Win Again
2023.04.17
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) MY FAVORITE NORTHERN SOUL 【 ノーザン偏差値 64 】Outsiders / Respectable '66Time Won't Let Meのヒットを持つオハイオ州の白人ロックグループ、アウトサイダーズのノーザンダンサー。オリジナルは1959年のアイズレーブラザーズのR&Bヒットで、それをTime Won't Let Me風に焼き直した感じ。アイズレーの古く泥臭いR&Bをスマートで垢ぬけたカバーに仕上げた点ではビートルズのツイスト&シャウトを彷彿させますね。暴力的で激しいビートでスピード感が増し、粗削りで瑞々しさを感じさせる仕上がりは将にノーザンフロアに最適という感じ。他にもCHANTS,FOURMOST,YARDBIRDSなどがカバーしてますが、このバージョンが抜けて良い。「YOU TUBE」で聴けます。Isley Brothers / Respectable明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器快活さボーナス(スマート)ノーザン偏差値合計88777688564
2023.04.10
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私の好きなディープソウル2 MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 67 】J. BLACKFOOT / TAXI '83 「City Slicker」 米南部テネシー州出身で元ソウルチルドレンのディープ歌手、J. BLACKFOOTの1983年のヒット曲。曲名がタクシーということで将にタクシーへ呼びかけるスタイルの曲構成のディープバラード。効果音を交え臨場感のある内容はなかなかドラマチック。メロディの出来も良くかなりキャッチーで、ディープソウルの入門編としてもお勧めできますね。曲は「Johnnie Taylor / Separation Line」や「Luther Ingram / If Loving You Is Wrong」を書いたHomer Banksが作っているのは納得です。これだけの名曲ですが、意外にカバーは少ないようで見つかったのは下記の3曲で出来もいまいち。尚、P-Vineからの編集盤ではアルバムタイトルになっていますが、ジャケは何故か渋谷駅前のスクランブル交差点のアメリカ仕様なのが面白い。「YOU TUBE」で聴けます。Bryan Ferry / TAXISir Charles Jones / TAXIANNE LE SEAR / TAKE HIM BACK
2023.04.03
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STRICTLY ROCKERS 2(REGGAE) 52.HEPTONES / SEA OF LOVE '68 「ON TOP」レゲエを代表する偉大なコーラスグループ、ヘプトーンズの初期レゲエのオールディーズ・カバー。1968年のアナログアルバム「ON TOP」収録。(CD収録版はコーラス入りでいまいちなので注意)オリジナルは1959年のPhil Phillips with The Twilightsの小ヒット。secondhandsongsによると66ものカバーが存在。一番有名なのが1984年にヒットしたHoneydrippers版でしょうか。他にもB.J. ThomasやHorace Andy、Dennis Brownといったレゲエ勢もカバーしています。タイトルに海とつくイメージ通り、浜辺で海を見ながら恋人との想い出を懐かしむような曲でしょうか、のんびりとした曲調で実に和めるムード。ノスタルジックで少し物悲しい雰囲気のAメロのラインも良いけれど、懐かしい想いがこみあげて来るかのようなサビの盛り上がりが素晴らしい。ヘプトーンズ版は初期レゲエの純朴なムードに簡素ながら歯切れのよいトラックがオリジナルの雰囲気にピタリとマッチしていて将に嵌り曲という感じ。この曲の最良バージョンだと思います。個人的には若い頃日光浴をするのに愛聴していましたが、やはり南国リゾートの浜辺やプールサイドなどでまったり和むのに適した曲かと思います。「YOU TUBE」で聴けます。Honeydrippers / Sea of Love
2023.03.27
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洋楽スーパーポップの世界(4) 山下達郎SSB 未オンエア オールディーズ 【 ポップ偏差値 62 】LESLEY GORE / BABY THAT'S ME '651960年代に活躍したアメリカのアイドル女性歌手レスリーゴーアの1965年のアルバム「My Town, My Guy & Me」収録曲。Jackie DeShannonとJack Nitzscheの共作でオリジナルは1964年の女性グループのFashionsで本作はそのカバーということになります。良曲ながら本曲のカバーは少ないのですが、何と言っても1967年のThe Cakeによるウォール・オブ・サウンド仕様のカバーがマニアには有名で、山下達郎SSBでも何度も紹介されていますね(LESLEY GORE版は未)。当ブログでも重厚で奥行のある神々しいサウンド The Cake / BABY THAT'S MEとして紹介済みです。レスリー版は音壁仕様ではないものの、曲の出来としてはThe Cake版に勝るとも劣らなく素晴らしい。しっとりとした物悲しい曲調に合ったレスリーの歌唱は、丁寧に丹精込めて歌いこまれていますが、特にねっとりと粘着質に唄われている点が心に染み入ります。また微妙に音程を外しているのか、その豊かな表現力も特筆すべき点ですね。サウンドも派手さはないけれど、なかなかのもの。特に間奏のストリングスの優雅ながらも物悲しい響きは素晴らしい。本作もThe Cake版同様のウォール・オブ・サウンド仕様だったらどんな感じになったことでしょう。「YOU TUBE」で聴けます。The Cake / BABY THAT'S MEParis Sisters / Baby That's Me儚く切ない女性版名カバー LESLEY GORE / YOUNG LOVE
2023.03.20
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音壁の世界(3) アイドルポップの世界(5) 【もうすぐランクイン】江崎まり / クリスマスに間にあわない! '91 作曲小森田実 編曲新川博 「愛しにきてね」1991年に2枚のアルバムを発表し、ひっそり消えてしまったアイドル歌手の音壁曲。91年のCD「愛しにきてね」収録。SONYのアイドル・ミラクルバイブルシリーズコンピ「アイドルはM」にも収録された。編曲は当ブログでもお馴染みの音壁職人、新川博氏でアイドル音壁大作の「中嶋美智代 / 泣いていいよ」をはじめ、「中嶋美智代 / 日記の鍵貸します」、志村香 / 秋風はあなた、ERI(菅井えり) / 恋はドーナツショップで、オレンジ・シスターズ / サマー・ホリデー等数多くの良曲を既に紹介しています。本曲も基本はクリスマスをテーマにしたアイドルポップですが、しっかりとしたウォール・オブ・サウンド仕様。明るくキャッチーなメロディに、爽やかで派手目のコーラスが特徴的。音壁的にはカスタネットの響きが目立つぐらいですが、良質で気合の入った新川博氏のよるアイドル音壁の一つと言えるでしょう。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.03.13
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私の好きな甘茶ソウル(10) MY FAVORITE SWEET SOUL (10)【 甘茶偏差値 65 】Sylvia and Ralfi Pagan / Soul je t'aime (Long Version) '73 「Sweet Stuff」1969年に世界的ヒットとなったSerge Gainsbourg & Jane Birkinによる官能ソングのソウル・カバー。性交中の男女が自らの肉体の状態を描写する歌詞に女性の喘ぎ声が挿入されるという内容。secondhandsongsによるとオリジナルは1966年のMichel Colombierによるインスト版とのことで、世界中で119ものカバーが存在する。Donna Summerによるディスコもの、Psychic TVによるサイケものなど様々だが、Paul MauriatやCaravelliといったオーケストラ・カバーがオリジナルの良さを損なうことなく上品に仕上げた好内容でお勧めです。1973年にRalfi Paganとのデュエットでカバーしたのが、ニュージャージー・ソウルの女帝シルビア。その官能的内容からエロティックなソウルを得意とするシルビアがカバーしたのは必然といった感じですね。バーキン版同様オルガンの清らかながらも物悲しい響きが特徴的で、悠久の時の流れを感じさせるかのようなゆったりとした曲調により、過激な性的内容であるにもかかわらず実にリラックスに適した出来となっています。さほどバーキン版と違った独自性を打ち出した訳ではないけれど、ソウルファン向けでエロティックなムードに浸りたい時などに良いのではないでしょうか。なお、日本盤や後の再発盤のアルバムSweet Stuffにはロングバージョンが収録されています。後半のインストパートが長いので、この曲の良さがより活きた内容でお勧めです。「YOU TUBE」で聴けます。Serge Gainsbourg & Jane Birkin / Je t'aime... moi non plusCaravelli / Je t'aime... moi non plus
2023.03.06
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ギターポップ推薦曲(1) 【 ポップ偏差値 69 】フリッパーズギター / SENDING TO YOUR HEART '89 「海へ行くつもりじゃなかった」 FLIPPER'S GUITARの1STアルバム収録のネオアコ曲。1STは既に取り上げているボーイズ,トリコに火を放つ、すてきなジョイライド、やがて鐘が鳴るなど偏差値70級の超凄名曲が勢ぞろいしている個人的にポップス史上最高のアルバムだと思っていますが、この曲もそうした名曲群の一つ。基本は元気でスピード感のあるギターポップで、元ネタ的にやはりネオアコを代表する歴史的名曲究極の青春ポップ AZTEC CAMERA / PILLAR TO POSTの影響がかなり強い。いきなりテンションの高いサビから始まる箇所、ギターのカッティングなどなど。ネオアコ好きなら誰でも憧れるバンドでしょうから、フリッパーズギターがアズテックカメラに敬意を示し、そのオマージュを作成した気持ちは自分のことのように実感できます。特筆すべきはアズテックを完全に咀嚼、消化、吸収し完全に自分たちのネオアコとして完成度の高い魅力的な別曲として作り上げているところですね。小山田圭吾の可愛らしい声質、気恥ずかしくなるような青臭さ漂う、然しながら瑞々しいメロディなどなど。曲の最後では、やはりAZTEC CAMERAの「THE BOY WONDERS」ネタを披露しています。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(疾走感)ポップ偏差値合計897779710569「YOU TUBE」で聴けます。Live at 渋谷クアトロ 1990.01.16(希少なライブ映像)おまけ画像は、江口寿史氏による漫画。それぞれ、「THIS IS ROCK!!」、「犬の日記、くさいはなし、その他の短篇」に収録。
2023.02.27
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(4) 【もうすぐランクイン】Baja Marimba Band / Red Roses for a Blue Lady '65 「Rides Again」1960年代中心に活躍したアメリカのバハ・マリンバ・バンドの1965年のアルバム「Rides Again」収録曲。バハ・マリンバ・バンドのユリウス ウェヒターは元々はハーブ・アルパートと一緒にやっていたティファナ・ブラスのリーダーだった人で並行してBaja Marimba Bandのリーダーもやっていたようです。因みにマリンバというのは木琴みたいな打楽器のこと。オリジナルは戦後間もない1948年のJohn Laurenz withのポピュラーヒット。secondhandsongsによると158ものカバーが存在します。有名どころではAndy WilliamsやPaul Anka、Walter Wanderleyなどがカバーしてますが、個人的には大滝詠一がSSBでオンエアしたBert Kaempfert and His Orchestra版でこの曲のことを知りました。どこか懐かしい郷愁を誘うような甘く上品なメロディが特徴的ですね。バハ版はBert Kaempfert版同様のインストで、軽やかなリズムに甘くエレガントなピアノの響きが良い感じ。ゆったりとした雰囲気はどこかボサノバのようなリラックス効果を感じます。そして最大の聴きどころはマリンバの音色。上品さが際立つこの曲本来の持ち味に隠し味的に添えられたマリンバの可愛らしい音色によりポップで親しみやすい希少なバージョンに仕上がったように思えます。フリーソウルというよりCAFE APRES-MIDIのコンピに収録されていてもおかしくない内容と出来かと。「YOU TUBE」で聴けます。Andy Williams版(歌入り)Walter Wanderley版Bert Kaempfert and His Orchestra版
2023.02.20
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) 【 ノーザン偏差値 64 】Aretha Franklin / Old Landmark '72 「Amazing Grace」古くから歌われているゴスペル曲のアレサ・フランクリンによるライブ・カバー。ゴスペルというと静かに祈りを捧げるバラードタイプの曲という印象が強いけど、この曲のように踊り狂いながら歌うタイプの曲もある。このバージョンはJames Cleveland & The Southern California Community Choirというコーラス隊を伴い、ロサンジェルスの教会で演奏された実況中継版ということになります。基本はテンポの速いダンス・ミュージックでアレサとコーラス隊との掛け合いでどんどん盛り上がっていくもの。グルーヴィなリズムに手拍子を伴い、ライブならではの臨場感とアレサのソウルフルなヴォーカルが素晴らしい。特筆すべきは2分23秒からのピアノの演奏で流麗かつスピーディに畳みかける感じが素晴らしく最大の聴きどころ。所謂ノーザンダンサーとしてクラブでプレイされていてもおかしくない内容かと思います。他にも映画ブルースブラザーズ内でやはりJames Cleveland Choirを伴いJames Brownがカバーしています。狂乱のダンスが楽しいけど、これ本当に神様とやらに祈りを捧げてるの?賛美の名目だけど実は単に踊って楽しんでるだけなのでは?ってツッコむ場面なのかも。(尚、本記事は宗教を肯定、推奨するものではありません。)「YOU TUBE」で聴けます。Aretha Franklin / Old Landmark(別ライブ映像)
2023.02.13
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ラバーズロック(2) 【 ラヴァーズ偏差値 60 】Sister Audrey / DAYLIGHT & DARKNESS '88 「Breaking The Barriers With Sound Vol.1」 ブラックミュージック界の大御所Smokey Robinsonの自作曲で1978年のアルバム「Love Breeze」収録のスウィートソウルのレゲエ・カバー。オリジナルは「光と闇」という謎めいたタイトル通り、すこし神秘的な雰囲気の物静かな内容。派手さはないが気怠く甘い歌唱とメロディの良さでこれもまたスモーキーの代表曲の一つと言えるでしょう。ARIWA版カバーは歌姫シスター・オードリーによるもので、もちろんプロデュースは我らがマッド・プロフェッサー教授。アリワ産ラヴァーズロックはソウルのカバーが多いけど、これもまたそれら名曲の一つ。ラヴァーズ仕立てということでリズムが活き活きとし、夢心地感、浮遊感が増し心地よさが増幅されている。アリワのコンピ「Breaking The Barriers With Sound Vol.1」収録版はアルバム収録版と異なり後半にダブが接続されていて、より幻想的な雰囲気となっていて良い。12インチシングルのAA面はDaylight MIXとなっていて個人的には未聴だけど、こちらも面白そうですね。「YOU TUBE」で聴けます。Smokey Robinson / Daylight and Darkness(オリジナル)
2023.02.06
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洋楽スーパーポップの世界(5) 山下達郎SSB 未オンエア オールディーズ 【 ポップ偏差値 60 】Sinéad O'Connor / Streets of London 「Fire On Babylon」'941990年代を中心に活躍したアイルランドの女性歌手シネイド・オコナー(シンニード・オコナー)によるカバー曲。94年のCDS「Fire On Babylon」収録。オリジナルは1969年のイギリスのシンガーソングライターのフォーク歌手Ralph McTellで、1972年の再録音版がイギリスで2位とヒットしている。山下達郎SSBでは未オンエアだけど、かなりの人気曲でsecondhandsongs.comによると132曲ものカバーが存在する。個人的には1971年のMary Hopkin版が儚くか弱い女性ヴォーカルが妙味があり愛聴していたんだけど、最近Sinéad O'Connor版を聴き、より感銘を受けての取り上げです。シネイド版は極度に体温の低さを感じさせ、一聴するとまるでAI搭載のアンドロイドか何か人間でない者が歌っているかのよう。もちろんそんなことはない訳だけど、圧倒的な絶望により打ちひしがれた虚無感、しかし、その中でも垣間見える前向きな肯定感と優しさを感じさせ実に心に染み入ります。実際のところ歌詞もそのようなもののようで、その意味では歌手シネイドとこの曲の相性はバッチリだったと言えるのでは。シネイドのカバーにより、更に磨きがかかり輝きを増した名曲と言えるでしょう。「YOU TUBE」で聴けます。Ralph Mctell / Streets Of LondonMary Hopkin / Streets of London
2023.01.30
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電波ポップの世界(3) アニソンポップの世界(6) 【 ポップ偏差値 60 】アース・スター・ドリーム / とってもサファリ 作曲編曲やしきん '15「てーきゅう6期」 TVアニメ「てーきゅう6期」の主題歌の電波ソングでCDシングル収録曲。高速過ぎて頭がついていけないけど明るく楽しい雰囲気が良いアニメ。見終わってもほとんど頭に何も残らないのが玉に瑕かな。歌うは7人の声優アイドル女性グループでアニメ同様高速なのが特徴的。基本は明るく元気なポップソングだけど、「ハイ!ハイ!」といった威勢の良い掛け声や萌え声での高速唱法など電波要素が強い。特筆すべきはサビの出来の良さで、高音部で高速で展開されるメロディは実に魅力的。アニメの魅力をそのまま凝縮・具現化したかのような素晴らしい内容。ただメロディ的にはサビ以外の出来がいまいちなのが惜しい。「YOU TUBE」で聴けます。オープニングアニメで聴くぐらいがちょうどいいかも。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(高速唱法)ポップ偏差値合計88786668360
2023.01.23
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私の好きなディープソウル2 MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 64 】Quiet Elegance / After You (HI 5N-2313)'76 U.S.BDG #364掲載の1970年代に活躍した黒人女性三人組ヴォーカルグループの1976年のディープソウル。デトロイトのグループだけど、メンフィス録音でハイ・レコードからのシングル曲です。従って南部臭の漂うサザン風な空気感が特徴的で、暖かみと平和でのんびりした雰囲気が和める内容。作曲はDAN GREERですこし感傷的で物悲しい側面もあるけど、全体的に明るく快活かつキャッチーなメロディが素晴らしい。リードのFrankie Gearingの溌剌とした歌も魅力的だけど、それを盛り立てるバックの厚いコーラスも実に効果的で華がありますね。全体的にポップな仕上がりなのでサザンソウルの入門編としてもいい感じ。同じDAN GREER作でリードのFrankie Gearingのソロ作品Spinning Topも素晴らしい。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.01.16
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私の好きな甘茶ソウル(9) MY FAVORITE SWEET SOUL (9)【 甘茶偏差値 65 】PULSE / DON'T STOP THE MAGIC 12"(SILVER CLOUD 6)'8180年代初頭に3枚のシングルを残して消えたマイナーバンドのスウィートソウル。と思って調べてみると後にグループ名を変え1986年にFULL CIRCLE、1987年にFIRST CIRCLEとしてそれぞれ1枚づつアルバムを残しているファンクグループのようです。本曲は81年制作ということで洗練されたスウィート。ファルセットリードでコーラスを伴い甘く情緒的なメロディを歌い上げます。70年代の香りはほのかに感じさせる程度で過剰な甘さはなく、爽やかで適度に抑制された初心者にも聴きやすいバラードという感じ。後半のリードの我を忘れたかのような盛り上がりはなかなかのもので、この路線で活躍し続けていてくれたらと思いますね。曲名に「マジック」とつくスウィートには良曲が多いですが、これもその好例と言えるでしょう。「YOU TUBE」で聴けます。
2023.01.09
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音壁の世界(2) 【 ポップ偏差値 63 】須藤薫 / つのる想い 作曲篠原太郎 編曲小西康陽 '891980年代を中心に活躍した女性歌手、須藤薫の1989年のシングルでウォール・オブ・サウンド仕様曲。日本産ウォール・オブ・サウンド・コンピ「音壁ジャパン」にも収録されていた。プロデュースは元ピチカートファイヴの小西康陽で、当ブログでは小泉今日子のハリーラブ、東京ディスコナイトのプロデューサーとして既出です。本曲も意識高い系プロデューサーの本領発揮という感じで手加減なしの怒涛のウォール・オブ・サウンドを展開しています。本家フィルスペクターによるライチャスブラザーズやティナターナーでもバラードにおけるウォール・オブ・サウンドの有用性は証明されていた訳ですが、この壮大なバラードでは更に音壁を深めた感じ。これ実験?と思わせるほど派手に重低音を効かせたサウンドは音壁的に実に心地よい。メロディも悪くはないけどサビの絶唱の繰り返しはちょっとクドい感じがします。どうせなら、もう少しインスト色を強めてよりウォール・オブ・サウンドを堪能し易い内容にして欲しかったかも。何れにしても本曲の音壁の厚さと出来の良さは世界的にみても稀有と言えるでしょう。個人的に小西康陽氏のかかわってきた楽曲は積極的に聴いたことがなかったのだけど探せばもっと良質な音壁が存在するのかも知れませんね。(お勧めの音壁曲がありましたら是非教えてください。)「YOU TUBE」で聴けます。
2023.01.02
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) MY FAVORITE NORTHERN SOUL 【 ノーザン偏差値 64 】Martha Reeves & The Vandellas / In My Lonely Room '64(TAMLA MOTOWN TME 2009)モータウンのガールグループ、マーサ・リーヴス&ザ・ヴァンデラスの1964年のヒット曲。既に「Heat Wave」も取り上げ済みですが、こちらもHolland–Dozier–Hollandチームによる制作で将にモータウンを代表するノーザンダンサー。軽快ながらもグルーヴィで厚いサウンドに爽快な高揚感のあるコーラスがかぶり実に華やか。更に手拍子の採用により臨場感が増し親しみ易さも感じる。1961年の「Marvelettes / Please Mr. Postman」でも手拍子が部分的に入っていたけれど、本曲では大幅に取り入れることでかなりのグルーヴ感を増すことに成功した感じ。(関係ないけど「BEATLES / I WANT TO HOLD YOUR HAND」の手拍子はマーヴェレッツ版の影響という感じがします。)手拍子はグルーヴィなノーザンダンサーにおいてはとても効果的で重要な要素の一つですね。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(手拍子)ノーザン偏差値合計87878777564
2022.12.26
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CAFE APRES-MIDI ベスト10 【 ポップ偏差値 67 】Gimmicks / COCO-LOCO SAMBA '70 「In Acapulco」1960年代後半から1970年代中期に渡って活躍したスウェーデンの7人組バンドの1971年のアルバム「In Acapulco」収録曲。(Cafe Apres-midiコンピでは「Lilas」に収録)同アルバムにはWaveやMas Que Nadaといったブラジルの名曲カバーが収録されていますが、このココロコ・サンバも曲名通りブラジルのサンバを狙った曲。作詞作曲にあるBernt Egerbladというのはスウェーデンのピアニストで、A.Strandellというのはギミックスの女性メンバーのANITA STRANDELLのことのようなので彼らのオリジナル曲の模様。要は北欧の白人がブラジルのサンバを実現させたことになりますが、白人とは思えないほどグルーヴィでいいですね。メロディも明るく爽やかで出来が良く、すこし憂いを帯びたメロディはSamba De Orfeu辺りに通じる品の良さも感じさせます。テンポの速いスキャット中心の曲ということで仕上がりも実に瑞々しくポップ&キャッチー。ココロコというタイトルが気になって調べてみたんですが、いろいろんな言語で使われていて意味も複数あり特定出来ませんでした。「頭がおかしい」という意味っぽい気もしますが、曲調と合わないですよね。歌詞をしっかり聞き取れば分かるのかも知れません。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディサウンド瑞々しさボーナス(スキャット)ポップ偏差値合計77888987567
2022.12.19
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洋楽スーパーポップの世界(6) 【もうすぐランクイン】Rosetta Stone / (If Paradise Is) Half As Nice(二人のパラダイス) '77当ブログ激推しのキング・オブ・ポップ・グループ、ベイ・シティー・ローラーズに一時期在籍していたイアン・ミッチェルが結成したイギリスのアイドルバンド、ロゼッタストーンの2NDシングル曲。当時のBCR人気に便乗という感じで、「二人のパラダイス」として日本盤も出てました。オリジナルは1968年のイタリアのグループLa Ragazza 77によるIl paradiso della vitaでイタリア語のバージョン。これを1969年に(If Paradise Is) Half as NiceとしてイギリスのバンドAmen Cornerが英語変換してカバー。そしてこのバージョンをカバーしたのがロゼッタストーンということになる模様。オリジナルやエーメン・コーナー版はゆったりした曲調でメロディの良さは際立つもののいまいちキャッチーさに欠ける感じ。それに対しロゼッタストーン版はヴォーカルの瑞々しさとポップなアレンジでかなりキャッチーな出来に仕上がっている。奥深い内容ではないけれど、まさにBCR路線追随による成功という感じで個人的にはこの曲の最良バージョンだと思います。ただ二流アイドルグループの性という感じで人気凋落と共にこの曲が脚光を浴びることは二度となかったし、今後もその気配なしという感じで歴史のかなたに埋没してしまったのが寂しい。いつか再び発掘されるといいですね。「YOU TUBE」で聴けます。La Ragazza 77 / Il paradiso della vita オリジナルAmen Corner / (If Paradise Is) Half as NiceDebutantes / (If Paradise Is) Half As Nice もなかなかポップ。
2022.12.12
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アイドルポップの世界(4) 【 ポップ偏差値 60 】榊原郁恵 / 微笑日記 作曲佐々木勉 編曲若草恵 '791970年代後期から1980年代中期までアイドル歌手として活躍した榊原郁恵の1979年のシングル曲。榊原郁恵というと明るく元気なキャラクターを生かし夏のお嬢さんなどアイドルポップ良曲も複数残しているけど、ちょっとコミカルなイメージがあり個人的にはあまり評価は高くない。然しながら彼女の幾つかの楽曲を制作している佐々木勉氏によるこのバラードはなかなかの出来。ポップな内容ではないけれど、情緒的な甘く切ないメロディが胸をうつ良曲です。曲調からすると演歌的な歌唱やもっと情感を込めた唱法の方が合っていそうだけど、榊原郁恵の明るく乾いた声質とさらっとした歌唱により湿り過ぎずにアイドルポップとしてうまく嵌ったと言えそう。ポップな彼女のイメージとかけ離れた楽曲ということであまり目立たない曲だけど、アイドル系バラードとしてかなりいい線いってると思います。「YOU TUBE」で聴けます。
2022.12.05
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ラバーズロック(2) 【 ラヴァーズ偏差値 62 】RUDDY THOMAS / MERCY MERCY ME '83 「Reggae By Ruddy Thomas」収録Marvin Gayeの1971年の名曲「MERCY MERCY ME」のレゲエカバー。歌うは甘めの歌ものを得意とするルディ・トーマスで当ブログでは既にREFLECTIONSとSTRANGER IN LOVEを取り上げ済みです。こうしてみるとカバーばかりだけど、彼の真骨頂は甘めの名曲をより甘く仕上げることにある感じで、ご本人も敢えてオリジナルで勝負しようと思わず割り切っているのかも。その心意気良しですね。曲はオリジナルより少しゆったりとした和めるラヴァーズロック。プロデュースはTAPPER ZUKIE、アレンジはWILLY LINDOということでポップで聴きやすく、かつオリジナルのもつ爽やかさを損なわない品のある内容に仕上がってます。secondhandsongs.comによるとこの曲のカバーは74曲も存在しますが、レゲエのリズムに乗ったことでオリジナルより更に浮遊感を増したアレンジが素晴らしく、個人的にはこの曲がベストアレンジ。「YOU TUBE」で聴けます。
2022.11.28
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私の好きな甘茶ソウル(9) MY FAVORITE SWEET SOUL (9)【 甘茶偏差値 65 】N.G.S.(National Groove Society)/ I'LL MAKE YOU MY WOMAN (DARAN 226)シングルを1枚だけ出して消えてしまった「全国グルーヴ協会」という如何にも胡散臭い名前の謎のグループのスウィートソウル。名前はアレだけど作品は王道、正統派の甘茶です。調べてみると90年に同じDARANレコードから「Next Life Time」というアルバムを出しているRichard Popeという人のグループらしい。本曲も同アルバムで再演されているようなのでマニアは要チェック!(かなりレアっぽい) DARANはシカゴのレーベルのようでRichard Popeは90年にChi-Litesのアルバム「Just Say You Love Me」にも参加しているようです。発売年度が不明なんだけど、B面のファンクの機械臭なども考慮すると80年代中後期の作品ということになりそう。曲はゆったりとした静かな甘茶ソウルでヴォーカルの比重が高くサウンドはあくまで添え物という感じ。リードはファルセットで時折バリトンが切れ込み、ファルセットコーラスも全体を通して大きな役割を果たしている。冷ややかに張り詰めた空気感といい全体としてシカゴ、ぶっちゃけチャイライツっぽさが大いに感じられますね。Aメロ、Bメロ、サビとどれも甘く優しくいい雰囲気なんだけど、特にサビの最後のコーラスのフレーズが可愛らしさの中に謙虚さも感じさせ好印象。「YOU TUBE」で聴けます。
2022.11.21
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私の好きなディープソウル MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 68 】JOHNNIE TAYLOR / GAMES PEOPLE PLAY 「The Johnnie Taylor Philosophy Continues」'691972年の「Lynn Anderson / Rose Garden」の作曲家としても知られるシンガーソングライターのJoe Southが1968年に自身で歌って後にグラミー賞を受賞したヒット曲のディープソウル・カバー。歌うはディープの大御所ジョニー・テイラーで当ブログでは、サザンソウル代表曲の温かさ JOHNNIE TAYLOR / LADY, MY WHOLE WORLD IS YOUを取り上げ済みです。ジョーサウス自体南部ジョージア州出身ということで、温かみのある南部っぽい雰囲気を持ったこの曲は、やはり南部中心に活躍したジョニー・テイラーとの親和性は高く将にドンピシャと嵌ったカバーという感じ。「ラララーララ♪」と親しみ易いスキャットを多用し、平和でのんびりとした雰囲気に温かい陽射しをたっぷり浴びた牧歌的なメロディは流石の曲づくりで実にキャッチー。それをディープにねっとりと歌いこんだことでソウルファンにより訴求する内容になりましたね。「YOU TUBE」で聴けます。Joe South / Games People Play(オリジナル)Inner Circle / Games People Play(レゲエ・ヒット)
2022.11.14
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ギターポップ推薦曲(2) 【 ポップ偏差値 64 】TIM MCGRAW / JUST TO SEE YOU SMILE '97 CDS(CURB CUBC 27)1990年代から活躍しているアメリカのカントリー歌手ティム・マッグロウのシングル曲で、日本盤も出ている彼の4THアルバム「Everywhere」にも収録されている。ビルボードのカントリーチャートで6週連続1位など長くチャートインし、カントリーとして90年代最大級のヒット曲らしいです。曲はギターを中心としたサウンドと甘く秀逸なメロディが際立つ現代風カントリーということになりますが、ギターの洗練された音色やどこか郷愁を誘う高揚感のあるメロディ、スピード感のあるサウンドなどは1980年代に隆盛を極めたイギリス産ネオアコ/ギターポップを彷彿させるものがあります。ちとコブシ回し過ぎじゃない?って感じの唱法は如何にもカントリーという感じですが、ヴァイオリンの品の良い音色、煌びやかなギター、全体的に感じられる瑞々しくも爽やかで厚めのサウンド等は往年のネオアコファンも楽しめる内容なのではないかと。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディサウンド瑞々しさボーナス(ネオアコ風味)ポップ偏差値合計87877977464
2022.11.07
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(3) 洋楽スーパーポップの世界(3) 山下達郎SSB 未オンエア オールディーズ 【 ポップ偏差値 64 】Ray Conniff / ANOTHER SOMEBODY DONE SOMEBODY WRONG SONG '75レイコニフの1975年の同名タイトルアルバム収録曲。レイコニフは女性12人、男性13人もの大編成な男女混声コーラスグループであるRay Conniff And The Singersのバンドマスター(指揮者)。主に1960年代から1980年代にかけてソロ名義、シンガーズ名義合わせて100枚以上ものアルバムをリリースしています。ジャンル的にはイージーリスニングといった感じでポップス界隈では軽視されてますね。アルバム収録曲もヒット曲のカバー中心だし、山下達郎SSBではこれまでただの1曲もオンエアされていないことがその証左とも言えるでしょう。尖った、派手な音楽ばかり聴いてきたので個人的にも完全に盲点になっていましたが、secondhandsongs.comで自分の好きな曲の面白いカバーはないかと探し回っているとやたら目につき、幾つか聴いているうちに、彼らの男女混声コーラスの魅力に嵌ってしまった次第。曲は75年のB.J.Thomasのヒット・カバー。オリジナルは情感深いメロディの素晴らしい曲だけど、男性ヴォーカルのみが目立ち、いたって素朴な味わい。それに対しレイコニフ版は透明感と奥行のある男性コーラス、爽やかで軽やかな女性コーラスが複合的に絡み合い、実に心地よい立体的で奥深い音世界が構築されている。当然だけど、声質・唱法とも魅力的な歌手ばかり集められているのでそれが大人数編成となり、曲の魅力を引き立てるコーラスアレンジを施せば、オリジナルを凌駕する曲が出来ないはずがないですよね。「ソロでこそ魅力が発揮される曲があれば、一方で大編成な男女混声コーラスであればこそ一層輝きを増す曲もある」ということを彼らの多くの良曲を聴いて実感しました。「YOU TUBE」で聴けます。「YOU TUBE」(録音風景)他のお勧め曲もあわせてどうぞ。Ray Conniff / You Are the Sunshine of My LifeRAY CONNIFF / Alone Again (Naturally) Ray Conniff / TIE A YELLOW RIBBON ROUND OLE OAK TREE RAY CONNIFF / TOP OF THE WORLD Ray Conniff / Young LoveRay Conniff / MAKING OUR DREAMS COME TRUE
2022.10.31
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) MY FAVORITE NORTHERN SOUL 【 ノーザン偏差値 63 】BRENTON COLBERT / TAKE THE CLOUDS AWAY (Atlantic City 103)ニュージャージーのマイナーレーベルから一枚だけシングルを出している男性歌手によるノーザンダンサー。検索してみると80年代後期にイギリスで活躍したシンセポップグループ「Living In A Box」のリードヴォーカリストだった白人男性Richard Darbyshireが別名で歌ったものらしい。またクレジットはされていないけれどもノーザンのDJなどで知られるIan Levineがプロデュースしているとのこと。従って80~90年代に敢えて素性を隠して往年のノーザンダンサー名曲の復活を狙って作った白人によるブルーアイド・ノーザンダンサーということになるのかも。曲はスピード感、グルーヴとも申し分の無いノーザンダンサー。サウンド的にはそれこそノーザン名曲の「Leon Haywood / Baby Reconsider」辺りを、そしてヴォーカルはDELLSのMarvin Junior辺りのソウルフル路線を目指した感じでしょうか。メロディは爽快で解放感があって、なかなかスマートな印象を受けます。曲名ともなっている「雲を払い除けろ!」という歌詞は佐野元春辺りを彷彿させ、ちょっと青臭い感じがして気恥ずかしい。全体としてキャッチーな出来でちょっと飽きやすいのが玉に瑕でしょうか。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディサウンド瑞々しさボーナス(爽快感)ノーザン偏差値合計88787777463
2022.10.24
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洋楽スーパーポップの世界(4) 山下達郎SSB 未オンエア オールディーズ 【 ポップ偏差値 63 】RICK NELSON / NIGHT TRAIN TO MEMPHIS '66 「Bright Lights And Country Music」1961年のTravelin' Manのヒットで知られるリック・ネルソンによるカントリー・カバー。オリジナルは1942年の「キング・オブ・カントリー」とも言われるRoy Acuff and His Smoky Mountain Boysによる素朴な雰囲気のカントリー。後に同名の映画も公開されています。secondhandsongsによると54曲ものカバーが存在するようです。曲はオリジナルの明るい雰囲気は継承しつつも、かなりテンションとスピードをあげ、明るくポップな内容。リックの歌声の魅力もあるけれど、数多いカバーの中でもかなりキャッチー。特に手拍子、バンジョー、高速ピアノなどで派手に盛り上げスピード&グルーヴ感いっぱいな感じは将に疾走する列車って感じですね。それほどスマートで洗練されたメロディではなく、「ハレルヤ」という言葉も個人的に気に障りますがカントリー系ポップとしては極上の部類かと。シングルカットされておらず山下達郎SSBでも未オンエアということで日本では完全に埋没してしまっていて実にもったいない感じです。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディサウンド瑞々しさボーナス(高速カントリー)ポップ偏差値合計98787777363
2022.10.17
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ウォール・オブ・サウンド 音壁の世界(1) THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(1) 【 ポップ偏差値 74 】岩崎元是 / 勇気のつばさ(off vocal ver.) '16 作曲池毅 編曲岩崎元是長年に渡り数多くの上質なウォール・オブ・サウンドを作り続けてきた岩崎元是Pによる2016年産音壁インスト。CDシングル「Machico / 勇気のつばさ」に収録。大滝詠一が1997年に井上鑑氏と共に歴史的ウォール・オブ・サウンド「幸せな結末」を作り上げた訳ですが、その大滝氏亡き今、元是Pこそが日本の、否、世界のウォール・オブ・サウンド界をその圧倒的な作品量と質の高さでリードしている唯一無二の絶対的存在だと言えますね。本曲は既にポップ界の黄金コンビが実現 Machico / 勇気のつばさ として取り上げた曲のインスト(カラオケ)バージョン。個人的にはヴォーカルの声質や歌声が受け入れ難く、折角の元是P渾身の音壁作品でありながら高評価を与えられなかったことを残念に思っていた作品。ここのところ個人的に元是Pのインストバージョンを聴きなおす機会が多かったんですが、その際に改めてこの曲の音壁の魅力に気づいた次第。元是P作品はアニソンが多いということもあって、その作品の質の高さに反し不当に評価や扱いが低いですが、このインストは全くヴォーカルが入っていないということもあって、多くの方が受け入れやすいんじゃないかな?グロッケンやカスタネット、アコースティックギター等の高音域のシャンシャン感、アコースティックピアノのエコー感、ストリングスの荘厳で華麗な響きに、ドラムやベースの重低音などがバランス良く配備され奥行のある非常に聴き応えのあるウォール・オブ・サウンドが展開されている。ヴォーカルがなくなったことで、どれだけ大音量で聴いても耳障りに感じることなく怒涛の音壁世界に没頭できる感じ。特に2分45秒からの無伴奏でのドラムの連打は圧巻。(池毅氏による濃い目のメロディもヴォーカル無しの音壁インストで真価を発揮した感じ。)フィルスペクター~大滝詠一の流れをくみながら更に音壁を進化させ、2016年時点での音壁最前線にして最良の作品と感じます。個人的格付けとしては音壁偏差値74で「幸せな結末」と同ランクで世界第2位。優れたウォール・オブ・サウンドのインスト版は世界的に著名な指揮者による大編成オーケストラによる傑作クラシックを楽しむが如く大音量で楽しめますね。音壁ファンの方でも、本曲のヴォーカル版を一度聴いてそれっきりという方も多いと思うのですが、是非とも先入観抜きで聴きなおしてみて下さい。「YOU TUBE」で聴けます。フル・ヴォリュームでご堪能を!
2022.10.10
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私の好きな甘茶ソウル(10) MY FAVORITE SWEET SOUL (10)【 甘茶偏差値 65 】SMOKEY ROBINSON / MERRY-GO-RIDE LP(TAMLA 6001)'82ソウルというかブラックミュージック界の大御所、スモーキーロビンソンの82年のアルバム「YES IT'S YOU LADY」収録曲。スモーキーについては、YES IT'S YOU LADYとBABY COME CLOSEを取り上げ済みですが、他にも多くの優良スウィートを残している甘茶界の偉人でもあります。本曲は幻想的な曲調にまるで子守歌のようにソフトに歌われるのが特徴的な甘茶ソウル。メリーゴーラウンドにはずれ無しでもコメントしましたが、この曲も数多くあるMERRY-GO系のソウル名曲と言えるでしょう。そもそもMERRY-GO-ROUND(回転木馬)は「楽しく回ろう」という意味らしいですが、そうなるとここでのMERRY-GO-RIDE OF LOVEというのは、「素敵な愛の乗り物」ぐらいの意味あいになりますかね。まあ、歌詞は他愛のないものですが、幻想的で淡く静かなサウンドに甘くクド過ぎないメロディ、スモーキーの甘く優しい歌声の織り成す本曲はリラックスするBGMに最適という感じ。メイクラブのお供や就寝前の子守歌なんかに適しているのではないでしょうか。シングルカットもされず山下達郎SSBでも未ということで、スウィートソウルファンにもあまり知られていない隠れた名曲と言えるでしょう。「YOU TUBE」で聴けます。
2022.10.03
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ZOUK その華麗なる世界 【 ズーク偏差値 68 】 Freem ek Simon Jurad / Assé Bat Douss '03 ダンサブルなズークの最高峰として「Freem / Metro-coco」は紹介済みだけど、Freemには他にも良質なダンサーが複数あります。今回ご紹介するのは、同じマルチニークのズーク・ギタリストSimon Juradとの共演曲。基本は明るく能天気なズーク・ダンサー。厚めのコーラスやスピード感のあるリズムなどはなかなかのものでカリブ海の熱いグルーヴが堪能できる。そして何といっても特筆すべきなのが後半2分以降から入るサイモン・ジュラッドによる狂乱のギタープレイ。単純明快なギター・フレーズを延々2分間繰り返すだけなんだけど、これがズークのリズムと合わさることで日本人にとっては異世界的な熱いグルーヴが創出されている。この単調だけど魔法のようなギターの魅力に気づいて欲しいですね。「YOU TUBE」で聴けます。Freem / Metro-coco(お勧め)Freem / Soukous Gras Double(お勧め)FREEM / Le Mal-Euro(お勧め)明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディサウンド瑞々しさボーナス(ギター)ズーク偏差値合計887810697568
2022.09.26
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私の好きなディープソウル2 MY FAVORITE DEEP SOUL 【 ディープ偏差値 67 】Charles Allen Music / We Got Love (EJA RECORDS 333)'76 Bar-Kaysでトランペットを吹いていたチャールズ・アレンの1976年のシングル曲。ソロとして3枚のシングルを出していて内もう一枚は本曲の再演盤で「Charles Allen / We've Got Love (PART1.2) (GREEDY RECORDS G-113)'77」として出ています。曲は軽快なピアノが映えるアップテンポのディープソウル。明るく爽やかな曲調でディープが苦手な人でも比較的聴きやすそう。メロディも良質で歯切れのよいコーラスも効いてますが、何といっても全編に流れる軽快なピアノの奏でるフレーズがすこし切なくキャッチーで良い。曲の出来の良さ故か1977年に再演盤が出る訳ですが、こちらはすこしテンポを落としたディープ・ミディアム。ストリングスを大幅に導入し、かなり華やかになりフィリー風に仕上がってます。こちらはこちらで十分魅力的で出来は甲乙つけ難い感じですが、個人的には純朴で切ないピアノの響きが魅力的な前者に軍配をあげたい。みなさんはどちらがお好きでしょうか。「YOU TUBE」で聴けます。(EJA盤)Charles Allen / We've Got Love PARTⅠ(GREEDY盤)Charles Allen / We've Got Love PARTⅡ(GREEDY盤)
2022.09.19
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洋楽スーパーポップの世界(4) 【 ポップ偏差値 63 】Claudine Longet / Let It Be Me (Je T’Appartiens) 「Colours」'68ソフトロック系ということで人気のある60年代後半のA&Mレコード中心に活躍したフランス出身の女性歌手クロディーヌ・ロンジェの3rdアルバム「Colours」収録曲。曲はEverly Brothersの1959年のヒットで有名なLet It Be Meのカバー。オリジナルは1955年のジルベール・ベコーによるフランス語バージョンのJe T’Appartiensで英語版を中心に385曲ものカバーが存在する。名メロディに名唱に名アレンジと三拍子揃ったバラード系名曲というと個人的には最近発見したJackie Trent and Tony Hatch / GOIN' BACKが真っ先に思い浮かぶがこの曲にも同じ印象を受ける。アコースティックで繊細なサウンドをバックに甘く切ないメロディをクロディーヌのヴォーカルを重ねた一人ハーモニー形式などで展開。か細い女性ヴォーカルで力を抜いてしっとりと歌うことにより、オリジナルの持つメロディの良質さがより際立った感じ。そして圧巻なのが一番最後にフランス語で歌うところ。多くの愛好家に馴染みの英語ではなく拙い感じのフランス語で歌うところに意表を突かれ、その衝撃は破壊力抜群です。クロディーヌにとっては母国語である訳ですが、あたかも外人歌手が慣れない日本語で歌うことによる妙味を感じさせます。(例:ベッツィー&クリスの白い色は恋人の色)この展開は泣けるでしょう?2分38秒と短いのが残念で欲を言えば全編フランス語バージョンも聴いてみたいですね。「YOU TUBE」で聴けます。
2022.09.12
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(4) 【 ポップ偏差値 60 】EL CHICANO / QUIET VILLAGE '70 「Viva Tirado」1970年代前半を中心に活躍したアメリカ・ロサンゼルスのチカーノ・ラテンロック・グループ、エル・チカーノの1970年の1stアルバム「Viva Tirado」収録曲。1959年のMartin Dennyによるエキゾチック・サウンド名曲QUIET VILLAGEのカバーで、オリジナルは1951年のLes Baxter版。マーチン版は未知の動物の鳴き声が響き渡る異国のジャングル内を不安いっぱいで彷徨い歩くかのような、いわばムードミュージックあるいは環境音楽的な側面が大きく、名曲ではあるけど個人的には日常的に楽しめる生活の音ではなかった。マーチン版から11年後にカバーされたチカーノ版はウオーキングテンポで、しっかりしたリズムが付き大部ポップで聴きやすい内容。ラテン系のコンガを始めとしたパーカッシブなリズムにオルガンの味のある響きが魅力的です。派手さはなく地味といえば地味な内容なのだけれど6分近くエキゾチックかつラテンなこのサウンドを聴き続けているとジワジワと効いてくる感じ。特に時折入るサビ相当部分の明るい展開はジャングルが途切れて明るい陽射しを浴びた草原でひと時の休憩をとっている感じがして命拾い的安心感が良い。エル・チカーノといえばFREE SOUL MINDに収録されていたWHAT'S GOING ONも秀逸で有名ですが、本曲も地味ながら素晴らしい内容ですので良くなるまで是非何度も聴き返してみてください。「YOU TUBE」で聴けます。Martin Denny / QUIET VILLAGE
2022.09.05
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私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) 【 ノーザン偏差値 65 】Dobie Gray / Out on the Floor '661973年のDrift Awayで有名なテキサス出身の黒人歌手ドビィ・グレイの1966年のシングル曲。アルバムも10枚以上残してますが後年はカントリー畑の人になってしまったりしたためかU.S.BDGでは取り上げられていませんね。Drift Awayはゆったりとした和み系のポピュラーヒットという感じだけど、本曲はそれより7年前の全くそんな面影もない若く瑞々しかった頃のダンスナンバーです。曲はスピード感のあるリズムに瑞々しいヴォーカルが映えるノーザンダンサー。メロディもキャッチーだし女性が「ヘヘイヘーイ!」と盛り上げるスタイルも如何にもフロア受けする感じ。個人的にはピアノ系の音色がツボでサウンドにスマートさを加味し好印象。「RICHARD TEMPLEのTHAT BEATIN' RYTHM」も将にノーザンソウルのテーマ曲といった風情のタイトルだったけど、この曲も「フロア」とつくし後に再発シングルも出てることからノーザンの象徴的人気曲だったのかも。「YOU TUBE」で聴けます。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディサウンド瑞々しさボーナス(掛け声)ノーザン偏差値合計87788778565
2022.08.29
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音壁の世界(3) 【もうすぐランクイン】Space 2000 (Joao Kurk) / Don't Answer Me 「The Alan Parsons Songbook」'002000年にブラジルの即席グループ「Space 2000」がカバーしたウォール・オブ・サウンド曲。オリジナルはAlan Parsons Projectの世界的ヒット曲で、80年代以降最も有名な音壁曲といえるかも。(シャンシャン感が素晴らしい DON'T ANSWER ME / ALAN PARSONS PROJECT)検索しても正確な詳細が分からないのだけれども、ブラジルのヴォーカリストJoao KurkがAlan Parsons Projectのカバーばかりを集めた企画アルバム「The Alan Parsons Songbook」を出す為に集められたバンドの名前が「Space 2000」ということらしい。(90年代に活躍した「Space 2000」という別のグループもいるので為念)基本はオリジナルに忠実な内容なのだけれども、音壁カバーにおいてはこの「忠実さ」というのは大事な要素で、単にヒット曲のメロディをなぞっただけの短絡的なカバーではないことを意味し不可欠であります。secondhandsongsで調べるとこの曲のカバーは20曲もあるんだけど、しっかりとした音壁カバーが多いので一安心ですね。中でもこの「Space 2000」のカバーはドラムやベースの重低音やカスタネットの軽やかでいてしっかりとした響き等、サウンド的には十分聞き応えのある内容。それぞれの楽器の微妙な違いもアランパーソンズ版に聴きなれてしまった耳には新鮮に聴こえるかも。ヴォーカルにもう少し魅力があれば良かったかなとも思うけど、こうして新たな音壁曲が作られていくことは音壁ファンとしては嬉しいものです。「YOU TUBE」で聴けます。是非ダウンロードしてステレオで聴いてみてください。Alan Parsons Project / Don't Answer Me
2022.08.22
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私の好きな甘茶ソウル(2) MY FAVORITE SWEET SOUL (2)【 甘茶偏差値 75 】GASLIGHT / I'M GONNA GET YOU (GRAND JUNCTION 1100)'7370年代初頭に4枚のシングルを残して儚く消えた伝説の甘茶グループ。アルバムを残しておらず、残した数少ないシングル皿がどれも高品質という意味においてTOMORROW'S PROMISEと双璧を成す甘茶者にはとても評価の高いグループです。BUTCH AND THE NEWPORTSという前身グループを経て、後にソロアルバムも出すOLIVER CHEATHAMが率いていたデトロイトのグループです。甘茶偏差値74のDRIFTING AWAYなど既に当ブログでは複数紹介済みですが、今回はいよいよ大本命盤の73年の3rdシングル。アレンジはPaul Riserで淡く寂しげなピアノから始まるイントロなど繊細なサウンドを作り上げている。特筆すべきはその後いきなり来るサビのフレーズで、甘く優しくなだらかな「I'M GOING TO GET YOU」というコーラスと儚くか弱いリードの掛け合いが絶妙に美味。切ない想いを全放出するかのような甘い雄たけびも魅力に満ちています。バックも郷愁を誘う大泣きのサウンドでそれらが凝縮され一体となったこのサビは甘茶ソウル史上に燦然と輝くサビの頂点と言えるでしょう。当然ですが、それらは決して万人受けする内容ではなくソウルミュージックの持つ甘さという要素を容赦なく極限にまで突き詰めた所業の瞬間で、だからこそマニアにだけは絶大な支持を受けるのだと思います。なお、私の推す他の偏差値70越えの超優良甘茶ソウルと比べるとサビ以外の出来がいまいちですが、このサビの存在だけで最高の甘茶ソウルと格付けしてしかるべきかと思います。「YOU TUBE」で聴けます。ぬわんとスタジオライブ映像も見れます。二大甘茶ソウルグループのもう一方 GASLIGHT(シングルリスト有り)70年代ソウルの「一つの頂点」 GASLIGHT / DRIFTING AWAY触れば崩れそうな繊細なファルセット GASLIGHT / IT'S JUST LIKE MAGIC
2022.08.15
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洋楽スーパーポップの世界(6) 【もうすぐランクイン】Matthias Lens / Samen uit samen thuis '15ベルギーの歌手&アコーディオン奏者のマティアス・レンズによる1984年のNICK LOWE / HALF A MAN AND HALF A BOYのカバー曲。2015年の彼の3RDアルバム「Samen Uit, Samen Thuis」収録曲。ベルギーということで公用語であるフラマン語(オランダ語)で歌われているようでオリジナルと違った聴感が楽しめる。また、それ以上に大きな特徴としてオリジナルではシンセで奏でられていた特徴的なフレーズが、アコーディオンで奏でられていること。また随所にアコーディオンが入ることで曲の持つ楽しい雰囲気が割り増しになった感じ。アコーディオンはこの曲の雰囲気とうまくマッチしていてカバーとして30年も前のこの曲を選択したことは実に的確という感じですね。ただ他の楽器がいまいち気合い不足なようで少し物足りない。折角の嵌り曲なのでもっとしっかりしたバックで録音して欲しかったかな。(こちらのライブではバンド編成で二人の女性コーラスまで付いてる・・・)「YOU TUBE」で聴けます。明るく剽軽な雰囲気の好青年という感じで一人ライブも楽しい雰囲気で好評っぽいですね。
2022.08.08
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(3) 【 ポップ偏差値 61 】CELIA CRUZ / Yo viviré (I will Survive) 「Siempre Viviré」'001950年代から活躍するサルサの女王と呼ばれるキューバ出身の女性歌手セリア・クルスによるグロリアゲイナーの世界的ヒット曲「I Will Survive」のカバー。Gloria Gaynor版は1978年のヒットで、彼女自身が翌79年にスペイン語版を発表していて、セリア版はそのカバーということになるようです。2000年のアルバム「Siempre Viviré」収録。基本はオリジナルを踏襲した緊迫感と悲しみに満ちたディスコなんだけど、サルサの要素を大幅に取り入れたことにより新鮮な味わいがあります。特にオリジナルにはない後半のサルサな展開は男性コーラスの切迫感などなかなかのもの。セリアはこの時点で75歳とかなりの高齢だけど、よくビブラートする歌声など流石女王と呼ばれるだけの貫禄がありますね。Gloria EstefanやJose Felicianoといったラテン系オールスターによるライブで歌われる等かなり認知度の高いの人気曲のようです。「YOU TUBE」で聴けます。スタジオライブGloria Gaynor / I Will Survive (オリジナル)Gloria Gaynor / Yo Vivire (12”Promo Spanish Version)Gloria Gaynor / Yo Vivirer (feat. Gipsye Kali) (Version Flamenco)も良い出来。明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(サルサ)ポップ偏差値合計67767887561
2022.08.01
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