試験では4基のエンジンを1基ずつ、それぞれ数時間稼働させた。
4基のエンジンいずれも異常なく機能することを確認したという。
今後はこの試験だけでなく、複数のイオンエンジンを組み合わせた試験運転を実施。
航行に必要な推力や姿勢制御などが可能かどうか確認作業を続ける。
イオンエンジンとは電気推進とよばれる方式を採用したロケットエンジンの一種で、
マイクロ波を使って生成したプラズマ状イオンを静電場で加速・噴射することで、
推力を得るロケットエンジンである。
電気推進は宇宙空間で用いられるロケットエンジンシステムの一つ。
化学ロケットと違い、電気的なエネルギーを用いて推力を得る。
静的な電場を作り、クーロン力によって推進剤を加速する静電加速型。
推進剤を加熱し、ノズルなどを用いて熱エネルギーを運動エネルギーに変換して推力を得る電熱加速型。
ローレンツ力を用いているもののほか、電場と系の加速の方向が互いに異なる電磁加速型の三つがある。
最大推力は小さいが、比較的少ない燃料で長時間動作させられる特徴をもつ。
推力密度が低いことや真空中でしか作動できないため、
地球からの打ち上げに使うことは不可能である。
その反面、少ない推進剤で長時間作動させる事により大きな速度変化を与えることが可能であるため、
静止衛星の、軌道上の位置ずれ制御や、惑星間飛行、小惑星・彗星探査などの用途には最も適している。
【このカテゴリーの最新記事】
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image