ナツノナカノです。
さて、前回「パタリロ西遊記!」のレビューが終わり、また今回から本編のパタリロ!のご紹介に戻りたいと思います。ちょっと更新が滞っていたのは、以前にもお話した通り80巻前後は私自身、会社勤めが忙しく、あまり深く読みこんでいなかった時代だったのですね。なのでここ2、3日は80巻以降をしっかり読み解く旅に出ておりました…とはいえ、読み進めていく中でそうそうこの話はすごく覚えてる…というものもありますのでそういった思い出深い作品をご紹介していきたいと思っております。
今までのレビューを振り返ってみて、あっあのエピソードの話してないや!とか、そういやこのエピソードすっかり忘れてるじゃ〜んというものが沢山ありました。それは今後、ぜひまたみなさんにご紹介したいと思っております。
また、傑作かどうか決めるのはもちろん読んだ方それぞれの感じ方なので、ぜひみなさんもパタリロ!を読んでご自身の好きなエピソードを選んで欲しいなと思います。
さて、今日ご紹介するのは 81巻です。
パタリロ! 81 (花とゆめCOMICS)
81巻の収録作品はこちら
○オカル・ト?
○べとべとさん
○朝はどこから来るかしら
○貧乏神ですよ
○不服な服の神
○妖怪 山童
○山童で大童
○夢魔の森
○墓の周りは花だらけ
○花のバンコラン
○雪と恐竜
一話一話がちょっと短くなったのは“別冊”にうつってからですかね。どれも面白いのですが、結末までが急展開になりがちです。きっとページ数の問題ですね。それでも「べとべとさん」から「不服な服の神」までは少しずつ繋がっている連作になっています。
ある日、ダイヤの原石の仕分けをしていたタマネギ シマラッキョ号は百カラットを超える大きさの原石をうっかり落として真っ二つに割ってしまいます。その失敗を隠蔽するためにシマラッキョ号は架空の妖怪“べとべとさん”をでっち上げ、原石を割ったのは“べとべとさん”だと嘘をつくのですが本物の“べとべとさん”が現れ嘘がバレてしまうお話。
実はこのお話の途中、パタリロが音声メモに“朝”の連絡先を調べておくよう残していくところから、すでに次の作品 「朝はどこから来るからしら」に繋がっていきます。
朝が来なければずっと夜で、一日中眠っていられるのに…という寝坊助が考えそうな事をパタリロがメモにしたことで本当にタマネギが“朝”の連絡先を調べてくるんです。
そして“朝”の連絡先にパタリロは電話をするんですけど、そこには宇宙規模の恋愛事情があり…さらに“朝”の連絡先を調べたタマネギに聞くと、その番号はN○Tの番号案内で調べた…という話。そこでパタリロは福を授けてもらおうと、“福の神”の電話番号をゲットするのです。
そうして、お話は 「貧乏神ですよ」へ繋がっていくのです。 「貧乏神ですよ」では、福の神へ電話したはずのパタリロが番号を一番違いでかけてしまい、間違えて貧乏神をマリネラに呼び寄せてしまうのです。そこで迷惑な貧乏神に対抗すべく、福の神協同組合に電話をして“福の神“”服の神“”副の神“”吹くの神“などなど”ふく“が付く神様みんなに来てもらうのです。そうしてパタリロの本領発揮。
「意味論」が久しぶりに出てくるのです。
そして貧乏神が帰ったあと、活躍の場がなかった”服の神“が 「不服な服の神」としてマリネラに居座ってしまい、今度は靴下の神だの靴の神だのが出てくる事態になるのでした…
この一連の流れは気持ちが良いほど鮮やかですね。
そして神様でてくるところに「意味論」あり。前にもお正月様がマリネラに居座った時に「意味論」で撃退していました。
「花のバンコラン」ではバンコランがなぜいつも手袋をしているか…の話になります。あぁそうなんだ…という感じです(笑)
「雪と恐竜」で思ったことは、もしこの作品にあと数ページの余裕があったらもっと違う終わりになっていたんじゃないかな…という事でした。もしも数ページの余裕があったらきっと魔夜先生はこういう終わりにしたんじゃないかな…とかそういう「たられば」を想像するのもなかなか面白いです。
やっぱりパタリロは面白いなぁ…
次回は83巻です!
タグ: 意味論,福の神
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