今年4月入所を目指した認可保育所の選考結果通知が全国で2月から本格化し、落選ラッシュで親たちが悲鳴を上げている。ソーシャルメディア上には「このままでは共倒れ」「ショック過ぎる」と悲痛な声が全国から寄せられている。昨年、認可保育所を落選した母親が「保育園落ちた。日本死ね!」とブログに書いて注目されて間もなく1年。親たちの声を集める動きは今年も始まっており、怒りは大きなうねりとなりそうだ。【中村かさね】
「こんなはずじゃなかった」「引っ越しも考えている」−−。5日、東京都武蔵野市内で開かれた市民団体「保育園増やし隊@武蔵野」の交流会では乳児を抱いた父母ら60人以上が集まり窮状を訴えた。市内では昨年9月、0〜5歳児の計81人の受け入れを予定していた私立認可保育所が、近隣住民の建設反対運動で開園を断念した。
10カ月の長男を抱いて夫婦で参加した女性(32)は認可は全部落選した。「何とか確保した預け先は、無認可で月17万円。2人目も考えたいけれど、どうすればいいか……」。妊娠中に引っ越して来たばかりだが「もう一度引っ越そうか」と夫婦で話し合っている。
ツイッターなどソーシャルメディアには落選した親たちの怒りや嘆きが続々と寄せられている。「冗談抜きで笑われへん。なんで落ちるん?」(大阪府)▽「2次募集も空きなし。ショック過ぎる」(大阪市)▽「このままではみんな共倒れしてしまう。どうしたら良いの?」(静岡県)。落選を伝える通知書の写真とともに「働けねーから働かねーわっ!」とつぶやく人も。
武蔵野市で認可保育所開設を市に訴えてきた天野妙さん(41)らはソーシャルメディアで「#保育園に入りたい」と題したキャンペーンを始めた。フェイスブックやツイッターに、落選を伝える自治体の通知の写真や保活(保育園探し)への思いを投稿、共有してもらう。ここ数日で、各地から続々と切実な声が寄せられている。来月7日には、国会周辺でイベントも企画している。「全国で当事者がつながることで、大きなうねりにしたい」と話す。 認可保育所を巡っては昨年2月、落選した母親が「保育園落ちた。日本死ね!」と題したブログを書き、国会でも議論された。待機児童は、保護者が育児休業中など「隠れ」のケースを含め約9万人(昨年4月)いる。
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