室町時代や江戸時代には、梅毒にかかると死を迎えるしかないという恐ろしい病気でしたが、現在では治療できる病気です。
梅毒は、短時間で病状が進行するものではなく、長い時間をかけて少しずつ病状が進行していきます。
梅毒を引き起こしている病原体は「トレポネーマ」と呼ばれており、感染方法は性行為だけではありません。
粘膜部分や皮膚の傷があれば、こうした部分を通しても体内に進入し、血液を介して全身に広がってしまいます。
つまり感染後、口に病変部分があれば、子供や家族や恋人とキスをするだけで感染してしまうという事です。
さらに梅毒に感染しているとHIVにも感染しやすくなってしまうので、多くの医療期間では梅毒患者にHIVウイルスの検査を受けるように勧めています。
◯梅毒に感染するとどのような症状が出るのか
梅毒の怖いところは、初期症状が出た後に病状自体が治まってしまうことです。
NIID国立感染症研究所によると、梅毒の症状は5段階に分けられています。
・早期顕症梅毒 第 I 期
・早期顕症梅毒 第 II 期梅毒
・潜伏梅毒
・晩期顕症梅毒
・先天梅毒
早期顕症梅毒 第 I 期は、梅毒に感染した部位に潰瘍が確認できるようになり、痛みがないものの腫れが出てきます。
しかしこうした症状は治療を行わなくても数週間で治ってしまいます。
早期顕症梅毒 第 II 期梅毒は、体内に進入した梅毒の病原体が血液を介して全身に広がっていく期間であり、4週間から10週間目に起きます。
症状としては、全身に皮疹が起き、粘膜部分にも湿疹ができます。
加えて梅毒性の脱毛、発熱、全身の倦怠感といった症状も起きてきますので、全身に違和感が出てくるでしょう。
進行状況によっては、中枢神経や泌尿器、筋骨格からも症状が出てくることもあります。
こうした症状は、しばらく時間が経過すると完全ではないものの、かなりの程度治まってきてしまいます。
潜伏梅毒期間は、梅毒による症状がほとんど見られない状態になっています。
もちろん検査をすると梅毒の反応が出ますが、症状がないため、感染者本人が事態を申告に考えないケースも見られます。
潜伏期間は1年位の間となります。
晩期顕症梅毒は、無治療のまま数年から数十年が経過した場合に生じる状態です。
主に神経梅毒の症状が出るようになりますが、細かく説明すると、心血管梅毒、脊髄癆、心血管梅毒というものです。
先天性梅毒の子供たちの中には、晩期顕症梅毒は幼い時には顕れず、学童期に内耳性難聴や実質性角膜炎という症状が出ることがあります。
梅毒のついての詳しい説明
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