公園内にはシーソーや矢投げ、コマ回しや木切れを投げる占いなど、
昔ながらの遊びがいくつも置かれている。
どの遊具にも子供を連れた家族連れやカップル、
友達同士で戯れる人が列をなしていた。
遊具はただ置かれているだけで、
遊び方も順番待ちも混雑も混乱もない。
係員など一切いなくて、ほったらかし。
それでも遊び方のわからない子供に大人たちが口々に教え、
順番を待つ人に当たり前のように遊具が手渡されていった。
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韓国の古い遊びにも興をひかれたが、
それよりも整然と遊具を手から手に渡していく、大人の振る舞いにシビれた。
地下鉄で列にも並ばず、争うように席を奪う人たちがこれなのである。
散らかっている道具はないし、
暗黙のうちに順番待ちもすげ変わっていく。
なんともみんな大人なのだ。
日本だったら、これだけの人が集まる場所、となると、
係員がつき、使い方を注意し、お金を取って、チケットを売りさばき、
あげく警備員が立つことになるだろう。
あるいは投げると危険な矢にはくだらない安全対策が施され、
ケガする恐れがあるシーソーなんてものは撤去の憂き目に会うかもしれない。
省みると我が国はなんて子供っぽい国なのだろう。
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はしゃぐ子供たちの横で、ジェントルな大人に驚かされた。
そのジェントルな大人たちが子供たちと一緒になって、笑顔で遊んでいる。
バカ高い金をふんだくるテーマパークに行かなくても、
お金を一切使わない素朴な古い遊びでこれだけみんなが笑顔になっている。
ネズミの着グルミがいなくても楽しいのだよ、充分に。
秋夕(チュソク)ということもあって、チマ・チョゴリを着けた子供が多い。
七五三の境内を歩いているかのように色鮮やかで、
韓国ではチュソクが特別な催しであることを想像させる。
ちなみに「チマ」はスカート、「チョゴリ」は上着でございます。
チョゴリ姿のおじいさんやおばあさんが、
孫の手を引いて歩いている姿を見かける。
長年、着てきたのであろうその姿がなんとも美しい。
ご年配のシブイ色合いのチョゴリがたまらなくステキなのだ。
外国人が日本に来て、着物姿に魅惑される気分が少しわかった気がする。
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お隣の国ながら、日常的な民族服に感服、着慣れた姿が美しい。
観光客向けの、いかにもだろうなあ、という思っていた民族村。
日光江戸村か、はたまた映画村か、
高をくくって訪れたのだが、そこにいた人々にシビれてしまった。
韓国の思わぬ一面を垣間見た、チュソクの一日。
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