その影響力を再確認させられるひと言が、あるベテランの口から発せられた。
「15、黒田博樹!」
広島・日南キャンプの3日目、声の主は坂道ダッシュをこなしていた新井貴浩だ。記者団の「何本こなしたのか?」なる問いにそう答えたのだが、昨季限りで引退した大黒柱の存在の大きさを再認識させられた。
「広島は黒田にキャンプ中の臨時コーチを要請しましたが断られています。精神的支柱がいなくなれば影響が出るのは必至で、黒田が数字以上の効果をもたらしていたことを思い知らされました」(スポーツ紙記者)
新井がまとめ役になり、緒方孝市監督(48)がしっかりと手綱を握れば連覇も決して難しくないが、そうもいかなくなってきた。
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「緒方監督までがマネジメント会社と契約したんです。選手が現役中にマネジメント会社と契約するケースは珍しくなくなりました。でも、オフのスケジュールを球団が管理できなくなるときもあり、賛否両論です。指揮官までが球団と離れて『野球外活動』をするとなると…」(球界関係者)
マネジメント会社もオフを見据えて、テレビ出演や講演などの仕事を取ってくる。球場にペナントレースとは無関係なマネージャーが出入りすることになれば、チームの指揮にも影響してしまうだろう。
難しい選手起用を迫られるのは、巨人・高橋由伸監督(41)も同じだ。ベテラン・阿部慎之助をどう扱うのか、外国人選手との兼ね合いが難題となっている。
「阿部は一塁に再コンバートしますが、三塁には昨季復活した村田修一と新加入のマギーがいます。特にマギーはキャンプ初日から快音を響かせています」(現地入り記者)
どちらかが一塁にまわされるとなれば、阿部とかち合う。ムラッ気があるとされていたクルーズも、改心して必死にアピールを続けている。昨季の開幕4番・ギャレットも健在だ。
「大型補強を敢行しましたが、新加入の選手たちはイの一番に阿部に挨拶しています。もし阿部がムクレてしまったら大変です」(同)
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