どういうわけか、「短い」短パンがない。
古着の山をさんざんひっくり返してみたのだが、
出てくるのはヒザ下まである丈のパンツばかり。
いわゆる「バミューダー」というヤツだろうか。
びみょ〜に長ったらしいのだ。
旅先の宿や町歩きで使いたかったので、
ヒザにかからない歩きやすい短い丈のパンツを探したのだが、
出てくるものは次から次にヒザ下丈。
店先に並べられているものも長めの短パンばかりなのだ。
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気になって、道行く人たちに目をやると、
ヒザ下丈の短パンばかりが闊歩していた。
韓国では長めの短パンが主流?
古着だから短いのがない?
時代はバミューダー?
「?」マーク満載。
旅先で処分できるシロモノで、と古着屋を漁っていたが、もはや降参。
新品なら普通にあるはず、とトンデムンを埋め尽くしている問屋街を目指した。
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「ガラクタ市」から川を渡ると、トンデムンの東のハズレに当たる。
店先に吊るされたもの、店内に並べられたもの、
束になったもの、ハンガーにかけられたもの…
ドイツもコイツも丈が長い。
「短パン」なのに長いとはヘンな話しだが、真の「短パン」に出会えない。
ジョグ用か、サッカー用でないとダメなのだろうか。
歩いたことがない一本裏の通りに潜りこんでみる。
カーペットやフローリングを売る問屋街の合間に中古品街が軒を並べていた。
古い電器屋を中心に、楽器屋、看板屋が連なる。
店先ではオヤジサンが電子ジャーをひっくり返して修理している。
その反対側では客が好みの蛇口を探している。
ここに持ってくればなんとか直してくれる、
あるいは壊れた部品を見つけることができる、そんなエリアなのだろう。
店先の「中古品」はとても売り手がつきそうにもないものばかりで、
「売り」よりも「修理」で賄っているのか、そんな想像を掻き立てる。
子供の頃、こんな電器屋さんや修理屋さんがあったなあ。
日本では直さなくなったものも、
ここでは手を入れて、甦らせ、どこかで働き出すのだろう。
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電器屋の合間には食堂や茶屋があり、
店先では指先を黒くした働く手のオヤジサンが一服している。
修理待ちのオバチャンが退屈そうにアイスをほおばっている。
近代化したソウルの街では、日本では消えてしまった風景に出会える。
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