あつしです!
今回も
風が強く吹いている 』
を紹介したいと思います。
三浦しをん先生 の作品で
箱根駅伝に10人で出場する小説です。
箱根駅伝当日までを書きましたが
書ききれなかった人間模様がまだまだ書かれておりますので
ぜひ読んでみてください。
しかも
小説と漫画で受ける印象が違います!!
そんなところも楽しんでいただけると
面白いかもしれません
お名前.com
箱根駅伝———
1区 大手町〜 鶴見 21.3キロ 王子
スタートの号砲が鳴り 王子 が走り出しました。
1区は牽制しあってペースが上がらない場合があり 王子 でもついていけるかもしれない。
との、 清瀬 の読みどおりゆっくりしたペースで進みます。
(王子は漫画好きで寛政大学で一番遅いタイムです)
移動している 清瀬 に監督車に乗る 大家 から
「もう少ししたら10キロなんだが、俺は王子になんと声をかければいい?」
と電話が入ります。
清瀬 は 「なにも言わなくていいでしょう」と伝えますが
大家 は 「黙って車に乗っているばかりの監督としてどうだろう」と退屈しています。
清瀬 は 「どっしり構えて、つらそうになったら励まして」と伝え
「伝言を頼みます。『きみに伝えたいことがある。だから、這ってでも鶴見まで来い』と」
王子 がその伝言を聞いたのは、15キロ地点でした。
伝えたいこと?聞いてやろうじゃないか。と
気持ちを再び奮い立たせました。
1区は集団で進んで行き
六郷橋で決まる!と全員が暗黙の了解で考えています。
(六郷橋は多摩川にかかる、全長446.3メートルの大きな橋で
橋に差しかかるための上り坂とその後の下り坂があります)
集団は六郷橋を上り始め
選手はスパートをかけばらけました。
王子 はついていく事ができずに見送りますが
想定の範囲内!六郷橋まで来たらタイム差はそんなに出ない。自分のペースで走りきる。
王子 は諦めず辛抱強く走ります。
2区 鶴見 〜 戸塚 23キロ ムサ
鶴見中継所で 走 と ムサ は 王子 を待ちます。
箱根駅伝の2区は
【花の2区】とよばれ
各大学のエース級が出場します。
そんな中でも ムサ は特殊で
国費留学生として大学に留学していたので
陸上経験がありません。
次々と襷リレーをし
鶴見中継所を飛び出していきます。
トップの 六道大学が襷リレーをしてから30秒・・・
「王子さんです!」
ムサ は中継ラインに立ちます。
ムサ は 王子 に向かい手を上げます。
中継ラインを越えた 王子 は、走りはじめた ムサ の手に
握りしめていた襷を渡しました。
寛政大学 は最下位で通過しました。
王子 は立ち止まり、倒れこみそうになったところを
清瀬 に抱きとめられ
「ここまで一緒に来てくれて、ありがとう」と伝え
王子 は 「合格」とつぶやきます。
ムサ は速いペースで走っています。
周りの声援などで完全に雰囲気に呑まれています。
「ペースを抑えろ」という 大家 の指示も
2区最大の難所、権太坂が控えていることも忘れていました。
(権太坂は、14キロ過ぎから1.5キロも上りが続く難所です)
ムサ は速いペースのまま権太坂に気付き
上りはじめた時には重りをつけたように脚が進まなくなります。
そこから ムサ は冷静になり
清瀬 からの指示も思い出します。
2区ラスト3キロの上り坂
ムサ は意地だけで走っています。
3区 戸塚 〜 平塚 21.3キロ ジョータ
戸塚中継所では
ジョータ と キング が ムサ の到着を携帯のテレビを見ながら待っています。
テレビには ムサ が前を行く5人の選手に迫っている映像が流れました。
戸塚中継所まで500メートル
ムサ は渾身のスパートをかけ
集団の先頭に立ちます。
中継ラインに立っている ジョータ に襷を渡します。
「エースの走りだったよ」と ムサ に声をかけ
ジョータ は走り出しました。
寛政大学 戸塚中継所13位で通過
ムサ は2区を12番目のタイムで走りきりました。
ジョータ は双子の ジョージ とのことを考えながら3区をスタートします。
双子の ジョータ と ジョージ はいつも一緒でしたが
走ることに関しては今は同じぐらいのタイムですが
ジョータ は ジョージ の方が走る才能があるので
そろそろ別な道に進むときが来た。と考えながら走っていると
監督車の 大家 から
「ハイジからの伝言だ。ラスト1キロが踏ん張りどころだ。何を見ても動揺するな。以上」
伝言を聞いた ジョータ は何校か抜き
ラスト1キロに差し掛かりました。
が、直線道路のため走っても走っても着かない気持ちになることがハイジからの伝言の意味でした。
残り200メートル地点で
歩道を 葉菜子 が自転車で疾走していることに気付きます。
「ジョータくん、あとちょっとだよ!」
はっきりと聞き取った ジョータ
・・・葉菜ちゃんって、もしかして俺のこと好きなのか?
と、気持ちを気付き
・・・俺たちのどっちを好きなわけ?
と、うれしさと疑問で混乱し気付かぬうちに2校を完全に抜き去っていました。
4区 平塚 〜小田原 20.9キロ ジョージ
平塚中継所には ジョージ と ニコチャン が待っています。
次々とやってきたトップ集団が襷リレーをする後方に
ジョータ が他の大学を抜く姿を見て
「兄ちゃんばっかりにいいカッコさせないよ。」と
中継ラインに出ます。
鬼気迫る形相で走ってきた ジョータ が ジョージ に襷を渡しながら
「葉菜ちゃん、もしかしたら俺たちのこと好きかも!」
「ええっ、うそー!」
叫びながら ジョージ は走り出します。
寛政大学 平塚中継所11位で通過
ジョータ は3区を10番目のタイムで走りきりました。
ニコチャン はすぐに ハイジ に
「ちょっとまずいことになったぞ」と電話をかけます。
「双子が葉菜ちゅんの気持ちに気付いてしまい、ふにゃふにゃってわけだ」と伝えます。
予想通り ジョージ の頭の中は 葉菜子 のことでいっぱいです。
そのせいで ジョージ の走りは散漫になっています。
「こら、ジョージ!聞いてんのか、おい!」
大家 の怒号で我に返ります。
15キロ地点までどこを走っているかもわからずにいました。
大家 から
「走からの伝言だぞ。 『好きなら走れ』 以上」
それを聞いた ジョージ は疾走します。
ラスト1キロの上り坂。
リズムに乗りきれない ジョージ は
それでもがむしゃらに食いついて体を進めます。
5区 小田原〜 箱根 20.7キロ 神童
小田原中継所で待っている 神童 は風邪を引いてしまい
本当は走れる状態ではありません。
しかし、10人しかいない 寛政大学 では
替わりはいません。
ジョージ は 喜久井大の選手と並んで中継ラインを越えます。
「神童さん」と襷を渡します。
ジョージ は自分の走りを後悔します。
寛政大学 小田原中継所10位で通過
ジョージ は4区を11番目のタイムで走りますが
もっといいタイムで走れたはずです。
走り出した 神童 は
体の底から寒気がし、汗だけは皮膚を流れる。
体の表面の火照りが取れない。
一歩を踏みだすたびに衝撃で頭痛がし、鼻がつまって呼吸もままならない。
風邪のせいで 神童 は本来の走りができません。
後続のチームにどんどん抜かれ
給水時に 「いま17番目。トップとの差、そろそろ10分」 という情報を得ます。
トップと10分以上のタイム差がついたチームは、
復路が繰り上げ一斉スタートになります。
それだけは避けたい。と 神童 は走り続けます。
東京箱根間往復大学駅伝競走往路のゴールテープを 房総大がゴールします。
六道大が2位でゴール。
・・・朦朧とし、ふらふらしながら 神童 が現れます。
ゴールした 神童 を 走 と 清瀬 が抱きとめます。
担架で運ばれる 神童 は
必死に謝罪の言葉を伝えます。
出場20チーム中18番目でゴール。。。
トップとの差、11分53秒。。。
復路一斉スタートになりました。
次回は
いよいよ 復路 です!!
漫画化にもなってます。
ぜひ小説より漫画の方はこちらをどうぞーー
漫画版『 風が強く吹いている 』
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